独立公認会計士インタビュー『わたしの働き方』
荻窪公認会計士事務所 所長 荻窪輝明 氏

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監査法人や企業以外で活躍している公認会計士の方々に,これまでのキャリアや仕事の軸などについて聞く本コーナー。今回は,ファイナンシャルプランナーや証券アナリストの資格も保有し,テレビの経済番組ナビゲーターも務める荻窪輝明氏。多彩な活躍の秘訣を伺った(「週刊経営財務」No.3392の記事を再掲)。

 

 

1 監査法人時代から多彩な活動

─会計士を目指した理由を教えて下さい。

大学卒業後,証券会社で約5年営業職に携わってきました。経験を積む中で知識も深めなければという思いがあり,会計士資格に出会ったことがきっかけです。簿記から始めましたが,相当強い気持ちで臨んだことを思い出します。

 

─監査法人入所後はどのようなお仕事に?

最初はトーマツで,会計監査,株式上場支援業務に携わりました。監査以外の経験を積むため,コンサルティング会社に転職し,事業再生を中心に,組織再編,事業承継,税務といった監査以外の多様な業務に関与する傍ら,執筆や講演,講師を務める機会が増えました。
その後移った仰星監査法人では,業務開発,営業活動にも重点を置き,提案書作成,顧客へのプレゼンテーションによる新規案件の獲得等に従事しました。会計士協会の活動はトーマツ時代から関わっており,現在も近畿会の役員幹事や本部の専門委員を継続して務めています。

 

─独立に至った経緯等を教えて頂けますか。

個人で様々な活動を行ったことがきっかけです。日本FP協会や日本証券アナリスト協会の活動に加え,資格取得講座の講師などを務めてきました。小・中・高・大学,特別支援学校のほか社会人に至るまでの様々な世代に,キャリアや金融教育,奨学金制度の説明を行ったほか,自治体の生活困窮者支援員,生活相談室の相談員,創業支援の相談員などを務めていました。
活動領域が広がるにつれ,監査法人での業務とのバランスや,一緒に働く方々に迷惑をかけてはいないかと悩むこともあり,さらに活動の場を広げようと独立を決めました。

 

 

2 テレビで発信する会計士に

─現在のお仕事について教えて下さい。

先に述べた活動は継続しているものも多くあり,毎年,定時制高校で働き方などについての授業をしています。上場準備支援や,各種の制度や体制を導入・整備するためのコンサルティング業務,税務業務等も行っていますが,公認会計士ですので,会計監査も大切だと位置付けています。講演・セミナー講師や執筆も含め,何事も意欲的に取り組んでいます。業務領域の確立はまだ先かと思いますが,新しい分野,新たな方々との出会いなど,様々なことに挑戦したいと思っています。

 

─テレビ出演などメディアのお仕事にも携わっておられますが,芸能事務所に所属するきっかけと現在の出演番組について教えて下さい。

事務所所属以前にもテレビ出演があり,メディア関係の方とのお付き合いが続いていたところ,事務所をご紹介頂くことになりました。
「滋賀経済NOW」(毎週土曜22時~びわ湖放送)の出演は,このご縁でつながったものです。”滋賀の今を伝える”というコンセプトで,企業や経済団体にスポットをあて,企業理念や事業展開,経営者の夢など,経営の指針となる情報を提供しています。また,旬のビジネス情報から知っておきたい経済用語まで,私なりの視点で解説しており,ハロウィンや消費税増税といった世間が関心を寄せる題材に加えて,コーポレート・ガバナンス,ESG投資,Society5.0などのトピックを扱うこともあります。固いイメージの経済番組を柔らかい導入にするべくショートストーリーを展開し,分かりやすさを意識しています。

 

─弁護士や医師に比べて,会計士のテレビ主演は少ないですね。経済番組では会計士が果たす役割も大きいと思うのですが。

会計士が世間に浸透していない職業だからでしょうか。「会計士といえば会計や監査」といった専門的な内容にこだわりすぎなければ,もっと会計士が発信できる内容は多いと感じます。企業不祥事が起こる時に出てくる職業ではなく,普段からよく聞く身近な職業へとイメージが変えられると,会計士の良さが伝わると思います。
会計や監査の専門用語は,一般感覚からすると難しく,結果として視聴者を遠ざけてしまいます。「わかりやすく」を公認会計士としての私の役割だと認識し,こうした解説を続けることで広く知られ,魅力ある職業に感じてもらえるよう取り組んでいきたいです。

 

 

3 非専門的要素も必要な資質

─会計士に必要な能力は何でしょうか。

事業会社では,企業の理屈,企業を中心とした経済の仕組みを感じることができ,組織が変わればそれぞれの構造や仕事の進め方が異なります。複数の拠点と異なる人間関係の中に身を置けたことは貴重な経験です。会計士は企業や市場,社会を外から客観的に観るスキルが必要なことから,多種多様な経験を有する方が増えると,さらに業界も広がりを見せるのではないでしょうか。高い専門性と同時に,業務への取組み姿勢や考え方,日頃の振る舞いといった非専門的要素も会計士の資質として求められていると思います。

 

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荻窪 輝明(おぎくぼ・てるあき)氏

公認会計士,税理士,日本証券アナリスト協会検定会員,CFP認定者。日本公認会計士協会近畿会役員。東京都出身。証券会社,監査法人,コンサルティング会社勤務等を経て独立。日経産業新聞(「有報,延期回数に制限なく」),週刊経営財務(「注記実務の留意点」 No.3338・20頁 ),経営財務テキスト講座など執筆・講演多数(※)。テレビ出演に,「滋賀経済NOW」(びわ湖放送),「超安心!リスク大事典身近な危険を回避せよ」(テレビ東京)など。

 

税務研究会について

当社は昭和22年4月、「納税者と税務当局との架け橋」となることを目的に創設されました。その年の11月には『税務通信』を創刊し、以来一環して「税務・会計分野における的確な情報提供を通じて広く社会に貢献する」ことを企業理念として、サービスを展開しています。

本件に関する
お問い合わせ先
株式会社税務研究会
経営財務編集部
E-mail:webmaster@zeiken.co.jp

企業情報

株式会社税務研究会

事業内容
税務、経理、会計などの実務情報サービスとして、定期刊行物、書籍、データベースなどを展開
所在地
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-8-2
鉃鋼ビルディング19階
代表者名
代表取締役社長 山根毅
上場
非上場
資本金
5,400万円
URL
https://www.zeiken.co.jp/

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