独立公認会計士インタビュー『わたしの働き方』 
宇賀村・澤田法律事務所 代表 弁護士 公認会計士 宇賀村彰彦 氏

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監査法人や企業以外で活躍している公認会計士の方々に,これまでのキャリアや仕事の軸などについて聞く本コーナー。今回は弁護士・公認会計士として、事業再編・M&A、事業承継、税務訴訟、会計不祥事対応、といった法律と会計・税務が交錯する分野を強みとする宇賀村彰彦氏に話をきいた。

 

─公認会計士を目指したきっかけを教えてください。

父が税理士で、高校生ごろから漠然と将来はそういった専門職という選択肢があるなと思っていました。大学に入り、いよいよ先のことを考えなければと思ったときに、父の勧めもあり公認会計士になろうと決めました。1998年に二次試験に合格した後は当時の中央監査法人に入り、法定監査に携わりました。業種はIT、飲食、アパレル、海運、繊維など幅広く担当させていただき、3年目くらいからIPOやM&Aなどにも関わりました。

 

─2009年には弁護士登録をされていますね。

まず、独立開業している父の影響で私も元から独立志向が高かったというのがあります。監査法人である程度キャリアも積んで、その先に自分の会計事務所を開こうかどうしようかと考えたときに、もっと自分にプラスアルファが欲しいと思いました。周りには公認会計士の仲間がたくさんいて、彼らも独立志向が高く、将来一緒に仕事をしたいねと話していたので、そこで自分が弁護士という別の専門能力を持つことで、お客様に提供できるサービスが広がりますし、楽しそうだなと思いました。当時の上司にも相談したところ、反対されるかと思いきやとても真剣に話を聞いてくれて、私の考えを後押ししてくださいました。そこで、監査法人を退職してロースクールに通って、弁護士資格を取得しました。

その後入所した鳥飼総合法律事務所は税務訴訟でネームバリューがあって、監査法人時代から鳥飼先生のことは存じ上げていました。ぜひ税務と法律の分野でどのような仕事をしているか学びたいと思い、直接手紙を書いたところ、「今度説明会があるよ」とご案内いただき、それがきっかけで入所することになりました。もちろん仕事は税務ばかりではなく、企業法務、民事も多かったですが、色々な案件に触れられたことは自分の成長に繋がったと思います。

 

─印象的だった案件はありますか。

最初に手掛けたのが、上場会社の不正調査でした。中身は会計不正だったので今までのキャリアを活かせた部分はありましたが、最終的には経営者に対する責任追及というところまでつながりますので、その重みは想像以上でした。人の人生を変えてしまうほどの影響があり、そういった面での法律分野の仕事の厳しさ、責任感というものが身に染みた経験として強く印象に残っています。

 

─現在はどのようなお仕事をされていますか。

私の得意分野は、会計、税務と法律が絡む分野になりますが、純粋な会計業務よりも法律事務所としての仕事が多いです。顧問先が元気のよい会社が多いので、M&Aに積極的でその関係の案件が増えています。あとは事業承継や、会社が当事者になるような訴訟、会社の支配権を争うような案件などを担当しています。公正取引委員会関係の案件も比較的多く、下請けに対する優越的地位の濫用に関係する相談も受けています。当時監査法人で一緒だった仲間とは今も公私にわたる付き合いがあり、あれから10年以上もかかりましたが、当時話していた夢が実現できているので、今はすごく楽しく仕事ができています。

 

─仕事をされる上で大切にしていることはなんですか。

常に思っているのは、この仕事はお客様の信用第一ということです。弁護士も会計士も依頼者たるお客様あってのサービス業です。サービスは目に見えないので、自分という人間を信じていただいて、私も依頼者の方を信じ、ご依頼に対して精一杯応えるということを大切にしています。それと、話をよく聞くということを心掛けています。会計も法律も、お客様に隠し事なく話してもらわないと問題解決が上手にできないという性質があるので、話しやすい雰囲気、接し方を心掛けています。

 

─若手の公認会計士の方々にメッセージをお願いします。

若いうちは積極的に、自発的に、前向きに仕事に取組んで、失敗を恐れないことです。若いうちは失敗しても傷は浅いので大丈夫です。損得考えずに目の前の仕事に積極的に前向きに取り組めば楽しく仕事ができますし、楽しく仕事をしている人には良い仕事が回ってきます。公認会計士は自分の腕次第ですから、例え希望の仕事とは違っても腐らず取り組めば腕が上がりますし、必ず得るものがあります。折に触れて自分が成長できているか振り返ってみてください。そうやって積み重ねたものがあれば、いつからだってチャレンジができますから。


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宇賀村 彰彦氏

1998年 公認会計士第2次試験合格 中央監査法人入所
2002年 公認会計士登録
2009年 弁護士登録 鳥飼総合法律事務所入所
2016年 和田倉門法律事務所パートナー
2017年 宇賀村・澤田法律事務所開設・代表

 

 

税務研究会について

当社は昭和22年4月、「納税者と税務当局との架け橋」となることを目的に創設されました。その年の11月には『税務通信』を創刊し、以来一環して「税務・会計分野における的確な情報提供を通じて広く社会に貢献する」ことを企業理念として、サービスを展開しています。

本件に関する
お問い合わせ先
株式会社税務研究会
経営財務編集部
E-mail:webmaster@zeiken.co.jp

企業情報

株式会社税務研究会

事業内容
税務、経理、会計などの実務情報サービスとして、定期刊行物、書籍、データベースなどを展開
所在地
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-8-2
鉃鋼ビルディング19階
代表者名
代表取締役社長 山根毅
上場
非上場
資本金
5,400万円
URL
https://www.zeiken.co.jp/

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