豪華社宅と社宅の意義|税務通信 READER’S CLUB
2024年11月7日
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関連記事:No.3816(令和6年9月2日号) 04頁

この記事では、豪華社宅は、固定資産税の課税標準額を基礎に賃貸料相当額を計算する所得税基本通達36-40や36-41の適用が認められないとありますが、どのようなものが豪華社宅に該当するのでしょうか?

この取扱いは、「使用者が役員に貸与した住宅等に係る通常の賃貸料の額の計算に当たっての取扱いについて」という個別通達で定められたものであり、この通達において豪華社宅の定義が以下のように記載されています。
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このように、基本的には、役員に対して貸与する床面積240㎡を超える家屋を豪華社宅としています。また、括弧書きは、法人の役員は、自宅に招いての打合せや得意先を招待するなど、業務のために社宅を利用する部分を考慮するという趣旨です。
また、以下のような注書きもあります。家屋の実情や利用実態も勘案して、豪華社宅かどうかを判定すべきという注書きです。
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豪華社宅に該当しない物件であれば、どの物件を社宅として利用するかは、入居する役員等が決めてよいのでしょうか?

そもそも社宅とは、使用者(法人)から役員や従業員に対して,業務上の必要に基づき貸与されるものです。業務上の必要に基づき社宅に住まわせるわけですから、入居者から回収する家賃は相場より低額でも合理性がありますし、それが福利厚生の一環でもある、という位置づけです。
社宅が業務上の必要性に基づくものであるということは、入居者が希望した物件を社宅に選ぶということは、趣旨に反するように思われます。まったく入居者の希望に応じてはいけない、ということはないと思いますが、社宅となる物件を入居予定者である役員等が見つけてくる、という行為にリスクがあることは認識しておくべきです。
また、社宅は、使用者が自ら所有している物件や自らが契約者となって他者から賃貸した物件に限られるべきです。そのため、物件の契約者が役員や従業員個人となっている物件の家賃を使用者が負担しても、社宅たる要件を満たしていないと考えます。