小規模宅地の課税価格計算特例について
2024年8月19日
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小規模宅地の課税価格計算特例について
[質問]
父(甲)の相続が開始しました。相続人である子Aは甲と同居しており、相続開始後も引き続きこの家に居住するつもりです。
ところで相続手続きをするにあたり自宅の土地家屋の謄本を取ったところ、家屋の所有者が甲の父(故人)のまま相続登記がされていなかったことが判明しました。
家屋の固定資産税は従前より父(甲)宛に届いており、相続登記は終わっていなかったものの、実質的な所有者は甲であったと考えます。
この場合、自宅土地を特定居住用宅地等として減額の対象として差し支えないでしょうか。
[回答]
1 小規模宅地等の特例(本特例)の対象となる被相続人等の居住の用に供されていた宅地等(居住用宅地等)は、その宅地等の所有者は被相続人に限られますが、本特例は建物等の敷地の用に供されているものについて適用されますから、その宅地等の上の家屋の所有者は、被相続人である場合と被相続人以外の者である場合とが考えらます。
そして、課税実務上、家屋の所有者の態様に応じ、それぞれ次に掲げる宅地等が居住用宅地等に当たるものとして取り扱われています(相続開始の直前において配偶者居住権が設定されている家屋の敷地の用に供されていたものを除く。)(措通69の4-7)。
⑴ 被相続人等の居住の用に供されていた家屋で、被相続人が所有していたもの(その家屋が生計を一にしていた親族の居住の用に供していたものである場合には、その親族が当該被相続人から無償で借り受けていたものに限る。)の敷地の用に供されていた宅地等
⑵ 被相続人等の居住の用に供されていた家屋で、被相続人の親族が所有していたもの(その家屋を所有していた被相続人の親族が、その家屋の敷地を被相続人から無償で借り受け、かつ、被相続人等が当該家屋を当該親族から借り受けていた場合には、無償で借り受けていたときにおけるその家屋に限る。)の敷地の用に供されていた宅地等
⑶ 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定又は要支援認定を受けたこと等により被相続人が老人ホーム等に入居していた場合において、その入居直前まで被相続人の居住の用に供されていた家屋で、
① 被相続人が所有していたものの敷地の用に供されていた宅地等(被相続人の居住の用に供されなくなった後、事業の用又は新たに被相続人等(被相続人が老人ホーム等に入居する直前において生計を一にし、かつ、その家屋に引き続き居住している当該被相続人の親族を含む。)以外の者の居住の用に供された宅地等を除く。)
② 被相続人の親族が所有していたもの(その家屋を所有していた被相続人の親族が、その家屋の敷地を被相続人から無償で借り受け、かつ、被相続人が当該家屋を借り受けていた場合には、無償で借り受けていたときにおけるその家屋に限る。)の敷地の用に供されていた宅地等(被相続人の居住の用に供されなくなった後、事業の用又は新たに被相続人等(被相続人が老人ホーム等に入居する直前において生計を一にし、かつ、その家屋に引き続き居住している当該被相続人の親族を含む。)以外の者の居住の用に供された宅地等を除く。)
2 ご照会のケースは、被相続人の居住の用に供されていた家屋の所有名義人が被相続人甲の父親(X)のままになっていたとのことですが、おそらく、Xの相続人が複数名おり、当該相続人間で遺産分割協議が行われていなかったということでしょうか。
この場合であっても上記1の⑵の要件を満たし、かつ、その他本特例の適用要件を満たす限り、ご照会の自宅土地は特定居住用宅地等に該当すると考えます。
(税理士懇話会・資産税研究会事例より)
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