【第7回】コスト削減について
~コスト削減の必要性、何から手を付けるか~
2023年1月24日
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銀行出身の中小企業診断士である事業再生専門家の視点から、事業再生の状態に陥らないために、「転ばぬ先の杖」として知っておいていただきたいことをお伝えしていきます。今回は、収益性を高めるために必要となるコスト削減についてお話いたします。
コスト削減の必要性
会社の目的はいろいろとありますが、究極は会社を継続(ゴーイングコンサーン)させることです。会社を継続させるためには、適正な利益を継続的に残していかないといけません。利益は、皆さんご存知の通り、下記の数式であらわされます。
利益=売上-費用
数式からも分かるように利益を増やすためにできることは、売上を増やすことと、費用を減らすことの2つの方法しかありません。事業再生の場面では、利益を増やすための方法として売上を増やすことより、費用を削減することを優先する方が多くあります。理由は下記の2つの通りです。
〇確実性が高い
売上を増やすことは、販売先や競争相手など相手がいることから、自社でコントロールすることは難しいです。一方で費用を減らすことは、自社内で取り組めるので売上を増やすよりも取り組みやすく、利益を増やす確実性は高いです。よって、先ずは確実性の高い費用を減らすことからはじめます。
〇効果が大きい
例えば、営業利益率が5%の会社が10万円のコスト削減を実現した場合、もちろん利益は10万円増えます。同じだけの額を、売上を増やすことだけで達成しようとした場合、200万円の売上を増やす必要があります。利益を増やすという点では、10万円のコスト削減が200万円の売上増と同じ効果となり、コスト削減の効果が大きいことは分かってもらえるかと思います。皆さんの会社の営業利益率はどれくらいでしょうか。ちなみに、営業利益率が1%であれば、10万円のコスト削減は、1,000万円の売上増の効果となります。
何から手を付けるか
コスト削減に取り組む際の大原則は次の通りです。
〇費用額の大きなものから取り掛かる
コスト削減にかかる労力は金額の大小ではなく、現状の金額に対してどれくらいの比率を低下させるかで大きく異なってきます。同じ労力をかけるのであれば、効果が大きいことにこしたことはありません。よって、費用の額が大きなものから取り組むことが基本となります。
〇長い間単価が変わっていないものを見直す
次に直目する点は、今の単価がいつ決まったものなのかです。長い間単価が変わっていないものは、単価の削減余地が残されている場合が多いです。単価の見直しができないとの固定観念を捨て、すべての費用に対して見直しに取り組みましょう。
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中小企業診断士前田節(まえだ とも)
株式会社ジャストコンサルティング 代表取締役。
中小企業支援をメインとした経営コンサルティング会社「株式会社ジャストコンサルティング」を2014年設立。コンサルタント12名を率い、専門性とチームワークを活かした実行型支援を行っている。
» 会社URL https://www.just-c.net
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