令和8年4月に開始された「防衛特別法人税」とは ほか
【TAX TOPICS|マネジメント倶楽部デジタル6月号】

2026年6月10日
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このコラムでは、掲載月に関連する税の身近なトピックをピックアップして、簡潔にまとめてお届けしています。
毎月3〜4つのトピックを取り上げています。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
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令和8年4月に開始された「防衛特別法人税」とは
令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、「防衛特別法人税」が適用されています。この制度は、日本の防衛力強化に必要な財源を確保する目的で創設されたものです。法人税率を引き上げるのではなく、既存の法人税額を課税標準として、これに一定割合を上乗せする付加税として課される仕組みです。対象は原則として法人税を負担する法人であり、課税ベースは各事業年度の法人税額となります。
税額は、基準法人税額から500万円の基礎控除を差し引いた金額に4%の税率を乗じて計算します。この基礎控除により、法人税額が一定水準以下の場合には実質的な負担が生じない仕組みとなっており、中小企業への配慮が図られています。なお、税額がゼロであっても申告書の提出義務は生じますので、ご注意ください。
実務上の留意点としては、まず税効果会計への影響が挙げられます。繰延税金資産・負債の計算においては、将来の法人税負担の増加を見込む必要があります。次に、申告書様式の変更にも注意が必要です。防衛特別法人税の申告は従来の別表一に組み込まれますが、記載欄が別葉となっています。
防衛特別法人税の申告書様式 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025004-109_2.pdf
住所等変更登記の義務化
令和8年4月1日から、不動産登記において氏名・名称や住所に変更があった場合の「住所等変更登記」が義務化されました。対象は不動産の登記名義人であり、法人では本店所在地または名称の変更、個人では氏名や住所の変更が該当します。本制度は不動産登記に関する新たな義務であり、会社法上の法人登記(本店移転登記等)については従来どおりの取扱いとされています。ただし、法人が不動産を保有している場合、本店所在地や名称の変更が不動産登記に反映されていなければ義務違反となる可能性があります。変更があった場合、原則として変更日から2年以内に登記申請が必要で、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料が科される可能性があります。施行日前の変更も対象で、令和10年3月31日までに対応が必要です。
手続負担の軽減策として「スマート変更登記(職権登記)」制度も導入されています。個人の場合は「検索用情報の申出」により、法務局が住基ネットと連携して職権登記を行い、法人の場合は「会社法人等番号の登記」を通じた情報連携により、商業・法人登記の変更情報が不動産登記に反映されます。ただし、会社法人等番号を有しない法人は対象外となるため、自ら変更登記を申請する必要があります。なお、これらの職権登記には登録免許税は課されません。
令和8年地価公示結果の概要
令和8年の地価公示が公表され、全国の地価動向が明らかになりました。全国平均では景気の緩やかな回復を背景に、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続の上昇です。
三大都市圏では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇し、東京圏・大阪圏では上昇幅が拡大しました。ただし、名古屋圏では上昇幅が縮小しており、圏域内で温度差が見られます。特に、インバウンド需要が強い観光地や再開発が進む地域を中心に、高い上昇率が継続しています。
地方圏では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも5年連続で上昇しており、大手半導体メーカーの工場が進出した地域や観光地では引き続き地価上昇が見られます。一方、令和6年能登半島地震の影響を受けた地域では下落が続いており、地域間格差は依然として大きい状況です。
実務上、地価公示は固定資産税評価額や相続税評価額の算定における参考指標となるため、上昇地域では将来的な評価額の上昇が見込まれます。そのため、早期の対策・検討が重要です。
食事の非課税限度額引上げ
令和8年度税制改正により、企業が役員や従業員に対して行う食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額が、令和8年4月1日から見直されました。これにより、改正前月額3,500円とされていた会社負担分の上限は、月額7,500円へと引き上げられています。
食事の支給が給与課税されないためには次の2要件を満たす必要があります。
| ① | 従業員等が食事の価額の50%以上を負担していること。 |
| ② | 食事価額から本人負担額を差し引いた残額(会社負担額)が月額7,500円以下であること(消費税等を除きます)。 |
なお、会社が食事を無償提供する場合や従業員の負担割合が50%未満である場合は、会社負担額が7,500円以内であってもその全額が給与として課税されるので注意が必要です。
実務上のポイントは、「現物支給」に該当するかの判断です。弁当の支給や社員食堂の利用は対象となりますが、現金による食費補助は全額が給与として課税されます。また、食券等であっても、その実態が食事の提供と認められない場合は同様に給与課税の対象となります。さらに、深夜勤務に伴う夜食の代替として支給する金銭についても、非課税限度額が1回あたり300円以下から650円以下へ引き上げられました。今回の制度改正をふまえ、社内規程や徴収方法の見直しを行い、適正な運用を図ることが重要です。
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※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント倶楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。
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