国外財産調書の提出期限は6月30日 ほか
【TAX TOPICS|マネジメント倶楽部デジタル5月号】

2026年5月11日
○●———————
このコラムでは、掲載月に関連する税の身近なトピックをピックアップして、簡潔にまとめてお届けしています。
毎月3〜4つのトピックを取り上げています。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
———————●○
国外財産調書の提出期限は6月30日
国外財産調書は、居住者(非永住者を除きます)が、その年の12月31日時点で合計5,000万円を超える国外財産を保有している場合に、翌年6月30日までに住所地等の所轄税務署へ提出しなければならない書類です。国外財産とは、海外に所在する不動産、預貯金、有価証券、貸付金などをいいます。海外投資が身近になった現在、この制度は一部の特別な方だけのものではありません。該当の可能性がある場合は、早めの確認と準備が必要です。
本年1月、国税庁は「令和6年分の国外財産調書の提出状況について」を公表しました。総提出件数は14,544件、総財産額は8兆1,945億円と、いずれも前年より増加しています。特に有価証券の増加が目立ち、海外株式や外国投資信託などの保有拡大が背景にあると考えられます。提出件数の増加は、制度の定着とともに、税務当局による国外財産の把握が一層進んでいることも示しています。
国外財産調書には、過少申告加算税および無申告加算税の特例が設けられています。調書に適正な記載がある国外財産について申告漏れがあった場合には、過少申告加算税等が5%軽減されます。一方で、未提出や重要な記載漏れがある場合には、5%加重されます。公表資料によれば、令和6事務年度の実地調査において、軽減措置は221件、加重措置は366件に及んでいます。提出の有無や記載内容が、その後の税務調査や加算税の判断に直結していることは明らかです。提出期限を過ぎると、軽減措置を受けられないだけでなく、加重措置の対象となるおそれがあるので、国外資産の有無と金額を改めて確認し、期限内提出を徹底しましょう。
公益信託に財産を拠出した場合の譲渡所得等の非課税特例
個人が土地や建物、株式などの財産を法人や公益信託の受託者である個人に寄附した場合、税務上は原則としてその財産を「時価で譲渡した」とみなされ、所得税が課税されます。たとえ無償で社会貢献を目的として財産を移転しても、値上がり益については課税関係が生じるのが基本的な仕組みです。ただし、公益法人等に対する寄附については例外として、一定の承認要件を満たし国税庁長官の非課税承認を受けた場合には非課税とする特例があります。この特例には「一般特例」と「承認特例」の2つの制度があり、対象となる公益法人等の範囲や承認要件がそれぞれ異なりますので、自らの寄附がどの類型に該当するのかを事前に確認することが重要です。令和6、7年度の税制改正で本特例の見直しが行われ、令和8年4月1日以後は非課税特例の対象となる「公益法人等」の範囲に「公益信託の受託者」が追加されています。これにより、公益法人への寄附だけでなく、公益信託への財産拠出についても、一定の要件を満たせば非課税特例の適用を受けることが可能となりました。
休日を会社等の設立の日とすることが可能に
会社を設立する際の設立日は、これまで法務局が申請を受け付けた日とされていたため、法務局が開いている平日にしか設立日を設定することができず、「大安の日にしたい」「家族の誕生日に合わせたい」といった希望があっても実現できませんでした。しかし、令和8年2月2日から、商業登記規則等の改正により、一定の要件を満たせば、土日や祝日などの行政機関の休日でも、会社の設立日として登記できるようになりました。これにより、思い入れのある日を設立日にすることが可能となります。
この制度を利用するためには、いくつかの要件があります。①株式会社や合同会社など登記によって初めて成立する会社であること、②設立登記の申請書に本特例を利用する旨と希望する日(指定登記日)を記載すること、③指定登記日が行政機関の休日であること、④指定登記日の直前の開庁日に申請をすること、の4つの要件が求められます。オンライン申請や郵送の場合でも、直前の開庁時間内に法務局へ到達し、その日の受付として扱われる必要があります。書類に不備があって補正が間に合わない場合は、休日を設立日とする取扱いが認められないこともありますので、余裕をもってお手続きください。
共同親権と税
令和8年4月1日から、離婚後も父母双方が親権者となる「共同親権」制度が施行されました。従来は単独親権でしたが改正後は父母の協議により共同親権を選択でき、子の利益を最優先に監護や教育に関する事項を決定する仕組みとなっています。これにより「税金や公的支援の取扱いも変わるのではないか」という声もきかれますが、税制や社会保障制度は、親権の形式ではなく、所得の状況や監護の実態、世帯単位を基準に設計されています。そのため、共同親権の導入のみを理由として、直ちに取扱いが変更されるものではありません。例えば養育費は、生活費や教育費として社会通念上相当な金額であれば、受け取る側に所得税は課されません。また、扶養控除については、子の所得要件や「生計を一にする」事実などが判断基準であり、親権の有無自体は要件とされていません。別居親であっても、実質的に生計を一にしていると認められる場合には、扶養控除の対象となる可能性があります。
児童扶養手当は、親権や監護者の定めの有無にかかわらず、子を監護している実態に基づいて支給対象者が判断されています。所得制限についても受給者本人の所得を基準に算定されます。したがって、共同親権になったことをもって、直ちに従来の取扱いが変更されるわけではありません。また、障害児支援や特定疾病医療費助成制度なども、世帯の所得状況や医療保険単位を基準に自己負担上限が決定される仕組みであり、基本的な判定枠組みは従来と同様です。
![]()
※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント倶楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。
\会計事務所の皆さまへ/
マネジメント倶楽部デジタルで、
このような連載コラムを顧問先にお届けすることができます!
マネジメント倶楽部デジタルの‟ココがおすすめ!”
- 無料でお届けすることができます(有料プランもございます)。
- 顧問先への継続的なコミュニケーションツールとしてもぴったり!
- 中小企業の経営情報などが掲載されており、顧問先との話題作りとしても。
マジメント倶楽部デジタルの‟ココが安心!”
- マネジメント倶楽部デジタルの掲載記事は、税務研究会が監修しています。
- マネジメント倶楽部は紙版で刊行された1997年10月以来、多くの経営者様にご愛読いただいています。
- 顧問先の数やご予算などに応じて、最適なプランをお選びいただけます。
__今月末までのお申込みで、次月よりご利用スタート!
\まずは気軽に始められる「無料プラン」を是非お試しください!/
















