融資相談で金融機関に伝えたいこと ~赤字決算の場合~
【中小企業のための経営情報|マネジメント倶楽部デジタル10月号】

2026年10月16日

 

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このコラムでは、中小企業の経営に役立つヒントや、おさえておきたい今話題の情報などを、中小企業診断士の立場から、わかりやすく解説します。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
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●「赤字=融資がダメ」ではない

事業を営んでいると、売上の減少や原材料価格の上昇などにより、赤字になることがありますが、だからといって、直ちに融資を受けられなくなるわけではありません。金融機関は、赤字になった理由や今後の見通しを慎重に確認します。融資を相談する際に赤字の原因、今後の対応策、資金繰りの見通しを整理しておくことが大切です。

今回は、赤字決算時に融資を相談する際、経営者が準備しておきたいポイントを金融機関の視点も交えて解説します。

 

●赤字の原因が分からないと判断しにくい

金融機関は、会社の経営状況を外部から見ています。決算書を見れば売上や利益の変化はある程度分かりますが、数字だけでは赤字になった詳しい原因までは把握しにくいものです。例えば、赤字の理由が、一時的な受注減少なのか、原材料価格の上昇なのか、本業の収益力が落ちているのかによって金融機関の見方は変わります。「売上が減ったため」と説明するだけでなく、「主要取引先A社からの受注が減り、売上が前年より10%減少した」など具体的に説明します。

赤字の原因を経営者自身が把握し、数字を交えて説明できれば、自社の経営状況をきちんと把握していることが金融機関にも伝わります。また、赤字の背景や今後の改善の方向性が明確になることで、金融機関も将来の見通しを検討しやすくなります。

 

●赤字の原因に対応した改善策を考える

赤字の原因を整理したら、次に今後の対応策を考えます。「売上を増やす」「経費を減らす」といった説明だけでは、改善の見通しが十分に伝わらないことがあります。何を、いつ行い、どの程度の効果を見込むのかまで整理しておくとよいでしょう。例えば、原材料価格の上昇で利益率が下がったのであれば、販売価格や仕入条件の見直しなどが考えられます。

「販売価格を平均5%引き上げ、仕入条件も見直すことで、毎月30万円の収支改善を見込んでいる」などと説明できれば、金融機関も今後の改善の見通しを判断しやすくなります。

大切なのは、赤字の原因と改善策がつながっていることです。売上の減少が原因であれば売上回復策を、経費の増加が原因であれば経費の見直し策を示すなど、原因に対応した取り組みを説明しましょう。

 

●資金繰り表で融資後の見通しを示す

金融機関は、融資を行った後に、すぐに資金が不足し、追加の融資が必要になることを心配します。そこで、今後1年間の資金繰り表を作りましょう。売上の入金、仕入代金、人件費、税金、借入金の返済などを月ごとに記載し、融資後に資金不足にならないことを確認します。いつ、いくら資金が必要になるのか、融資後の資金繰りの推移などを説明しやすくなります。

 

●融資相談前のチェックポイント

融資の可否は金融機関が個別に判断しますが、相談前に次の点を確認しておきましょう。

□ 赤字の原因を具体的に説明できる
□ 赤字の原因に対応した改善策、その実施時期や、効果を説明できる
□ 必要な資金額と資金の使い道を説明できる
□ 今後1年間の資金繰り予定を説明できる

赤字決算時の融資相談では、原因と今後の対応を率直に説明することが大切です。直近の決算書や試算表を見ながら、赤字の原因を書き出すところから始めてみましょう。そのうえで改善策と資金繰りを整理しておけば、金融機関にも自社の現状や今後の見通しが伝わりやすくなり、具体的な相談を進めるための土台となります。

 

 

 

※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント倶楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。


 

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