第1回 経理部ってなに?
【経理になった君たちへ ~経理の仕事の全体像と、本当の面白さとやりがいを伝える~】

2022年10月28日

 

このコラムの次回更新を知りたかったら…@zeiken_infoをフォロー

 

 

 

本コラムでは「経理部に配属されたばかりで何をしたらいいかわからない」という若手社会人や、「経理の仕事に興味があるけどマシーンみたいで面白くなさそうだから不安……」という学生たちに向けて、経理の仕事の全体像を知ってもらい、本当の面白さとやりがいをお伝えいたします。

なお、非上場企業での経理の話や、上場企業の経理の話など、より具体的な内容につきましては、書籍「経理になった君たちへ」にて解説しておりますので、ぜひご覧ください。

 

 

はじめに


ようこそ経理の世界へ

このコラムを読んでいる方は、経理部に入ったばかりの新卒の方、経理部に転職・異動してみようかなと思っている方など様々いらっしゃるでしょう。

さて、みなさんは、なぜ経理部に入ったのでしょうか?なぜ経理部に興味を持ったのでしょうか?この問いにちゃんとした理由で答えられるでしょうか?「新卒の配属で勝手に決まったから」「なんとなく楽そうだから」などとなんとなくの理由で経理部に入ったという方も多いのではないでしょうか。世間のほとんどの方は経理部のことを「なんか電卓を叩いている人」などのように思っているでしょう。そう思っていましたという方は正直に手をあげなさい。

経理部は誤解されていたり、知られていなかったりする部分が非常に多いのです。間違った理解のまま経理部で仕事してしまうと将来のキャリアの方向性を見誤ってしまいます。この本で経理部を正しく理解し、正しい方向で努力して経理部のキャリアを築き上げていきましょう!

 

絶対にやってほしいこと

このコラムを読んでいるみなさんに経理部を正しく理解してほしいという願いのほかに、「やりたい仕事」を見つけてほしいという願いもあります。就職面接で面接官から「うちの会社に入って何やりたい?」という質問に本心で答えられる人は少ないのではないでしょうか?やりたい仕事があるという人はなかなかいないと思います。はっきりいいますが、仕事の9割は苦痛でしかありません。できれば働きたくはない。しかし、1割の「やりたい仕事」が見つかれば、はるかに仕事は楽しくなりますし、成長の速度も変わります。逆にいえば「やりたい仕事」が見つからないと仕事の10割すべてが苦痛なものとなってしまいます。

このコラムを読んでやってほしいことは、まずは経理部の正しい理解をしてもらった後に「将来どうなっていたいか?」という将来の夢を描いてほしいです。例えば「一流の上場企業の〇〇会社で働いてみたい!」という目標を立てたとすると、その目標を達成するためには今何をしなければならないかが逆算的にわかってくると思います。その業界の勉強をする……複雑な会計処理を勉強する……資格をとる……など様々あると思います。そして、その勉強をしている中で机上ではなく実務の勉強をするために今の会社でこの仕事をやりたい!というものが見つかってくるはずです。そうすれば今の仕事は苦痛なものから楽しいものへと変わっていくはずです。

 

経理部は「お金を管理」する部署


経理部は、一言でいうと「会社のお金を管理する部署」です。

会社経営をする上でお金はなくてはならないものであり、お金を払って商品を仕入れて、仕入れた値段よりも高い値段で商品を販売してお金を増やし、増やしたお金でオフィスの家賃や従業員の給料を支払う必要があります。

稼いだお金以上にオフィスの家賃や従業員の給料などの支払いがあると、それらを支払うことができず、会社は倒産してしまいます。

では、今いくらお金を稼いでいるのか?いくらお金を支出する必要があるのか?ということを会社はどうやって把握しているのでしょうか?これらをすべて管理しているのが会社の「経理部」です。

【図1】を見てみましょう。例えば、青井工場から100万円で仕入れてきた商品を緑井商店に300万円で販売したとします。そうするとこの取引で当社(灰井商事)は200万円儲かっているのがわかりますよね?ただし、この200万円の儲けがすべて会社の手元に残るかというとそうではありません。会社を運営するためにはオフィスの家賃を支払う必要があったり、従業員の給料も支払う必要があります。それらの会社の運営に必要な出費をすべて支払い終えた後に手元に残るお金を使ってまた商品を仕入れてそれを販売して儲けを生み出す……この一連のお金の流れを管理しているのが経理部です。

 

「会計」というツールを使ってお金を管理する


会社は様々な活動をしており、取引は1つや2つではなく通常何千、何万という数の取引を行っています。会社の規模が大きくなればなるほどその取引数は増えていき、複雑化していきます。

これらの会社の取引を経理部ですべて管理する必要がありますが、経理部員の一人ひとりが別々の独自の方法で取引を記録していくと非効率であり、正しく管理することができません。

そこで「会計」というお金を管理するツールを使うと経理部員が共通のルールで取引を記録していくことができ、効率的かつ正確にお金を管理することができます。

つまり、「会計」とは、「会社の一連のお金の流れを管理するための共通のルール」のことであり、経理部は会計を用いて会社のお金を管理します。

 

 

このコラムの次回更新を知りたかったら…@zeiken_infoをフォロー

 


▶ 本コラム内容の完全版! おススメの実務書です。

非上場企業での経理の話や、上場企業の経理の話など、より具体的な内容につきましては、本書にて解説しておりますので、ぜひご覧ください。

 

公認会計士白井 敬祐

2011年公認会計士試験合格後、清和監査法人で監査業務に従事した後、新日本有限責任監査法人及び有限責任監査法人トーマツでIFRSアドバイザリー業務や研修講師業務に従事。その後、株式会社リクルートホールディングスで経理部に所属し、主に連結決算業務、開示資料作成業務や初年度のIFRS有価証券報告書作成リーダーを担当。
2021年7月に独立開業し、現在はCPA会計学院で会計士講座(財務会計理論)やCPAラーニングの講師を務め、近畿大学経営学部の非常勤講師として学生向けに会計士講座を開講。
会計を楽しく学べる「公認会計士YouTuberくろいちゃんねる」を運営(登録者数2.6万人 2022/10/26))。

» YouTube https://www.youtube.com/channel/UCVAfxqELHqrUcrBeIYZ3pfA
» Twitter https://twitter.com/Kuroi_CPA?s=20&t=fRzvbEgVPvhhSxaaTzFBzg

講師画像

新着プレスリリース

プレスリリース一覧へ

注目タグ