第7回 会社の形態によって経理部の仕事は違う
【経理になった君たちへ ~経理の仕事の全体像と、本当の面白さとやりがいを伝える~】

2023年1月20日

 

このコラムの次回更新を知りたかったら…@zeiken_infoをフォロー

 

 

本コラムでは「経理部に配属されたばかりで何をしたらいいかわからない」という若手社会人や、「経理の仕事に興味があるけどマシーンみたいで面白くなさそうだから不安……」という学生たちに向けて、経理の仕事の全体像を知ってもらい、本当の面白さとやりがいをお伝えいたします。

なお、非上場企業での経理の話や、上場企業の経理の話など、より具体的な内容につきましては、書籍「経理になった君たちへ」にて解説しておりますので、ぜひご覧ください。

 

 

会社の形態によって経理部の仕事は違う


一口に経理部といっても様々な種類の経理部があり、会社、業種、規模などによってその仕事内容は変わってきます。書籍「経理になった君たちへ」では第2章〜第6章にかけて会社の形態ごとの経理部の仕事を紹介していきます。第2章では中小企業が経理機能を外部の会計事務所に委託している場合の会社の経理部の仕事について、第3章では中小企業が経理機能を内製化した場合の経理部の仕事について、第4章では中小企業が会社法上の大会社となった場合の経理部の仕事について、第5章では上場企業の子会社となった場合の経理部の仕事について、第6章では上場企業の親会社の経理部の仕事について説明していきます。

ここでの学習を通じて、今自分が所属している、または所属しようとしている経理部がどの段階の経理部なのかを把握してください。全体像をまず理解した上で自分がいま学習している範囲はどこなのかを理解することはこの本に限らず何かを学習しようとするときには非常に大切です。

 

会社の規模が大きくなると忙しい?


結論からいうと会社の規模が大きくなったからといって忙しくなるかといえばそうではありません。確かに上場企業になると取引量も膨大にあり、複雑な取引を行うので経理としての難易度は上がります。しかし、これは著者の主観ですが、中小企業の経理部の方が忙しいように思います。上場企業などの大手企業になると人材が豊富にいて、たくさんの業務をたくさんの人で分け合って担当しますので、一人当たりの業務負荷は低くなる傾向にあります。もちろん上場企業であったとしても経理部員の人手が足りず一人当たりの業務量が多いところはかなり忙しくなります。

中小企業では大手企業ほど人材は豊富にいませんので経理業務以外のバックヤード業務も担当することがあります。特に一人で経理部をまわしているような企業ですと、経理業務のほかに、労務管理、資金管理、資産管理、税務申告などほぼすべてのバックヤード業務を引き受けたりしますので忙しかったりします。

大手企業ではこの辺は労務管理は人事部、資金管理は財務部、資産管理は総務部、税務申告は税務部などのように部署で分担して業務を行いますので一人当たりの業務負荷は減るでしょう。

ここからいえることは、中小企業の経理部はバックヤード業務全般を経験できますので幅広い経験とスキルを手に入れることができる一方、忙しいというデメリットが存在します。大手企業は分業が進んでいるので一人当たりの業務負荷が低いという反面、得られる経験とスキルが限定的というデメリットがあります。そして上場企業のような大きな会社になるほど年収も上がっていく傾向にもありますので、自分が経理部としてどのようにキャリアを築いていくのかを考える必要があります。中小企業の経理部として様々なバックヤード業務を経験し、そのままその会社で出世を狙うか、その経験を活かして他の中小企業または上場企業に転職する、あるいは上場企業の経理部で一通り経験したあと管理職を狙うか、もしくはベンチャー企業のCFOポジションを狙うかなど様々なキャリアがあります。闇雲に働くのもいいですが時には立ち止まって、将来の自分の姿を考えることも大事だと思います。

 

様々なタイプの経理部の仕事や必要な知識の概要については、書籍「経理になった君たちへ」で解説しております。


本コラムで、経理の仕事についての前提知識について触れました。

本コラムの完全版である書籍「経理になった君たちへ」では、第2章以降から本題に入っていきます。大まかに分類すると第2章〜第4章は非上場企業の経理の話、第5章〜第6章は上場企業の経理の話になっています。あらためて図で表すと【図17】のようになります。自分が今所属している経理部はどこに位置するのかを確認し、また将来のキャリアを考える際にもどの位置にある経理部を目指そうかというマップとしてもご活用ください。

 

 

このコラムの次回更新を知りたかったら…@zeiken_infoをフォロー


▶ 本コラム内容の完全版! おススメの実務書です。

非上場企業での経理の話や、上場企業の経理の話など、より具体的な内容につきましては、本書にて解説しておりますので、ぜひご覧ください。

公認会計士白井 敬祐

2011年公認会計士試験合格後、清和監査法人で監査業務に従事した後、新日本有限責任監査法人及び有限責任監査法人トーマツでIFRSアドバイザリー業務や研修講師業務に従事。その後、株式会社リクルートホールディングスで経理部に所属し、主に連結決算業務、開示資料作成業務や初年度のIFRS有価証券報告書作成リーダーを担当。
2021年7月に独立開業し、現在はCPA会計学院で会計士講座(財務会計理論)やCPAラーニングの講師を務め、近畿大学経営学部の非常勤講師として学生向けに会計士講座を開講。
会計を楽しく学べる「公認会計士YouTuberくろいちゃんねる」を運営(登録者数2.6万人(2022/10/26))。

» YouTube https://www.youtube.com/channel/UCVAfxqELHqrUcrBeIYZ3pfA
» Twitter https://twitter.com/Kuroi_CPA?s=20&t=fRzvbEgVPvhhSxaaTzFBzg

講師画像

新着プレスリリース

プレスリリース一覧へ

注目タグ