第279回 令和8年度税制改正によるインボイス制度に係る改正

2026年3月1日

 

 

 

 

 

昨年12月に公表された「令和8年度税制改正大綱」によれば、インボイス制度における小規模事業者向けの措置について、次のような改正が行われるとされています。

なお、本内容は、大綱段階のものであり、今後の法案の成立をご確認していただければ幸いです。

 

■小規模事業者の2割特例の見直し(3割特例の創設)

個人事業者である適格請求書発行事業者の令和9年および令和10年に含まれる各課税期間については、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、その課税標準額に対する消費税額に7割を乗じた額とすることにより、納付税額をその課税標準額に対する消費税額の3割とすることができることとされる見込みです。

従前の2割特例と同様に、免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと、または課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる課税期間に限り適用できます。

この新設される3割特例は、個人事業者に係る措置であり、法人には適用されない点に留意する必要があります。例えば、個人のフリーランスがサービス業を営む者であった場合には、仮に簡易課税制度を適用した場合には、みなし仕入れ率が50%とされますので、この納付税額がその課税標準額に対する消費税額の3割とされる3割特例の適用を受けた方が、納税額が少なくなり有利になります。

なお、適格請求書発行事業者が3割特例の適用を受けようとする場合には、従前の2割特例の取扱い同様に、確定申告書にその旨を付記するだけで適用が受けられます。

 

■簡易課税への切り替えの場合の届出書の提出期限の特例

上記の3割特例の適用を受けた適格請求書発行事業者が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間に係る確定申告期限までに、その翌課税期間について簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を所轄税務署長に提出したときは、その翌課税期間から簡易課税制度の適用が認められるものとされる見込みです。

本来、簡易課税制度を適用しようとする場合は、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要がありますが、上記の取扱いは提出期限の特例という意味になります。

なお、この届出書の提出後であっても、令和9年および令和10年に含まれる各課税期間については、確定申告時に、簡易課税制度と3割特例のいずれか有利な方を選択できるため、届出書を早めに提出しておく対応も考えられます。

 

■免税事業者等(適格請求書発行事業者以外の者)からの課税仕入れに係る税額控除に係る経過措置の見直し

インボイス制度の下では、原則として、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、仕入税額控除を行うことはできませんが、制度開始後の一定期間については、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられていました。

本経過措置の最終的な期限が令和13年9月30日まで2年延長され、本経過措置における控除可能割合について、次に掲げる期間の区分に応じ、それぞれ次に定める割合とされる見込みです。

 

令和8年10月1日から令和10年9月30日まで 70%
令和10年10月1日から令和12年9月30日まで 50%
令和12年10月1日から令和13年9月30日まで 30%

 

なお、この経過措置を適用するためには、帳簿に「経過措置の適用を受ける旨」を記載し、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書を保存する必要があります。

 

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