国税システム更改に伴う実務への影響と対応ポイント ほか
【TAX TOPICS|マネジメント倶楽部デジタル7月号】

2026年7月10日

 

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このコラムでは、掲載月に関連する税の身近なトピックをピックアップして、簡潔にまとめてお届けしています。
毎月3〜4つのトピックを取り上げています。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
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国税システム更改に伴う実務への影響と対応ポイント

国税庁は、令和8年9月に予定されている国税システム更改に関する概要を公表し、実務上の注意点を示しました。現時点で明らかとなっている変更点は次の3点です。なお、詳細については今後、順次公表される見込みです。

① 申告書等の様式変更
申告書や各種申請書、法定調書など多くの帳票が新様式へ移行します。これに伴い、従来の申告書控用は廃止され、帳票の配色も原則として白黒化される予定です。

② 納付書等の様式変更
「納付書」および「所得税徴収高計算書」の様式も変更されます。ただし、現行の複写式様式は一定期間引き続き使用可能とされています。

③ e-Taxの接続方式の変更
e-Taxの接続方式も変更され、従来の固定IPアドレスから動的IPアドレスへ移行します。固定IPで運用している場合はURL指定方式への変更が必要となるため、社内システムやセキュリティ設定の早期見直しが必要です。
また、システム更改に伴い、e-Taxが一時的に利用できないメンテナンス期間が発生する見込みです。当該期間が申告・納付の期限と重なる場合には業務への支障が懸念されます。事前にスケジュールを確認し、余裕を持って対応しておくことが重要です。

 

 

法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱い

厚生労働省は、法人の役員である個人事業主等の健康保険・厚生年金の被保険者資格について、その取扱いを明確化しました。背景には、実態を伴わない形式的な役員就任により社会保険へ加入し、保険料負担を軽減しようとする不適切な事例の存在があります。例えば、役員報酬を受け取りつつ、それを上回る金額を会費等の名目で法人に戻すケースも確認されています。

被保険者資格の有無については、①法人経営への参画を内容とする経常的な労務提供があるか、②その対価として法人から経常的に報酬が支払われているか、という2点を基準として実態に即した総合的な判断が求められます。単に役員会に出席するのみで連絡調整や職員への指揮監督を担っていない場合や、求めに応じて意見を述べるにとどまる場合は①に該当しません。また、役員会出席に対する報酬、旅費等の実費弁償、退職手当は②の経常的な報酬には該当しない点にも留意が必要です。

実態がないにもかかわらず資格取得届を提出することは、健康保険法および厚生年金保険法に抵触するおそれがあります。該当する場合には早期の資格喪失届の提出が必要です。

 

 

国際観光旅客税(出国税)の税率引上げ

国際観光旅客税(いわゆる出国税)は、日本から出国する旅客に対して課される税金で、平成31年1月から導入されています。

本税は、日本を出国するすべての旅客が課税対象であり、従来1人当たり1,000円の税率は、令和8年7月1日以後の出国から3,000円へ引き上げられます。ただし、同日前に締結された一定の運送契約に基づく同日以後の出国については、経過措置として従前の1,000円が適用されます。

また、すべての出国者が対象となるわけではありません。例えば、入国後24時間以内に出国する乗継旅客や2歳未満の乳幼児は非課税とされています。

実務上、出国税は航空券や船舶運賃に含めて徴収されるため、利用者が個別に納付手続きを行う必要はありませんが、税率引上げにより出張費や旅行コストの増加が見込まれることから、企業においては旅費規程や予算管理への反映が求められます。

 

 

取適法施行から半年

令和8年1月1日、従来の「下請法」は「中小受託取引適正化法(取適法)」として施行されました。これに伴い、「親事業者」は「委託事業者」、「下請事業者」は「中小受託事業者」、「下請代金」は「製造委託等代金」へと改められ、従来の上下関係的なイメージから、
より対等な取引関係への転換が意識されています。

改正のポイントとして、まず価格決定プロセスの適正化が挙げられます。中小受託事業者から価格協議の申出があったにもかかわらず、協議に応じないまま一方的に代金を決定する行為は認められません。また、支払手段についても見直しが行われ、支払期日までに資金化が困難な手形等による支払いは禁止されています。

また、振込手数料の取扱いは実務に大きな影響を与える改正点です。改正前の下請法では、①事前に書面で「受託事業者の負担とする」旨を取り決め、②実費の範囲内で差し引く、という2点を満たす場合には、振込手数料を代金から差し引くことが認められていました。しかし取適法では、中小受託事業者との合意の有無にかかわらず、振込手数料を製造委託等代金から差し引いて支払う行為は代金の減額(禁止行為)に該当します。既存の取引基本契約書において受託事業者負担と定めていた場合も、施行後の取引については当該定めは効力を持たないため、速やかな運用変更が求められます。施行から半年が経過した現在も、従来の慣行が残っているケースが見受けられます。発注書の記載内容、支払条件、価格協議のプロセス等について、自社の取引実態が法令に適合しているか、改めて点検することが重要です。

 

 

 

 

 

※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。


 

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