死亡を停止条件とする不動産売買契約に係る譲渡所得等の申告

2026年8月31日
死亡を停止条件とする不動産売買契約に係る譲渡所得等の申告
[質問]
被相続人Aは、3年前に不動産会社M社と自身の死亡を停止条件とする不動産売買契約書を締結していましたが、このたびAが死亡し、売買契約対象不動産の引渡しが完了し、代表相続人Pに譲渡代金が支払われました。この譲渡の申告は、Aの準確定申告に織り込むという理解でよいでしょうか。これにより、その譲渡代金相当額が未収金としてAの相続財産に加算され、納税額が債務控除の対象になるという理解でよいでしょうか。
[回答]
ご照会は、被相続人が締結した自身の死亡を停止条件とする不動産の売買契約による不動産を死亡後に相続人が買主に引渡した場合、その売買による譲渡所得を被相続人の準確定申告によっても問題ないかというものと思われます。
譲渡所得の申告時期(課税時期)については、原則として、譲渡した資産を買主に引渡した時期とされていますが、納税者の選択により、その譲渡した資産に係る売買契約の効力が発生した日として申告があったときは、その申告を認める取扱いになっています(所基通36-12)。このため、土地等の不動産の売買契約中に相続の開始があった場合は、その譲渡所得に係る申告を契約の効力発生の日により総収入金額に算入して被相続人の準確定申告をしたときには、その申告が認められます。
ご照会の事例では、被相続人A氏の死亡を停止条件とする売買契約は、A氏が死亡したときにその効力が生じ、以後はその売買契約上の地位を相続により承継した相続人がその契約の当事者になります。したがって、回答者としては、A氏が生前に売買契約対象不動産を譲渡する契約を締結し、死亡の時にその契約の効力が生じたことから、当該不動産の譲渡による所得はその時点でA氏に帰属するとして、Aの準確定申告によっても差し支えないと考えます。
ただし、「契約の効力が発生した日」を「相続開始日」として判断していますので、事実認定によっては「契約の効力が発生した日」が相続開始後と判断されることも考えられます。売買契約に付された停止条件の詳細、売買契約対象不動産の引渡しに至るまでの事実その他について検討し、無理のない判断をしてください。
ご照会の売買契約対象不動産の相続税の取扱いについては、被相続人A氏の譲渡所得として準確定申告する場合は、貴見のとおりになると考えます(国税庁HP/法令等/質疑応答事例/相続税・贈与税/「相続開始時点で売買契約中であった不動産に係る相続税の課税」参照)。
(税理士懇話会・資産税研究会事例より)















