令和7年度 査察の概要 ほか
【TAX TOPICS|マネジメント倶楽部デジタル10月号】

2026年10月14日
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このコラムでは、掲載月に関連する税の身近なトピックをピックアップして、簡潔にまとめてお届けしています。
毎月3〜4つのトピックを取り上げています。
※本記事は「マネジメント倶楽部デジタル」に掲載されたものです
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令和7年度 査察の概要
国税庁が公表した「令和7年度査察の概要」によると、令和7年度に検察庁へ告発された査察事件は82件、脱税総額(告発分)は84億円でした。告発件数は前年度の98件から減少した一方、1件当たりの脱税額は前年度の8,400万円から1億200万円に増加しています。処理件数127件に対する告発率は64.6%で、前年度とほぼ同水準でした。
重点的に取り組まれたのは、消費税事案、無申告事案、国際事案等の社会的波及効果の高い事案です。SNSで活動するインフルエンサーやイラストレーターによる所得除外、海外法人への架空仕入れ、海外預金を利用した不正資金の隠匿などが告発されました。
消費税では、実在しない資産の取得や過大な課税仕入れを計上し、不正に還付を受ける事案も摘発されています。不正還付は国庫から直接資金を取得する行為であり、国税庁は厳正に対応しています。
不正資金は現金や預貯金として保有されるほか、有価証券、競馬、海外カジノ、ブランド品、高級クラブ、ゲーム課金などに費消された例もありました。現金を缶やスーツケース、金庫に隠す事例も依然として確認されています。
令和7年度中の一審判決80件はすべて有罪で、6人に実刑判決が言い渡され、査察事件単独では、脱税指南グループの首謀者に対する懲役6年が最も重い判決となっています。
令和7年度 再調査の請求、審査請求、訴訟の概要
国税局や税務署が行った課税処分や差押えなどに不服がある場合、納税者は「再調査の請求」や「審査請求」といった行政上の救済手続に加え、裁判所に「訴訟」を提起することができます。国税庁が公表した資料によると、令和7年度の「再調査の請求」の発生件数は1,713件で、前年度比20.3%増となりました。処理件数は1,448件で、そのうち納税者の主張が一部または全部認められた認容件数は116件(一部認容96件、全部認容20件)、認容割合は8.0%でした。「審査請求」の発生件数は3,159件で、前年度比10.7%減となりました。処理件数3,128件のうち、一部認容は146件、全部認容は80件で、合計226件が認容され、認容割合は7.2%でした。前年度の17.9%から大きく低下しています。
令和7年度の訴訟の発生件数は202件で、前年度比3.1%増となりました。終結件数は201件で、そのうち国側が敗訴したものは8件(一部敗訴2件、全部敗訴6件)、国側敗訴割合は4.0%でした。
不服申立制度は、納税者の正当な権利や利益を救済するための重要な仕組みです。処分に疑問がある場合には、申立期限を確認したうえで、税理士などの専門家へ早めに相談することが大切です。
税務調査前の会計データ提出依頼が本格化
近年、税務調査の着手前に、調査項目をあらかじめ絞り込む目的で、会計データの提出を求められるケースが見られるようになっています。国税庁は「実地調査における帳簿書類等に係る電子データの提供依頼について」を公表し、税務行政のデジタル化を進める取組の一環として、税務調査の際に帳簿書類等の電子データの提供を求める場合があることをホームページ上で周知しています。特に令和8年7月以降、実際の調査現場では、仕訳日記帳や総勘定元帳などについて、CSVファイルでの提出を求められる機会が増えているとの声が聞かれます。国税庁は、調査担当者が会社を訪問する「臨場」の前にデータ提供を受けることで、調査の効率化が図られ、納税者や税理士の負担軽減にもつながると説明しています。しかし、提出によって実際に臨場日数が短縮されているかは、今のところ明らかではありません。また、提供されたデータは、行政文書管理規則等に従い厳格に管理されるとされていますが、具体的な利用範囲や保存期間、廃棄方法については、納税者側から分かりにくい面もあります。提出時には、対象期間、データの範囲、利用目的、保管・消去の方法を確認しておくとよいでしょう。
電子データの提供依頼は、国税通則法に基づく質問検査権によるものとされています。疑問がある場合は、担当者に提出の根拠や対象範囲を確認し、顧問税理士と相談しながら適切に対応することが必要です。
税務署の総合窓口の受付時間が短縮されます
国税庁は、令和8年10月1日から、全国すべての税務署における総合窓口の受付時間を、原則として平日の午前9時から午後3時までに変更しました。総合窓口では、申告書や申請書などの受理、各種用紙の交付、税金の納付、納税証明書の交付などを行っています。税務署を訪問する予定がある事業者や経理担当者は、これまで以上に時間に余裕を持って手続きを行うことが大切です。
税務署の開庁時間自体は、従来どおり午前8時30分から午後5時までです。受付時間外に来署した場合でも、開庁時間内であれば対応するとしています。ただし、国税庁はできる限り、受付時間内に来署するよう求めています。電話による問い合わせについても、緊急の場合を除き、原則として午前9時から午後3時までの連絡が推奨されています。
なお、税務署で職員との面談による相談を希望する場合は、原則として事前予約が必要です。予約は管轄の税務署へ電話で申し込みます。また、一部の税務署では、LINEを利用した事前予約も受け付けています。詳細は、国税庁ホームページをご確認ください。
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※本コラムでは、さまざまな経営者にとって役立つ記事が集まるデジタル情報誌『マネジメント倶楽部デジタル』に掲載されている記事の一部を公開しています。
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