青色申告承認取消し事由|税務通信 READER’S CLUB

2025年1月8日

 

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関連記事:No.3827(令和6年11月18日号) 51頁

ショウ・ウインドウ 「みなし解散と青色申告の取消し」
Q1

この記事では、「申告期限内に提出しなかったこと」が、法人税法上の青色申告承認の取消事由の一つと解説されていますが、他にどのような事由が取消事由とされているのでしょうか?

 

A1

法人税法上の青色申告承認取消しは、法人税法127条に規定されており、下記のように定められています。

 第121条第1項(青色申告)の承認を受けた内国法人につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に定める事業年度まで遡つて、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、当該事業年度開始の日以後その内国法人が提出したその承認に係る青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く。)は、青色申告書以外の申告書とみなす。

 その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が前条第1項に規定する財務省令で定めるところに従つて行われていないこと 当該事業年度
 その事業年度に係る帳簿書類について前条第2項の規定による税務署長の指示に従わなかつたこと 当該事業年度
 その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること 当該事業年度
 第74条第1項(確定申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと 当該申告書に係る事業年度

(以下省略)

 

記事の解説では、このうちの「四」についてでしたが、そのほかに「一」から「三」の事由が規定されています。

 

まず「一」は、帳簿書類の備付け、記録又は保存が省令に定めるところに従って行われていない場合です。なお、電子帳簿保存法の適用がある保存義務者は、電子帳簿保存法に定める保存要件に従っていなければ、同様に青色申告の承認取消事由に該当します。

次に、「二」は、126条2項に規定に基づき、税務署長からされた帳簿書類についての指示に従わない場合です。126条2項では、帳簿書類を調査した結果、必要があると認めるときは、税務署長はその帳簿書類についての必要な事項の指示ができる旨が規定されています。この指示とは、帳簿書類を社内に保管すること、外部に置かないようにする、記帳の方法を改善するなどの簡易な指示が想定されているようです。

最後に「三」は、「帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録し」た場合、または、「その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由がある」場合です。この後者の定めがあることから、仮想又は隠蔽のような意図がなくても、知識がなく全体的に間違いが多いなどの理由により取消しができる規定となっています。

なお、昭和40年の全文改正前には、棚卸資産の評価方法又は固定資産の減価償却方法について承認を受けずに変更した場合も、取消事由になっていたようですが、現在は削られています。

 

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