学資金の非課税規定|税務通信 READER’S CLUB
関連記事:No.3908(令和8年7月13日号) 61頁
所得税法において、学資金の非課税規定があるようですが、条文の読み方が難しいので解説してください。
学資金の非課税規定は、以下の所得税法9条1項15号ですが、この規定は平成28年度度税制改正で大きく変わっています。
第9条 非課税所得
次に掲げる所得については、所得税を課さない。
一~十四(略)
十五 学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するもの(給与所得を有する者がその使用者から受けるものにあっては、通常の給与に加算して受けるものであつて、次に掲げる場合に該当するもの以外のものを除く。)を除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品
イ 法人である使用者から当該法人の役員(法人税法第2条第15号(定義)に規定する役員をいう。ロにおいて同じ。)の学資に充てるため給付する場合
ロ 法人である使用者から当該法人の使用人(当該法人の役員を含む。)の配偶者その他の当該使用人と政令で定める特別の関係がある者の学資に充てるため給付する場合
ハ 個人である使用者から当該個人の営む事業に従事する当該個人の配偶者その他の親族(当該個人と生計を一にする者を除く。)の学資に充てるため給付する場合
ニ 個人である使用者から当該個人の使用人(当該個人の営む事業に従事する当該個人の配偶者その他の親族を含む。)の配偶者その他の当該使用人と政令で定める特別の関係がある者(当該個人と生計を一にする当該個人の配偶者その他の親族に該当する者を除く。)の学資に充てるため給付する場合
(以下略)
この15号では、「学資に充てるため給付される金品」を、非課税とする旨が規定されています。
ただし、ここでいう「学資」は、所得税法において定義がないため、広辞苑などから借用すると、「学校等の教育機関において学術等の教育・指導を受けるために必要な費用」と考えられます。学校等に学習者の籍がある者に対する大学や各種専門学校の授業料が典型例です。
次に、この学資金の規定の括弧書きを見ると、学資金から除外されるものから除かれるもの(学資金に含めるもの)が、同じ一文で規定されており、ここが複雑となっている要因です。簡易化すると、以下に整理できます。
学資金からは、給与その他対価の性質を有するものを除く。
ただし、通常の給与に加算して受けるもので、次に掲げる場合(イ、ロ、ハ、ニ)に該当しないものは、学資金に含める。
まず、給与の性質を持つ金品の給付は、学資金から除外されていますが、これだと使用者が給与所得者のために学資金を給付すると、ほとんどが課税されてしまいます。そこで、平成28年度税制改正で、後段が追加され、「通常の給与に加算して受けるものであって」、「(イ、ロ、ハ、ニ)に該当しないもの」は、学資金として非課税とされました。
「通常の給与に加算して受ける」とは、給与額面を下げて、その下げた分を学資金として支給することによる課税逃れを防止するためのものです。
また、「(イ、ロ、ハ、ニ)に該当しないもの」は、イとロは法人が学資金を給付する場合、ハとニは個人事業主が学資金を給付する場合で切り分けられています。
イ 法人である使用者から当該法人の役員(法人税法第2条第15号(定義)に規定する役員をいう。ロにおいて同じ。)の学資に充てるため給付する場合
ロ 法人である使用者から当該法人の使用人(当該法人の役員を含む。)の配偶者その他の当該使用人と政令で定める特別の関係がある者の学資に充てるため給付する場合
イは、役員(みなし役員含む)への学資金、ロは、役員・従業員の関係者への学資金が、非課税とされる学資金から除外される旨、規定されています。役員や役員の親族への学資金が非課税とされないのは、これらの規定があるためです。
















