パワーハラスメント対策自主点検票

2021年10月11日

 

今年の4月から発出されていた新型コロナにおける緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が、9月30日をもって全都道府県で解除されました。対象地域にお住まいの方は、長かったというのが実感ではないでしょうか。解除されたのは喜ばしいことですが、対策の緩和については段階的とされていますので、解除=すべてOKではないことに気を付けてください。
また、解除された地域以外につきましても、三密回避、マスクの着用、手洗いなどの手指衛生等が政府から呼びかけられていますので、会社担当者の方は引き続き事業場での感染防止対策を続けてください。

東京労働局の取り組み

新型コロナの影響があったせいか、最近あまり耳にすることがなかったパワーハラスメント(以下「パワハラ」)ですが、労働施策総合推進法の改正によって、令和2年6月1日から大企業では職場におけるパワハラ対策が義務化されています。
このパワハラ対策について中小企業においては令和4年4月1日までは猶予措置となっていますが、 令和3年9月上旬、東京労働局の雇用環境・均等部長名で管内の一部の対象事業主宛に、「職場におけるパワーハラスメント対策の義務化に向けた取組のお願いについて」という通知書が発行され、かつ、東京労働局のHPにも同じ内容がUPされました。今回はこの内容について取り上げたいと思います。

パワハラ自主点検票の目的

今回の取り組みのメインは「パワハラ自主点検票」の実施です。その理由として、東京労働局での昨年の個別労働紛争相談件数のうち「いじめ・嫌がらせ(ハラスメント)」が全体の29%と最多であること、嫌がらせを理由とする精神障害等での労災保険の支給決定件数が高水準で推移しており、職場におけるパワハラ防止対策が喫緊の課題となっていること、が挙げられています。
既に大企業ではパワハラ対策が義務化になっていますが、猶予措置対象の中小企業においては令和4年4月1日からの義務化に向けた準備を進めて頂く目的から「まずは今回の自主点検票で自主チェックを行っていただこう」ということのようです。

<東京労働局HP 「パワハラ防止対策(改正労推法) 自主点検」>

自主点検票の構成と中身

自主点検票は「義務化される10の措置事項」として、10の事項で構成されています。その10の事項は、「事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発」、「相談に応じ、適切に対応するための体制の整備」、「相談後における事後の迅速かつ適切な対応」「上記と併せて講ずべき措置」の四つのグループにまとめられています。

具体例としては、措置事項①として以下が掲げられています。

上記のほかに9項目の自主点検事項があります。下記よりご確認ください。
東京労働局HP

会社がなすべきこと

今回の自主点検票の中身を全体的に検証しますと、会社として①就業規則及びハラスメント規程によるパワハラ禁止及び厳罰化の記載、②相談窓口の設置・周知、及びパワハラ防止の文書配布や(ポスター等の)掲示、③相談担当者への研修、事実確認できる体制整備、④プライバシーに配慮しつつ事実確認及び再発防止措置、等が求められていることがわかります。
先の東京労働局HPには「明るい職場応援団」の「解説動画」へのリンクもあり、「企業のパワハラ相談対応者の具体的な対応例」として相談窓口担当者の対応動画もありますので参考にされるとよいでしょう。
明るい職場応援団HP(厚生労働省)

まとめ(+雇用調整助成金おまけ情報)

パワハラ行為者は自覚のない人が多いようです。自覚されていない方に通りいっぺんの「パワハラは禁止です」といった資料を配っただけでは効果的な防止は困難でしょう。今回の自主点検票の内容を参考にしつつ、会社担当者の方は社労士などと連携して研修や就業規則等の再整備の取組みをお願いしたいと思います。

話は変わりますが、緊急事態宣言が明けたことで「雇用調整助成金(雇調金)の特例措置はどうなるのか?いつまであるのか?」という質問が寄せられています。実は、雇調金の特例措置に関する情報は、現在、厚生労働省発信で「11月末」と「12月末」と2つ出されています。どちらが本当なのかと担当者の方で迷っている方もいるのではないでしょうか。
正解は、「特例措置は12月末まで対象」だが、「業況特例など営業時間短縮に協力した場合の措置は11月までしか確定していない」ということです。わかりにくいですよね。したがって、特例措置自体は12月末までは対象になるということを念頭に置いたうえで、計画休業の予定を立てていただければと思います。

詳細については下記あてお問い合わせください。
雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)
コールセンター 0120-60-3999 受付時間9:00~21:00 土日・祝日含む

特定社会保険労務士小野 純

一部上場企業勤務後、2003年社会保険労務士小野事務所開業。2017年法人化。企業顧問として「就業規則」「労働・社会保険手続」「各種労務相談」「管理者研修」等の業務に従事。上記実務の他、全国の商工会議所、法人会、各企業の労務管理研修等の講演活動を展開中。
主な著作:「従業員100人以下の事業者のためのマイナンバー対応(共著)」(税務研究会刊)、「社会保険マニュアルQ&A」(税研情報センター刊)、「判例にみる労務トラブル解決のための方法・文例(共著)」(中央経済社刊)、月刊誌「税務QA」(税務研究会)にて定期連載中。当コラムは2015年1月より担当。

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