第3回 介護報酬の改定で導入されたLIFEについて
『情報の収集・活用とPDCA サイクルの推進』
~介護事業のここが知りたい 運営と経理の実務【パート1】運営編~

2022年10月12日

LIFE 情報の収集・活用とPDCA サイクルの推進

制度改正でLIFE(科学的介護情報システム)の運用が多くの加算に対して要件となりましたが、現場の負担を考慮し、段階的に導入するとしたら、どのような導入が望ましいでしょうか?

令和3 年度の介護報酬改定で導入されたLIFE に関する加算を大別すると新規に位置付けられた加算要件と従来の加算要件をベースに要件が改定されたものに分けられます。現場の業務の変更や入力に対する負担を考えた場合、従来から算定している加算への対応を確実にしていく方が従来の現場の考え方に沿っていることから、業務の流れや管理方法に合わせやすいと考えられるため、もし優先順位をつけるのであれば、従来の加算をベースしたものへの対応と考えられます。

一方、新規に位置付けられた加算については、LIFE の対象となるデータ自体はなんらかの形で記録されている数値であると考えられますが、どの時点の数値を入力するか、どこに記載されている記録を対象にするか、その作業の担当者やチェックの仕組なども新たに定めることが必要になると考えられます。これらが、新たに業務の負担になるとも言えますが、今後もLIFE に対応した業務は拡大していくことが想定されるため、早期に新しい体制を構築し、新しいLIFE 関連の加算に対応することが望まれます。

ここで、新規に位置付けられた加算としては「科学的介護推進体制加算」「自立支援促進加算」が挙げられます。また、従来からの加算要件をベースにした加算としては「個別機能訓練加算Ⅱ」「ADL 維持等加算Ⅰ・Ⅱ」「リハビリマネジメント加算A(ロ)、B(ロ)」「栄養マネジメント強化加算」「口腔衛生管理加算Ⅱ」「栄養アセスメント加算」「口腔機能向上加算Ⅱ」「褥瘡マネジメント加算Ⅰ・Ⅱ」「排せつ支援加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」「かかりつけ医連携薬剤調整加算Ⅱ・Ⅲ」が該当します。

令和3 年度施行の改正では、訪問系・福祉用具を除くほとんどのサービスにLIFE への情報提供及びその結果の活用が加算と共に位置付けられていますが、訪問系では、LIFE への情報提供は、位置付けられていません。ただし、フィードバック情報を活用することが望ましいとされています。

 

  • 段階的なL I F E 対応として、従来から算定している加算のL I F E 対応を最優先とする。

 

 

 

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株式会社オフィスイーケア代表取締役楠元睦巳

株式会社オフィスイーケア代表取締役
1965年奈良県生まれ。
富士通株式会社・生産システム本部にてコンサルティング業務に従事。株式会社やさしい手にて城南エリア事業部長、ISO 内部監査員等。
ミモザ株式会社にて常務執行役員、居宅介護事業本部長、内部監査室等。 2008年オフィスイーケア創業(2017年株式会社化)。介護コンサルタントとして、介護事業所運営支援、組織開発、介護保険制度・給付管理・コンプライアンスに関する執筆、セミナー、研修の他、自治体の介護保険事業計画の策定支援等に携わる。

» 会社HP:https://www.oe-care.com/

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