所得税申告書の「利子所得」欄。入力したことがないのはなぜ?
<3分で読める税金の話>

2020年9月24日

 

通帳をみると、年に2回ほど利子が入金されています。こちらは個人であれば所得税と住民税が源泉徴収されているため、源泉分離課税として課税関係が終了し、確定申告は不要となります。でも、申告書の第一表をみると「利子」欄があります。これはどうしてでしょう?

 

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■利子所得は総合課税

利子所得は、所得税法においては総合課税とされています(所得税法第22条)。しかしながら、租税特別措置法第3条において分離課税とされているのです。租税特別措置法で変更を加えている場合、「の規定にかかわらず」という特徴的な表現が出てきます。

 

 

■租税特別措置法第3条

居住者又は恒久的施設を有する非居住者が……国内において支払を受けるべき……利子等……については、同法第22条及び第89条並びに第165条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その支払を受けるべき金額に対し100分の15の税率を適用して所得税を課する。

 

 

■なぜ分離課税とされたのか

本来であれば総合課税となるはずの利子所得ですが、現代の日本では国民のほとんどが口座を、しかも複数所有しています。利子所得を正確に把握し、総合課税で課税するにはマイナンバーと口座が紐づけされない限り難しいでしょう。そうすると、一律に利子から源泉することで課税関係を終了させる源泉分離課税が公平な課税制度といえるのです(もちろん、単一税率による源泉分離課税は高所得者、資産家ほど有利であるため公平でないという議論もあります)。

 

 

■「利子」所得欄は外国の利子などが記載される

では、利子所得の欄は全く使うことはないのでしょうか? 海外の銀行に預金があり、その預金に対する利子を受け取った場合は、源泉されていませんので、これを総合課税の利子所得として確定申告で申告する必要があります(国内銀行が取り扱っている外貨預金は源泉分離課税ですので申告は不要です)。この他にも、東京市場で発行される世銀債、アジア開発銀行債、米州開発銀行債の利子なども総合課税となります。

 

 

■国内の利子でも「利子」所得欄に記載するもの

国債、地方債、公募公社債、上場公社債などの特定公社債等ではない公社債、私募公社債投資信託の受益権などの利子等は源泉分離課税ですが、同族会社が発行した社債の利子で、その同族会社の役員等が支払を受けるものは総合課税となります(租税特別措置法第3条第1項第4号)ので、申告書の利子欄に記載されることになります。

 

 

■源泉されていない利子を受け取った方は申告を

所得税申告書の「利子所得」欄は、海外に居住していたことがある方などのお客様が多い事務所の方などにはおなじみですが、ドメスティックな環境ですとあまりないかもしれません。源泉されていない利子を受け取った場合や、社債を発行している同族会社の役員の確定申告時には「利子所得」にご留意ください。

 

 


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税理士高山 弥生

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