相続時精算課税が大きく変わります 令和5年度税制改正大綱
<3分で読める税金の話>

2022年12月23日

 

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日本の現状

現在の日本は高齢世代に資産が偏在し若年世代への資産移転が進みにくい状況です。高齢世代が保有する資産が若年層に移転すれば経済の活性化につながりますが、高齢世代の資産が、適切な負担を伴うことなく世代を超えて引き継がれることとなれば、格差の固定化につながりかねません。相続税・贈与税は資産の再分配機能を果たす上で重要な役割を担っています。

 

しかしながら、現状の税制では資産の再分配機能が上手く機能していないところがあります。一般的には相続税率よりも贈与税率の方が高くなるのですが、相続税がかかる人のなかでも相続財産が多い一部の富裕層にとっては、財産を生前に分割して贈与する場合、贈与税は相続税よりも低い税率が適用されることになり、暦年課税による贈与は相続税の節税対策としての利用がなされています。

 

 

■暦年課税制度 持ち戻し期間が3年から7年に延長

資産の再分配機能の確保を図りつつ、資産の早期の世代間移転を促進する観点から、資産移転の時期の選択により中立的な税制を構築していく必要があるとして、令和5年度税制改正大綱では、暦年課税における相続前3年以内贈与の加算が、7年に延長されました。延長された4年間の間に贈与された財産については、記録・管理に係る事務負担を軽減する観点から、100万円までは相続財産に加算しないこととされました。

 

 

■相続時精算課税制度 基礎控除110万円が創設

相続時精算課税を選択した場合、現行では贈与財産は全部相続財産に加算されますが、今回の大綱で、相続時精算課税制度にも基礎控除が創設され、110万円を控除可能となりました。基礎控除以下の贈与は相続財産に加算されないことになります。また、贈与から相続申告期限までの間に災害等により贈与対象不動産が被害を受けた場合、今までは贈与時の評価額で相続財産に加算されていましたが、被害額を控除することが可能となります。

 

 

■今後の対策

上記の改正内容を踏まえますと、相続開始まで7年以上あると予想される場合で、富裕層であり、110万円超贈与の場合でも贈与税率が相続税率よりも下回るのであれば暦年贈与を選択、相続開始まで7年ないと予想されるのであれば相続時精算課税制度を選択し、110万円の贈与を行って相続財産を圧縮するといった方法がよいと考えられます。

 

 

■教育資金贈与、結婚・子育て資金贈与

教育資金は3年延長、結婚・子育て資金は2年延長されました。

教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合において、贈与者の相続税の課税価格の合計額が5億円をこえるときは受贈者が23歳未満であっても管理残額を相続財産に加算することになるので注意が必要です。

 

 

 

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