今だからこそ見直す、経営ビジョンと経営目標

コロナ禍の今だからこそ見直そう!環境の変化に適応できる強い組織づくり

2021年2月2日

 

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このたびのコロナ禍により、ほんの数か月の間に経営環境は劇的な変容を遂げました。

「これからは今までと同じ経営では立ち行かない」という危機感は持っていても、具体的に何をどう変えていけばよいのかを見出せない、という経営者の悩みをよく耳にします。

本コラムでは、コロナ禍こそ、今までの会社の在り方を見直す機会と捉え、ウィズ/アフターコロナに向けた“強い組織づくり”の進め方についてお話しいたします。

 

 

《今だからこそ見直す、経営ビジョンと経営目標

 

新型コロナウイルス感染症の流行にかかわらず、私たちは常に環境変化に対応していく必要があります。経営環境の変化に対応する中で、迷わないよう “道しるべ” となるものが「経営ビジョン、経営理念」です。

 

1.経営ビジョン、経営目標を見直す

経営ビジョンや目標は変えてはいけないと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、経営環境の変化と経営ビジョンには切っても切れない関係です。経営環境が安定していた時代は、経営ビジョンや目標を変える必要がなく、むしろ変えることで目的を見失ってしまうのではないかと考えられていました。しかし、昨今の急激な環境変化の中においては、同じ経営ビジョンを掲げていては会社の成長が停滞してしまうだけではなく、衰退してしまう可能性すらあります。

経営理念は、普遍的な要素が多く、環境変化に左右されないと言えます。一方の経営ビジョンは、未来の会社の姿を示すものなので外部環境の影響を多分に受けます。コロナ禍にあり、急激な環境変化が起きている今こそ、経営ビジョンや経営目標の見直しを検討してみましょう。

 

2.経営ビジョン、経営目標とは

まずは、経営ビジョン、経営目標の言葉の意味について考えてみます。

経営ビジョン:企業のあるべき将来像に対する構想ないし願望。
(経営)目標:めじるし。目的を達成するために設けた、めあて。 ※「目標」の意味を抽出
出典:広辞苑

広辞苑で「経営ビジョン」は “企業のあるべき将来像に対する構想ないし願望。” とされています。つまり、経営者が自社を将来どういう企業にしたいのかを定性的に表したものが「経営ビジョン」です。さらに、「経営目標」とは、経営上の定性的な目的を達成するために設けた定量的な具体策であり、経営ビジョンを達成するための目印となります。まず経営ビジョンを立て、その経営ビジョンに向かうために経営目標を設定します。

経営ビジョン、経営目標は【図-1】のような関係になっています。

 

【図-1】経営ビジョン、経営目標の関係性

 

では、なぜ経営ビジョンを定めなければいけないのでしょうか?

企業のあるべき将来像である「経営ビジョン」を定めることで、経営者の考えを明確にすることができます。また、「経営目標」を定めることにより、どうすれば経営ビジョンを実現できるかが明確になります。経営者が考える自社の将来像やその道筋を社内外へ共有することで、事業の進むべき方向を示し、日々の業務での判断材料とすることができます。

「経営ビジョン」に向かって、全社一丸となって「経営目標」達成を目指すことで、経営者が考える自社の将来像を実現することが可能となります。

 

3.経営ビジョン、経営目標の考え方

3-1.経営ビジョンについて

経営ビジョン、経営目標と、環境の変化の関係性を考えるにあたり、経営ビジョンの策定プロセスを考えます。前述の通り、「経営ビジョン」とは企業のあるべき将来像であるので、

まずは、社会情勢や今起きている変化を分析し、現状を知る必要があります。【図-2 ①】

次に、将来起こり得る変化や考えられる危機の情報を収集し、考えられる今後の経営環境の変化を予測します。【図-2 ②】

さらに、今まで歩んできた自社の歴史や現状の経営資源(人、物、金、情報など)を分析することで、将来像を考える上での重要な要素とすることができます。【図-2 ③】

上記内容を分析したうえで、「どんな市場で」「どのような商品・サービス」を提供したいのかを考え、社内外に伝わりやすい言葉で表現します。

 

【図-2】経営ビジョン策定プロセス

 

3-2.経営目標について

3-1.で策定した経営ビジョンを実現するために、道しるべとなる定量的な目標を掲げます。例えば、「3年後にアメリカへ出店する」「5年後に売上を2倍にする」など、ビジョンを実現するための具体的な目標とします。経営目標に向かって従業員一人一人が仕事に取り組むことで、経営ビジョンの実現に向かうことができます。

 

4.まとめ

コロナ禍において自社の未来が見えず、不安感や閉塞感を抱えたまま業務を行っている組織も多いでしょう。環境変化を見据えた経営ビジョンを社内で共有することで、従業員1人1人が組織に属する意義を見出すことができます。そこから、経営目標を道しるべとして同じベクトルで業務に従事する、活発な組織=強い組織に成長していくのです。

今まで「経営ビジョン・経営目標」を見直すことの意義についてお伝えしてきました。しかし簡単に「見直す」と言っても、予測不能な経営環境の変化を前にして、具体的にどのように考えていけばよいのでしょうか。次回のコラムでは、コロナ禍における具体的な経営ビジョン・経営目標の見直しについて、経営環境分析の視点からお話いたします。

 

 

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中小企業診断士前田節(まえだ とも)

株式会社ジャストコンサルティング 代表取締役。
中小企業支援をメインとした経営コンサルティング会社「株式会社ジャストコンサルティング」を2014年設立。コンサルタント12名を率い、専門性とチームワークを活かした実行型支援を行っている。

» 会社URL   https://www.just-c.net
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