宅地転用が見込めない市街地山林の評価

2023年12月19日

 

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宅地転用が見込めない市街地山林の評価


[質問]

対象地は、路線価地域に属している山林ですが、宅地転用が見込めないため、純山林評価による評価を行うことを前提としての質問です。

市役所に近隣の純山林を確認したところ、中間農地の倍率のみが与えられている地区の純山林でした。
この場合、
①純山林としての倍率が与えられている地区のうち、最も対象地に近い純山林を比準元山林として評価するのか
②近隣の純山林を比準元山林として、中間山林の倍率により評価するのか
どのような評価を行うべきでしょうか。

 

 

[回答]

ご質問の事例の山林は、路線価地域に属しているとのことですから、財産評価基本通達49に定める市街地山林に該当し、同通達の定めにより評価を行うことになるところ、市街地山林の価額は、原則として、いわゆる宅地比準方式により評価することとしていますが、宅地への転用が見込めない急傾斜地等のように、宅地比準方式を適用すること自体に合理性が認められない場合には、近隣の純山林の価額に比準して評価することとしています。

ご質問は、宅地転用の見込めない市街地山林について、同通達にいう「近隣の純山林の価額に比準して評価する」ための具体的な方法をどうするかということですが、財産評価基本通達逐条解説には、「比準元となる具体的な純山林は、評価対象地の近隣の純山林、すなわち、評価対象地から距離的に最も近い場所に所在する純山林とすることになる。」との記述があります。

したがって、市役所に確認された純山林が、当該市街地山林から距離的に最も近い純山林だとすれば、この純山林の価額に比準して評価することになりますので、この純山林が所在する地域における純山林の評価倍率を税務署が定めていないということであれば、税務署に照会するしかないと考えます(純山林が実際に存在しているのに、中間農地の倍率しか定めていないというのは、疑問です。)。

 

(税理士懇話会・資産税研究会事例より)

 

 

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