著作権の評価について

2023年3月16日

 

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著作権の評価について


[質問]

財産評価通達148において、著作権の価額は次のように過去3年間の「印税収入」を基に計算することとなっています。

 

著作権の価額=年平均印税収入の額×0.5×評価倍率

 

<質問>

1. 印税収入は消費税の課税対象となりますが、印税収入に係る消費税相当額は、上記算式中の「印税収入の額」に含めて評価額を計算すべきでしょうか。

 

2. 著作権使用の対価の支払方法には、いわゆる「印税方式」(販売価格等に一定料率(印税率)を掛けたものを基準に、数量等に応じて使用料が支払われるもの)による方法のほか、「印税方式」以外の方法(著作権使用の対価の額について当事者間で契約する方式など)によるものもあるようです。

上記算式では、あえて「印税収入の額」と規定されていますので、著作権の評価において考慮すべき著作権使用料とは、広義の「著作権使用料収入の額」ではなく、いわゆる「印税方式」により受領している著作権使用料(=印税収入)のみに限定されるのではないかとの疑問が生じました。

被相続人は生前、企業のイメージキャラクターを制作し、企業と個別の契約を行い、毎年1回、キャラクターの著作権使用料を企業に請求し、受領していました。

キャラクターの使用契約は1年更新で、相続後に企業が契約を更新し、そのキャラクターを使い続けてもらえるのかは未確定です。

本件のようなキャラクター使用料は、いわゆる「印税方式」による「印税収入」には該当しないことになりますが、相続開始以前3年間に企業に請求し、受領していたキャラクター使用料を上記算式中の「印税収入の額」に含めて、著作権の評価をすべきでしょうか。

 

 

[回答]

1 質問1について

著作権を評価する場合における「年平均印税収入の額」は、消費税相当額を含んだ金額か含まない金額かについて明らかにされていませんが、一般的には消費税を含んだ金額として扱われていると思います。

 

2 質問2について

1年ごとの著作権使用料は、「印税収入の額」には含まれないのではないかというご意見ですが、著作権法は、著作物並びに実演、レコード、放送、有線放送を対象とし、著作権に基づく利益をもたらす方法としては、複製頒布、翻訳、興行、上映、放送などがあるといわれています。そうすると、極めて広範囲に及ぶ著作権の評価に当たって、「印税収入の額」を限定的に解するのは相当とはいえないと考えます。そうすると、1年ごとの著作権使用料は「印税収入の額」には含まれない、というご意見には賛成できません。なお、1年ごとの更新で、相続後に更新されるかどうかは未確定という状況は、評価倍率における印税収入期間で考慮すべき点と考えます。

 

 

(税理士懇話会・資産税研究会事例より)

 

 

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