1.本当に終わった!?定額減税
「社員の定額減税対応、6月の給与と賞与で終わった!」
と安堵されている会社も多いのではないでしょうか。扶養の管理と減税額の確定、給与明細への表記、減税額の管理などいろいろ大変なことも多かったと思います。本当にお疲れ様でした。
「いまさら定額減税に関する情報発信されても遅いよ!」
そういうご批判があることも承知しています。これを読んで下さっている皆さんは会社がしっかりサポートし、手続きしてくれるので大丈夫だと思います。でも考えてみてください。これから適用されるであろう年金受給者であるご両親は、誰がサポートしてくれるのでしょうか。行政に任せておいて安心でしょうか。
令和6年度に実施される定額減税は所得税と個人住民税です。
所得税は申告納税制度のため、減税を適切に受けているかどうかの責任は納税者に帰属します。会社は源泉徴収義務者として昨年の年末調整で提出を受けた扶養義務者申告書を元に減税額を算定し、源泉徴収する税額を調整します。会社に帰属しない年金受給者や個人事業主には、こういうサポートをしてくれる人はいません。
一方、個人住民税は賦課課税制度のため、市町村側で減税額を管理し、納税者に通知します。特別徴収を選択されている場合は、会社と納税者個人に通知がされ、会社は通知された個人住民税を給与から控除して納税します。会社に帰属しない年金受給者や個人事業主には、市町村から通知されます。
所得税については、自分自身が正しく理解し、自分で処理することが重要です。
個人住民税については、市町村に扶養情報、居住者情報などを正しく伝えられているかが重要です。市町村も正しい情報がなければ適切な判断ができませんので、定額減税が適切に行われないことになる可能性もあります。
改めて申し上げます。所得税も個人住民税も結局は自己責任であり、誰かに任せておいて大丈夫というものではないと考えています。このコラムでは、定額減税というテーマに対し、納税者本人だけでなく、両親まで含めた視点でアプローチします。