更新日:2022年9月2日
配当する債権
(質権、抵当権、先取特権)
1
(担保権の引受けとの関係)
2
(損害賠償請求権又は借賃に係る債権)
3
国税に充てること
(国税に充てたことの効果)
4
なお、上記の場合には、配当計算書が作成されないので、滞納者に対しては、その充てた旨の通知をするものとする。この書面の様式は、別に定めるところによる。
(国税に充てるべき時期)
5 差押財産等の売却代金又は有価証券、債権若しくは無体財産権等の差押えにより第三債務者等から給付を受けた金銭(以下「換価代金等」という。)又は差し押さえた金銭若しくは交付要求(参加差押えを含む。以下5において同じ。)により交付を受けた金銭(
この場合において、交付要求が滞調法第36条の10第1項《みなし交付要求》の規定に係るものであるときは、第三債務者が同法第36条の6第1項《第三債務者の供託義務》の規定により供託した日が、上記の「受領した日」に当たるものとして延滞税を免除する。
滞納者等への交付
(滞納者への交付)
6
(破産手続開始の決定があった場合等)
7 滞納者に交付すべき金銭は、次に掲げる場合には、それぞれに掲げる者に交付するものとする。
(残余金について差押え等があった場合)
8 滞納者に交付すべき残余の金銭について、差押え等があった場合には、次に定めるところによるものとする。 なお、交付又は供託するまでの間は、その金銭は、保管金として処理する(出納官吏事務規程第61条参照)。また、債務者(滞納者)に対して差押命令が送達された日から1週間を経過したか否かは、送達通知書(執行規則第134条)等により確認するものとする。
(換価財産について強制執行による差押え等がされている場合)
9 換価財産について、強制執行による差押え等がされている場合には、滞調法逐条通達に定めるところによる。
配当
(転質又は転抵当がある場合)
10 転質又は転抵当がある場合には、原質又は原抵当によって担保される債権額の範囲内で、その転質又は転抵当により担保される債権額について、まず転質権者又は転抵当権者に配当し、なお配当すべき残余があるときは、次いで原質権者又は原抵当権者に配当する(昭和7.8.29大決参照)。
なお、転質権者又は転抵当権者には、転質又は転抵当について保全仮登記をした仮処分の債権者が含まれる(
(共同抵当権がある場合)
11 同一債権の担保として数個の財産上に抵当権の設定がある場合(共同抵当の場合)において、その財産を換価したときは、次のことに留意する。
(抵当権の譲渡等があった場合)
12 抵当権の譲渡等があった場合においては、被担保債権の範囲は、その譲渡等の目的となった抵当権の被担保債権を超えることはできないことに留意する。具体的には、次のように配当する。
なお、抵当権の譲渡等を受けた者がその譲渡等を第三者に対抗するためには、その旨の付記登記がされていることが必要であるから、付記登記のない場合は、これらの処分はなかったものとして配当する。
また、抵当権の順位の譲渡又は抵当権の順位の放棄についての保全仮登記がされている場合には、保全仮登記がされた抵当権により担保される債権に対して配当を行う(
〔例〕
(注) 滞納国税については、考慮していない。
丁は甲の被担保債権(400万円)の範囲内で甲の抵当権者としての地位を取得することになり、丁の債権額(600万円)の範囲内で甲が受けるべき債権額が配当され、乙、丙の配当額には影響がない。
したがって、丁の債権に400万円、乙の被担保債権に500万円、丙の被担保債権に200万円(1,100万円-400万円-500万円)配当される。
抵当権の順位の譲渡がないとした場合に丙が受くべき債権額は200万円(1,100万円-400万円-500万円)であるから、甲の400万円と丙の200万円の合計額600万円の範囲内で丙の債権額に先に配当され、乙の配当額には影響がない。
したがって、丙の被担保債権に600万円、乙の被担保債権に500万円配当される。
甲は丁に対し優先権を持たなくなるため、甲と丁は、抵当権の放棄がないとした場合に甲が受くべき債権額400万円について、甲・丁それぞれの債権額によりあん分して配当され、乙、丙には影響がない。
したがって、甲の被担保債権に160万円(400万円×(400万円/(400万円+600万円)))、丁の債権240万円(400万円×(600万円/(400万円+600万円)))、乙の被担保債権に500万円、丙の被担保債権に200万円配当される。
甲は丙に対し優先権を持たなくなるため、抵当権の順位の譲渡がないとした場合の甲と丙が配当を受くべき債権額600万円(甲の400万円と丙の200万円(1,100万円-甲の400万円-乙の500万円))について、甲・丙それぞれの債権額によりあん分して配当され、乙には影響がない。
したがって、甲の被担保債権に200万円(600万円×(400万円/(400万円+800万円)))、乙の被担保債権に500万円、丙の被担保債権に400万円(600万円×(800万円/(400万円+800万円)))配当される。
(仮差押えの執行後に担保権が設定された財産を換価した場合)
13 仮差押えの執行後に担保権が設定された財産を差し押さえ、換価した場合において、その配当時に仮差押えに係る本案訴訟の確定判決がない等のため配当額が定まらないときは、その定まらない部分に相当する金銭は供託しなければならない(滞調法第34条第2項、執行法第87条第2項、第91条第1項第6号、第92条)。この場合において、仮差押えに係る本案訴訟が確定したこと等により、配当額が確定したときの配当手続は、滞調法逐条通達第33条関係8に定めるところによる。
(差押え後に担保権が設定された財産を換価した場合)
14 滞納処分又は強制執行による差押え後に設定した担保権については、配当しないものとする(6の(2)参照)。ただし、執行停止に係る強制執行による差押え後に登記された担保権については、滞調法逐条通達第33条関係7及び8に定めるところによる。
(担保権の目的となっている財産と、なっていない財産とを共に換価した場合)
15 担保権の目的となっている財産となっていない財産とを共に換価した場合において、その担保権の被担保債権が国税に優先しないときは、その担保権の目的となっていない財産の売却代金から順次国税に配当するものとする。
(不動産の共有持分を換価した場合)
16 担保権の設定後に共有となった不動産の共有持分を換価した場合には、担保権者に対しては、担保権の被担保債権に対する共有持分の割合に相当する金額を配当する。この場合における担保権の登記の抹消は、嘱託書に抹消すべき登記として、「平成 年 月 日受付第 号担保権設定登記のうち共有者何某の持分に対する担保権」等と記載する(昭和4.7.24付民第6250号司法省民事局長回答)。
(換価執行決定がされた場合)
17 換価執行決定をした行政機関等が換価する場合の配当の順位は、差押えをした行政機関等が換価する場合と同一である。
不服申立て等の期限の特例
18 換価代金等の配当処分に対する不服申立て又は訴えの提起については、
徴収の順位
19 配当された金銭を国税に充てる場合には、まず徴収の基因となった国税の本税に充て、その後、延滞税、利子税及び加算税に充てるものとする(
なお、徴収の基因となった国税が複数ある場合は、順次に本税、附帯税に充て(
配当する債権
(質権、抵当権、先取特権)
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