恒久的施設を有する外国法人が各事業年度において外国法人税(所得税法第69条第1項(外国税額の控除)に規定する外国法人税をいう。以下この項及び第8項において同じ。)を納付することとなる場合には、当該事業年度の第141条第1号イ(課税標準)に掲げる国内源泉所得(以下第3項まで及び次条第1項において「恒久的施設帰属所得」という。)に係る所得の金額につき所得税法第143条第1項又は第2項(外国法人に係る各事業年度の所得に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した金額のうち当該事業年度の国外所得金額(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額のうち国外源泉所得に係るものとして政令で定める金額をいう。)に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国法人税の額(第138条第1項第1号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得につき課される外国法人税の額に限るものとし、その所得に対する負担が高率な部分として政令で定める外国法人税の額、外国法人の通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対して課される外国法人税の額その他政令で定める外国法人税の額を除く。以下この条において「控除対象外国法人税の額」という。)を当該事業年度の恒久的施設帰属所得に係る所得に対する法人税の額から控除する。
2 恒久的施設を有する外国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額、地方法人税控除限度額として政令で定める金額及び地方税控除限度額として政令で定める金額の合計額を超える場合において、前3年内事業年度(当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度をいう。以下この条において同じ。)の控除限度額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額を当該事業年度の恒久的施設帰属所得に係る所得に対する法人税の額から控除する。
3 恒久的施設を有する外国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額に満たない場合において、その前3年内事業年度において納付することとなつた控除対象外国法人税の額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項において「繰越控除対象外国法人税額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、当該控除限度額から当該事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額を控除した残額を限度として、その繰越控除対象外国法人税額を当該事業年度の恒久的施設帰属所得に係る所得に対する法人税の額から控除する。
4 第1項に規定する国外源泉所得とは、第138条第1項第1号に掲げる所得のうち次のいずれかに該当するものをいう。- 二 国外にある資産の譲渡により生ずる所得として政令で定めるもの
- 三 国外において人的役務の提供を主たる内容とする事業で政令で定めるものを行う法人が受ける当該人的役務の提供に係る対価
- 四 国外にある不動産、国外にある不動産の上に存する権利若しくは国外における採石権の貸付け(地上権又は採石権の設定その他他人に不動産、不動産の上に存する権利又は採石権を使用させる一切の行為を含む。)、国外における租鉱権の設定又は所得税法第2条第1項第5号(定義)に規定する非居住者若しくは外国法人に対する船舶若しくは航空機の貸付けによる対価
- 五 所得税法第23条第1項(利子所得)に規定する利子等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
- イ 外国の国債若しくは地方債又は外国法人の発行する債券の利子
- ロ 国外にある営業所、事務所その他これらに準ずるもの(以下この項において「営業所」という。)に預け入れられた預貯金(所得税法第2条第1項第10号に規定する政令で定めるものに相当するものを含む。)の利子
- ハ 国外にある営業所に信託された合同運用信託若しくはこれに相当する信託、公社債投資信託又は公募公社債等運用投資信託(所得税法第2条第1項第15号の3に規定する公募公社債等運用投資信託をいう。次号ロにおいて同じ。)若しくはこれに相当する信託の収益の分配
- 六 所得税法第24条第1項(配当所得)に規定する配当等及びこれに相当するもののうち次に掲げるもの
- イ 外国法人から受ける所得税法第24条第1項に規定する剰余金の配当、利益の配当若しくは剰余金の分配又は同項に規定する金銭の分配若しくは基金利息に相当するもの
- ロ 国外にある営業所に信託された所得税法第2条第1項第12号の2に規定する投資信託(公社債投資信託並びに公募公社債等運用投資信託及びこれに相当する信託を除く。)又は第2条第29号ハ(定義)に規定する特定受益証券発行信託若しくはこれに相当する信託の収益の分配
- 七 国外において業務を行う者に対する貸付金(これに準ずるものを含む。)で当該業務に係るものの利子(債券の買戻又は売戻条件付売買取引として政令で定めるものから生ずる差益として政令で定めるものを含む。)
- 八 国外において業務を行う者から受ける次に掲げる使用料又は対価で当該業務に係るもの
- イ 工業所有権その他の技術に関する権利、特別の技術による生産方式若しくはこれらに準ずるものの使用料又はその譲渡による対価
- ロ 著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。)の使用料又はその譲渡による対価
- 九 国外において行う事業の広告宣伝のための賞金として政令で定めるもの
- 十 国外にある営業所又は国外において契約の締結の代理をする者を通じて締結した保険業法第2条第6項(定義)に規定する外国保険業者の締結する保険契約その他の年金に係る契約で政令で定めるものに基づいて受ける年金(年金の支払の開始の日以後に当該年金に係る契約に基づき分配を受ける剰余金又は割戻しを受ける割戻金及び当該契約に基づき年金に代えて支給される一時金を含む。)
- 十一 次に掲げる給付補填金、利息、利益又は差益
- イ 所得税法第174条第3号(内国法人に係る所得税の課税標準)に掲げる給付補填金のうち国外にある営業所が受け入れた定期積金に係るもの
- ロ 所得税法第174条第4号に掲げる給付補填金に相当するもののうち国外にある営業所が受け入れた同号に規定する掛金に相当するものに係るもの
- ハ 所得税法第174条第5号に掲げる利息に相当するもののうち国外にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に相当するものに係るもの
- ニ 所得税法第174条第6号に掲げる利益のうち国外にある営業所を通じて締結された同号に規定する契約に係るもの
- ホ 所得税法第174条第7号に掲げる差益のうち国外にある営業所が受け入れた預貯金に係るもの
- ヘ 所得税法第174条第8号に掲げる差益に相当するもののうち国外にある営業所又は国外において契約の締結の代理をする者を通じて締結された同号に規定する契約に相当するものに係るもの
- 十二 国外において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づいて受ける利益の分配
- 十三 前各号に掲げるもののほかその源泉が国外にある所得として政令で定めるもの
5 租税条約(第2条第12号の19ただし書に規定する条約をいう。以下この項において同じ。)において国外源泉所得(第1項に規定する国外源泉所得をいう。以下この項において同じ。)につき前項の規定と異なる定めがある場合には、その租税条約の適用を受ける外国法人については、同項の規定にかかわらず、国外源泉所得は、その異なる定めがある限りにおいて、その租税条約に定めるところによる。
6 所得税法第69条第9項及び第10項の規定は、外国法人が他の外国法人を被合併法人、分割法人又は現物出資法人(第8項において「被合併法人等」という。)とする適格合併、適格分割又は適格現物出資(第8項において「適格合併等」という。)により当該他の外国法人の恒久的施設に係る事業の全部又は一部の移転を受けた場合について準用する。この場合において、同条第9項中「第2項及び第3項」とあるのは「第144条の2第2項及び第3項(外国法人に係る外国税額の控除)」と、「前3年内事業年度の控除限度額」とあるのは「同条第2項に規定する前3年内事業年度(以下この項及び次項において「前3年内事業年度」という。)の同条第1項に規定する控除限度額(以下この項及び次項において「控除限度額」という。)」と、「控除対象外国法人税の額と」とあるのは「同条第1項に規定する控除対象外国法人税の額(以下この項及び次項において「控除対象外国法人税の額」という。)と」と、同条第10項中「前項」とあるのは「第144条の2第6項において準用する前項」と読み替えるものとする。
7 所得税法第69条第11項の規定は、適格分割又は適格現物出資に係る分割承継法人又は被現物出資法人である外国法人が前項において準用する同条第9項の規定の適用を受ける場合について準用する。この場合において、同条第11項中「第2項及び第3項」とあるのは「第144条の2第2項及び第3項(外国法人に係る外国税額の控除)」と、「控除限度額及び控除対象外国法人税の額」とあるのは「同条第1項に規定する控除限度額(以下この項において「控除限度額」という。)及び同条第1項に規定する控除対象外国法人税の額(以下この項において「控除対象外国法人税の額」という。)」と、「、第9項」とあるのは「、同条第6項において準用する第9項」と、「の前3年内事業年度」とあるのは「の同条第2項に規定する前3年内事業年度(以下この項において「前3年内事業年度」という。)」と、「同項」とあるのは「同条第6項において準用する第9項」と読み替えるものとする。
8 外国法人が納付することとなつた外国法人税の額につき第1項から第3項までの規定の適用を受けた事業年度(以下この項において「適用事業年度」という。)開始の日後7年以内に開始する当該外国法人の各事業年度において当該外国法人税の額が減額された場合(当該外国法人が適格合併等により被合併法人等である他の外国法人の恒久的施設に係る事業の全部又は一部の移転を受けた場合にあつては、当該被合併法人等が納付することとなつた外国法人税の額のうち当該外国法人が移転を受けた当該事業に係る所得に基因して納付することとなつた外国法人税の額に係る当該被合併法人等の適用事業年度開始の日後7年以内に開始する当該外国法人の各事業年度において当該外国法人税の額が減額された場合を含む。)における第1項から第3項までの規定の適用については、政令で定めるところによる。
9 第1項から第5項までの規定、第6項において準用する所得税法第69条第9項及び第10項の規定並びに第7項において準用する同条第11項の規定並びに前項の規定は、外国法人である人格のない社団等が収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずる所得について納付する控除対象外国法人税の額については、適用しない。
10 所得税法第69条第25項、第26項及び第28項の規定は、外国法人が納付することとなる控除対象外国法人税の額につき、第1項から第3項までの規定による控除をする場合について準用する。この場合において、同条第25項中「第1項の規定は」とあるのは「第144条の2第1項(外国法人に係る外国税額の控除)の規定は」と、「第1項の規定に」とあるのは「同条第1項の規定に」と、「控除対象外国法人税の額の」とあるのは「同項に規定する控除対象外国法人税の額(以下この項及び次項において「控除対象外国法人税の額」という。)の」と、同条第26項中「第2項及び第3項」とあるのは「第144条の2第2項及び第3項」と、「、繰越控除限度額又は繰越控除対象外国法人税額」とあるのは「、同条第2項に規定する繰越控除限度額(以下この項において「繰越控除限度額」という。)又は同条第3項に規定する繰越控除対象外国法人税額(以下この項において「繰越控除対象外国法人税額」という。)」と、「に当該各事業年度の控除限度額」とあるのは「に当該各事業年度の控除限度額(同条第1項に規定する控除限度額をいう。以下この項において同じ。)」と、同条第28項中「、第1項」とあるのは「、第144条の2第1項」と、「まで又は第18項」とあるのは「まで」と、「つき第1項」とあるのは「つき同条第1項」と読み替えるものとする。
11 前3項に定めるもののほか、第1項から第6項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
恒久的施設を有する外国法人が各事業年度において外国法人税(所得税法第69条第1項(外国税額の控除)に規定する外国法人税をいう。以下この項及び第8項において同じ。)を納付することとなる場合には、当該事業年度の第141条第1号イ(課税標準)に掲げる国内源泉所得(以下第3項まで及び次条第1項において「恒久的施設帰属所得」という。)に係る所得の金額につき所得税法第143条第1項又は第2項(外国法人に係る各事業年度の所得に対する法人税の税率)の規定を適用して計算した金額のうち当該事業年度の国外所得金額(恒久的施設帰属所得に係る所得の金額のうち国外源泉所得に係るものとして政令で定める金額をいう。)に対応するものとして政令で定めるところにより計算した金額(以下この条において「控除限度額」という。)を限度として、その外国法人税の額(第138条第1項第1号(国内源泉所得)に掲げる国内源泉所得につき課される外国法人税の額に限るものとし、その所得に対する負担が高率な部分として政令で定める外国法人税の額、外国法人の通常行われる取引と認められないものとして政令で定める取引に基因して生じた所得に対して課される外国法人税の額その他政令で定める外国法人税の額を除く。以下この条において「控除対象外国法人税の額」という。)を当該事業年度の恒久的施設帰属所得に係る所得に対する法人税の額から控除する。
2 恒久的施設を有する外国法人が各事業年度において納付することとなる控除対象外国法人税の額が当該事業年度の控除限度額、地方法人税控除限度額として政令で定める金額及び地方税控除限度額として政令で定める金額の合計額を超える場合において、前3年内事業年度(当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度をいう。以下この条において同じ。)の控除限度額のうち当該事業年度に繰り越される部分として政令で定める金額(以下この項において「繰越控除限度額」という。)があるときは、政令で定めるところにより、その繰越控除限度額を限度として、その超える部分の金額を当該事業年度の恒久的施設帰属所得に係る所得に対する法人税の額から控除する。
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