更新日:2022年9月2日

法人税法 第80条 欠損金の繰戻しによる還付

内国法人の青色申告書である確定申告書を提出する事業年度において生じた欠損金額がある場合第4項の規定に該当する場合を除く。には、その内国法人は、当該確定申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、当該欠損金額に係る事業年度以下この項及び第3項において「欠損事業年度」という。開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度の所得に対する法人税の額附帯税の額を除くものとし、第68条所得税額の控除第69条第1項から第3項まで若しくは第18項外国税額の控除又は第70条仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除の規定により控除された金額がある場合には当該金額を加算した金額とし、第69条第19項の規定により加算された金額がある場合には当該金額を控除した金額とする。以下この条において同じ。に、当該いずれかの事業年度以下この条において「還付所得事業年度」という。の所得の金額のうちに占める欠損事業年度の欠損金額第5項において準用するこの項の規定により当該還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするもの及びこの条の規定により他の還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするものを除く。第4項において同じ。に相当する金額の割合を乗じて計算した金額に相当する法人税の還付を請求することができる。

2 前項の場合において、既に当該還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、その額からその適用により還付された金額を控除した金額をもつて当該法人税の額とみなし、かつ、当該還付所得事業年度の所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額をもつて当該還付所得事業年度の所得の金額とみなして、同項の規定を適用する。

3 第1項の規定は、同項の内国法人が還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合であつて、欠損事業年度の青色申告書である確定申告書期限後申告書を除く。をその提出期限までに提出した場合税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合には、欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限後に提出した場合を含む。に限り、適用する。

4 第1項及び第2項の規定は、内国法人につき解散適格合併による解散を除くものとし、当該内国法人が通算子法人である場合には破産手続開始の決定による解散に限る。、事業の全部の譲渡当該内国法人が通算法人である場合における事業の全部の譲渡を除く。、更生手続の開始その他これらに準ずる事実で政令で定めるものが生じた場合において、当該事実が生じた日前1年以内に終了したいずれかの事業年度又は同日の属する事業年度において生じた欠損金額第57条第1項欠損金の繰越しの規定により各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されたもの及び同条第4項又は第5項の規定によりないものとされたものを除く。があるときについて準用する。この場合において、第1項中「確定申告書の提出と同時に」とあるのは「事実が生じた日以後1年以内に」と、「請求することができる。」とあるのは「請求することができる。ただし、還付所得事業年度から欠損事業年度までの各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出している場合に限る。」と読み替えるものとする。

〔法基通17-2-3〕

〔施令〕156

5 第1項から第3項までの規定は、災害震災、風水害、火災その他政令で定める災害をいう。以下この項において同じ。により、内国法人の当該災害のあつた日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度又は当該災害のあつた日から同日以後6月を経過する日までの間に終了する中間期間第72条第1項仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等に規定する期間当該内国法人が通算子法人である場合には、同条第5項第1号に規定する期間に係る同条第1項各号に掲げる事項を記載した中間申告書以下この条において「仮決算の中間申告書」という。を提出する場合における当該期間をいう。以下この条において同じ。において生じた災害損失欠損金額事業年度又は中間期間において生じた第74条第1項第1号確定申告又は第72条第1項第1号に掲げる欠損金額のうち、災害により棚卸資産、固定資産又は政令で定める繰延資産について生じた損失の額で政令で定めるもの仮決算の中間申告書の提出により既に還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額がある場合には、当該金額を控除した金額に達するまでの金額をいう。第8項及び第13項において同じ。がある場合について準用する。この場合において、第1項中「当該確定申告書」とあるのは「当該各事業年度に係る確定申告書又は当該中間期間(第5項に規定する中間期間をいう。以下この項及び第3項において同じ。)に係る仮決算の中間申告書(第5項に規定する仮決算の中間申告書をいう。以下この項及び第3項において同じ。)」と、「欠損金額に係る事業年度」とあるのは「災害損失欠損金額(第5項に規定する災害損失欠損金額をいう。以下この項及び第3項において同じ。)に係る事業年度又は中間期間」と、「前1年」とあるのは「前1年(当該欠損事業年度に係る確定申告書又は仮決算の中間申告書が青色申告書である場合には、前2年)」と、「欠損金額(第5項において準用するこの項の規定により当該還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするもの及び」とあるのは「災害損失欠損金額(」と、第3項中「連続して青色申告書である」とあるのは「連続して」と、「青色申告書である確定申告書(期限後申告書を除く。)をその提出期限までに提出した場合(税務署長においてやむを得ない事情があると認める場合には、欠損事業年度の青色申告書である確定申告書をその提出期限後に提出した場合を含む。)」とあるのは「確定申告書を提出した場合(中間期間において生じた災害損失欠損金額について同項の規定の適用を受ける場合には、当該中間期間に係る仮決算の中間申告書を提出した場合)」と読み替えるものとする。

6 第64条の8通算法人の合併等があつた場合の欠損金の損金算入の規定の適用がある欠損金額については、第1項前2項において準用する場合を含む。の規定は、適用しない。

7 通算法人の第1項に規定する欠損事業年度当該通算法人に係る通算親法人の事業年度終了の日に終了するものに限る。以下この項において「欠損事業年度」という。に係る第1項第4項において準用する場合を含む。の規定の適用については、当該通算法人の第1項第4項において準用する場合を含む。に規定する欠損事業年度の欠損金額は、第1号に掲げる金額と第2号に掲げる金額に第3号に掲げる金額が同号及び第4号に掲げる金額の合計額のうちに占める割合を乗じて計算した金額との合計額この条第5項に係る部分を除く。の規定により他の還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするものを除く。とする。

  • 一 当該通算法人の欠損事業年度において生じた欠損金額のうち第64条の6損益通算の対象となる欠損金額の特例の規定によりないものとされる金額以下この条において「通算対象外欠損金額」という。から当該通算対象外欠損金額のうち第5項において準用する第1項の規定により還付を受ける金額の計算の基礎とするものを控除した金額
  • 二 当該通算法人の欠損事業年度及び当該欠損事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人同日の属する当該通算法人の事業年度の第74条第1項の規定による申告書の提出期限までに当該申告書を提出したものに限る。第4号において同じ。の同日に終了する事業年度において生じた欠損金額が通算対象外欠損金額を超える場合のその超える部分の金額から当該金額のうち第5項において準用する第1項の規定により還付を受ける金額の計算の基礎とするものを控除した金額の合計額
  • 三 当該通算法人の欠損事業年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度第64条の9第1項通算承認の規定による承認の効力が生じた日前に終了した事業年度を除く。以下この号及び次号において同じ。の所得の金額既に当該各事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、当該所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額の合計額から第1号に掲げる金額を控除した金額
  • 四 当該通算法人の欠損事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人の前1年内所得合計額同日に終了する事業年度以下この号において「他の事業年度」という。開始の日前1年以内に開始した各事業年度の所得の金額既に当該各事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、当該所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額の合計額から当該他の事業年度において生じた通算対象外欠損金額第5項において準用する第1項の規定により還付を受ける金額の計算の基礎とするものを除く。を控除した金額をいう。を合計した金額

8 通算法人の第5項において準用する第1項に規定する欠損事業年度当該通算法人に係る通算親法人の事業年度又は中間期間終了の日に終了するものに限る。以下この項において「欠損事業年度」という。に係る第5項において準用する第1項の規定の適用については、当該通算法人の第5項において準用する第1項に規定する欠損事業年度の災害損失欠損金額は、第1号に掲げる金額と第2号に掲げる金額に第3号に掲げる金額が同号及び第4号に掲げる金額の合計額のうちに占める割合を乗じて計算した金額との合計額この条の規定により他の還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするものを除く。とする。

  • 一 当該通算法人の欠損事業年度において生じた災害損失欠損金額のうち通算対象外欠損金額に達するまでの金額
  • 二 当該通算法人の欠損事業年度及び当該欠損事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人同日の属する当該通算法人の事業年度又は中間期間の第74条第1項の規定による申告書又は仮決算の中間申告書の提出期限までにこれらの申告書を提出したものに限る。第4号において同じ。の同日に終了する事業年度又は中間期間において生じた災害損失欠損金額が通算対象外欠損金額を超える場合のその超える部分の金額の合計額
  • 三 当該通算法人の欠損事業年度開始の日前2年以内に開始した各事業年度第64条の9第1項の規定による承認の効力が生じた日前に終了した事業年度を除く。以下この号及び次号において同じ。の所得の金額既に当該各事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、当該所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額の合計額から第1号に掲げる金額を控除した金額
  • 四 当該通算法人の欠損事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人の前2年内所得合計額同日に終了する事業年度以下この号において「他の事業年度」という。開始の日前2年以内に開始した各事業年度の所得の金額既に当該各事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、当該所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額の合計額から当該他の事業年度において生じた災害損失欠損金額のうち通算対象外欠損金額に達するまでの金額を控除した金額をいう。を合計した金額

9 第1項第4項及び第5項において準用する場合を含む。の規定による還付の請求をしようとする内国法人は、その還付を受けようとする法人税の額、その計算の基礎その他財務省令で定める事項を記載した還付請求書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

〔施規〕38

10 税務署長は、前項の還付請求書の提出があつた場合には、その請求の基礎となつた欠損金額その他必要な事項について調査し、その調査したところにより、その請求をした内国法人に対し、その請求に係る金額を限度として法人税を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する。

11 前項の規定による還付金について還付加算金を計算する場合には、その計算の基礎となる国税通則法第58条第1項還付加算金の期間は、第1項第4項及び第5項において準用する場合を含む。の規定による還付の請求がされた日第1項第5項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。の規定による還付の請求がされた日が第1項の確定申告書期限後申告書を除く。又は仮決算の中間申告書の提出期限前である場合には、その提出期限の翌日以後3月を経過した日からその還付のための支払決定をする日又はその還付金につき充当をする日同日前に充当をするのに適することとなつた日がある場合には、その適することとなつた日までの期間とする。

12 通算法人の各事業年度において生じた欠損金額以下この項において「発生欠損金額」という。又は他の通算法人の当該各事業年度終了の日に終了する事業年度において生じた欠損金額について第7項の規定を適用して第1項第4項において準用する場合を含む。の規定により還付の請求をした場合には、第57条第1項及び第8項並びに第64条の7第1項欠損金の通算の規定の適用については、発生欠損金額のうち、この条第5項に係る部分を除く。以下この項において同じ。の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額は、次に掲げる金額の合計額とする。

  • 一 この条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額当該金額が発生欠損金額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額のうち通算対象外欠損金額次項第1号に掲げる金額を除く。に達するまでの金額
  • 二 発生欠損金額が通算対象外欠損金額を超える場合のその超える部分の金額次項第2号に掲げる金額を除く。にイに掲げる金額がロに掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額
    • イ 当該通算法人及び当該各事業年度終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人の第7項の規定により同日に終了する事業年度において生じた欠損金額とされた金額のうちこの条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額から当該事業年度の通算対象外欠損金額第5項において準用する第1項の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。を控除した金額の合計額
    • ロ 第7項第2号に掲げる金額

13 通算法人の各事業年度若しくは中間期間において生じた災害損失欠損金額以下この項において「発生災害損失欠損金額」という。又は他の通算法人の当該各事業年度若しくは中間期間終了の日に終了する事業年度若しくは中間期間において生じた災害損失欠損金額について第8項の規定を適用して第5項において準用する第1項の規定により還付の請求をした場合には、第57条第1項及び第8項、第64条の7第1項並びにこの条第7項各号列記以外の部分、第8項各号列記以外の部分及びこの項を除く。の規定の適用については、発生災害損失欠損金額のうち、この条第5項に係る部分に限る。以下この項において同じ。の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額還付を受ける金額の計算の基礎とするものを含む。以下この項において同じ。は、次に掲げる金額の合計額とする。

  • 一 この条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額当該金額が発生災害損失欠損金額を超える場合には、その超える部分の金額を控除した金額のうち通算対象外欠損金額に達するまでの金額
  • 二 発生災害損失欠損金額が通算対象外欠損金額を超える場合のその超える部分の金額にイに掲げる金額がロに掲げる金額のうちに占める割合を乗じて計算した金額
    • イ 当該通算法人及び当該各事業年度又は中間期間終了の日において当該通算法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人の第8項の規定により同日に終了する事業年度又は中間期間において生じた災害損失欠損金額とされた金額のうちこの条の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつた金額から当該事業年度又は中間期間において生じた災害損失欠損金額のうち通算対象外欠損金額に達するまでの金額を控除した金額の合計額
    • ロ 第8項第2号に掲げる金額

内国法人の青色申告書である確定申告書を提出する事業年度において生じた欠損金額がある場合第4項の規定に該当する場合を除く。には、その内国法人は、当該確定申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、当該欠損金額に係る事業年度以下この項及び第3項において「欠損事業年度」という。開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度の所得に対する法人税の額附帯税の額を除くものとし、第68条所得税額の控除第69条第1項から第3項まで若しくは第18項外国税額の控除又は第70条仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除の規定により控除された金額がある場合には当該金額を加算した金額とし、第69条第19項の規定により加算された金額がある場合には当該金額を控除した金額とする。以下この条において同じ。に、当該いずれかの事業年度以下この条において「還付所得事業年度」という。の所得の金額のうちに占める欠損事業年度の欠損金額第5項において準用するこの項の規定により当該還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするもの及びこの条の規定により他の還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につき還付を受ける金額の計算の基礎とするものを除く。第4項において同じ。に相当する金額の割合を乗じて計算した金額に相当する法人税の還付を請求することができる。

2 前項の場合において、既に当該還付所得事業年度の所得に対する法人税の額につきこの条の規定の適用があつたときは、その額からその適用により還付された金額を控除した金額をもつて当該法人税の額とみなし、かつ、当該還付所得事業年度の所得の金額に相当する金額からその適用に係る欠損金額を控除した金額をもつて当該還付所得事業年度の所得の金額とみなして、同項の規定を適用する。

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