更新日:2022年9月2日

法人税基本通達 2-3-39 みなし決済損益額

法人が、デリバティブ取引について法第61条の5第1項《デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等》の規定を適用する場合において、事業年度終了の時において決済したものとみなしたところにより算出する利益の額又は損失の額に相当する金額以下2-3-39において「みなし決済損益額」という。は、規則第27条の7第3項各号《みなし決済損益額》に規定する金額となるのであるが、当該みなし決済損益額の算出に当たり、法人が、次に掲げる取引の区分に応じ、それぞれ次によっている場合には、これを認める。この場合、当該みなし決済損益額は、法人が各事業年度において同一の方法により入手又は算出する金額によるものとし、その入手価額は、通常の方法により入手可能なもので差し支えないものとする。

  • (1) 取引所に上場されているデリバティブ取引 当該取引が上場されている取引所において公表された事業年度終了の日の最終の取引成立価格公表された同日における当該価格がない場合には、公表された同日における最終の気配値とし、公表された同日における当該価格及び当該気配値のいずれもない場合には、最終の取引成立価格又は最終の気配値が公表された日で当該事業年度終了の日に最も近い日におけるその最終の取引成立価格又は最終の気配値を基礎とした合理的な方法により計算した金額とする。に基づき算出した金額をみなし決済損益額とする。ただし、法人が、取引所の公表する清算価格値洗いのために授受をする金銭の額の計算の基礎として用いられる金額をいう。に基づき算出した金額を継続してみなし決済損益額としているときは、これを認める。
  • (2) 取引システムの気配値があるデリバティブ取引 イ又はロの区分に応じ、それぞれイ又はロによる。
    • イ 当該デリバティブ取引について、インターバンク市場、ディーラー間市場、電子売買取引市場その他当該法人が随時決済又は換金ができる取引システムの気配値がある場合 当該システムの気配値に基づき算出した金額をみなし決済損益額とする。
    • ロ 当該デリバティブ取引に類似するデリバティブ取引について、インターバンク市場、ディーラー間市場、電子売買取引市場その他当該法人が随時決済又は換金ができる取引システムの気配値がある場合 当該気配値に契約上の差異等を合理的に調整して算出した金額をみなし決済損益額とする。

      (注)1 「取引所に上場されているデリバティブ取引」又は「取引システムの気配値があるデリバティブ取引」のみなし決済損益額の算出において気配値を使用する場合には、当該気配値は、事業年度終了の日における最終の売り気配と買い気配の仲値とする。ただし、当該売り気配又は買い気配のいずれか一方のみが公表されている場合には、当該公表されている最終の売り気配又は買い気配とする。

      2 当該売り気配と買い気配の間の適切な価格を用いることとする旨及びその内容を予め定め、会計処理方針その他のものにより明らかにしている場合で、(注)1に定める方法に代えて当該予め定められた内容により決定される価格を継続して「最終の気配相場の価格」としているときは、これを認める。

      3 みなし決済損益額の算出に当たっては、委託手数料その他取引に付随して発生する費用は加味しないことに留意する。

      4 みなし決済損益額の算出に当たっては、本文の取扱いのほか、2-3-32《合理的な方法による価額の計算》及び2-3-33《第三者から入手した価格》の取扱いを準用する。

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