更新日:2022年9月2日

法人税個別通達 R1-1 土地信託に関する所得税、法人税並びに相続税及び贈与税の取扱いについて(昭61直法2-6)【廃止 H19.9.30】

(注)課審1-16、課個2-17、課資1-17、課法2-9、課消1-20、徴管5-7により、信託法(平成18年法律第108号)の施行の日(平成19年9月30日)をもって廃止。

昭61直法2-6

標題のことについては、別紙のとおり定め、昭和61年分以後の所得税、昭和61年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税又は昭和61年1月1日以後に相続、遺贈若しくは贈与により取得した財産に係る相続税若しくは贈与税について適用することとしたから、これによられたい。

  • (趣旨)

    土地信託については、いわゆる民間活力の活用等の見地から、その対象を一定範囲のものに限定した上で、信託財産の異動及び受益権の譲渡等があった場合には、受益者が信託財産を所有しているものとして譲渡所得に関する課税の特例等の適用をすることが昭和61年度税制改正の要綱で明らかにされたところから、土地信託に対する所得税、法人税並びに相続税及び贈与税に関する現行税制の適用関係の明確化を図る必要が生じた。

    この取扱通達は、このような事情の下で、上記要綱に従い現在商品化されている土地信託を対象として当面の課税の取扱いを定めたものであるが、土地信託に関する個々の具体的事案の処理に当たっては、この取扱通達と関係する法令及び既往の基本通達等との関係をも勘案する必要があるので、留意されたい。


省略用語例

この通達において使用した次の省略用語は、それぞれ次に掲げる法令等を示すものである。

措置法……租税特別措置法昭和32年法律第26号
措置法令……租税特別措置法施行令昭和32年政令第43号
措置法規則……租税特別措置法施行規則昭和32年大蔵省令第15号
措置法通達……昭和55年12月26日付直所3-20ほか1課共同「租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて」通達、昭和46年8月26日付直資4-5ほか2課共同「租税特別措置法山林所得・譲渡所得関係の取扱いについて」通達別冊又は昭和50年2月14日付直法2-2「租税特別措置法関係通達法人税編の制定について」通達別冊

別紙

第1 共通

  • (用語の意義)

    1-1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次のとおりとする。

    • (1) 土地信託 信託のうち次に掲げる要件のすべてを満たすものをいう。

      • イ 土地若しくは土地の上に存する権利以下「土地等」という。又は土地等及びその上にある建物その他の不動産を信託財産とし、その管理、運用又は処分を主たる目的とする信託であること。

        したがって、金銭のみを信託財産として設定する信託は、たとえ土地等の保有をその主たる目的とするものであってもこれに該当しないが、土地等の信託と建物等の建築のための金銭の信託とを併用するいわゆる包括信託は、これに該当するのであるから留意する。

      • ロ 委託者を受益者とする信託であること。

      • ハ 信託の利益を受ける権利が、次のいずれかに該当する場合を除き、その信託期間を通じて分割されないものであること。

        • (イ) 2以上の者が共同して一の信託を設定するため、信託の設定時においてその委託者の数に相当する口数の範囲で当該信託の利益を受ける権利の分割が行われる場合

        • (ロ) 信託期間中に信託の受益者について相続の開始があったことにより、当該受益者の相続人包括受遺者を含む。の数に相当する口数の範囲で当該受益者の有していた信託の利益を受ける権利の分割が行われる場合

      • ニ 信託の利益を受ける権利の内容が、信託財産の収益を享受する権利と信託財産の元本を享受する権利とに区分されることのないものであること。

      • ホ 受託者を信託業務を営む銀行とする信託であること。

    • (2) 信託財産 土地信託の信託財産又は当該信託財産に帰属する財産債務をいう。

    • (3) 信託財産の構成物 土地信託の信託財産に属する個々の資産をいう。

    • (4) 信託受益権 土地信託の信託の利益を受ける権利をいう。

    • (5) 委託者、受託者、受益者 それぞれ土地信託契約上の委託者、受託者及び受益者をいう。

  • (取扱いの原則)

    1-2 土地信託の信託財産の取得、運用若しくは譲渡又は信託受益権の取得若しくは譲渡については、信託財産に帰属する財産債務はその信託の受益者が自ら有するものとし、信託受益権はその目的となっている信託財産に帰属している財産債務そのものを直接有する権利であるものとして、所得税、法人税、相続税又は贈与税に関する法令の規定を適用する。

  • 1-3 前項の場合において、受益者の有する信託受益権が割合をもって表示されているものであるときは、その受益者が各自の有する信託受益権の割合に応じて当該信託受益権の目的となっている信託財産に帰属する各財産債務を有しているものとする。

  • 1-4 信託財産である建物が、その構造上区分された数個の部分を独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるもの以下「区分建物」という。である場合において、その各部分の全部又は一部が2以上の受益者の有する信託受益権の目的となっているときは、その2以上の受益者の有する信託受益権の目的となっている部分以下「受益者共有独立部分」という。については、受益者共有独立部分ごとに、当該受益者共有独立部分につき信託受益権を有する各受益者が、各自の有する信託受益権の割合に応じて有しているものとする。

第3 法人税に関する取扱い

一 法人税法関係

  • (信託による資産の移転等)

    3-1 土地信託においては、信託の設定による委託者から受託者への信託財産の移転又は信託の終了に伴う受託者から受益者への信託財産の移転は、法人税に関する法令の規定の適用上、資産の譲渡又は資産の取得には該当しないことに留意する。

  • (信託受益権の譲渡等)

    3-2 信託受益権の譲渡が行われた場合には、その信託受益権の目的となっている信託財産の構成物の全部譲渡された信託受益権が割合をもって表示されているものであるときは、当該各構成物のうちその割合に相当する部分が一括して譲渡されたものとして取り扱う。

    信託受益権の取得があった場合も、これに準ずる。

    • (注) 信託財産に帰属している債務があるときは、その信託受益権の譲渡又は取得に伴って当該債務も承継されたことになる。

  • (借地権の設定等)

    3-3 信託財産である土地等を他人に使用させる行為が法人税法施行令昭和40年政令第97号第137条《土地の使用に伴う対価についての所得の計算》又は第138条第1項《借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入》に規定する場合に該当することとなるときは、これらの規定の適用があることに留意する。

  • (共同ビルの建築の場合)

    3-4 一団の土地の区域内に土地等を有する2以上の者が、その一団の土地の上に1棟の建物を共同で建築して区分所有し、又は共有する目的で、それぞれの有する土地等につき土地信託の設定をした場合において、その信託の目的に従って建物の建築が行われたときは、法人税法施行令第137条又は第138条第1項の規定の適用については、法人税基本通達昭和44年5月1日付直審(法)25「法人税基本通達の制定について」通達別冊13-1-6に定めるところによる。

  • (法律の規定に基づかない区画整理等があった場合)

    3-5 信託財産である土地等が法人税基本通達2-1-20又は2-1-21に該当することとなった場合には、これらの取扱いに定めるところによる。

  • (賃貸借契約に基づく使用料等の帰属の時期)

    3-6 法人の有する信託受益権の目的となっている信託財産以下「法人の信託財産」という。に帰せられる収入で賃貸借契約に基づく使用料等に該当するものの収益の帰属の時期については、法人税基本通達2-1-29又は2-1-35に定めるところによる。

  • (信託財産の譲渡による収益の帰属の時期)

    3-7 法人の有する信託受益権の目的となっている信託財産の構成物以下「法人の有する信託財産の構成物」という。の譲渡による収益の帰属の時期については、法人税基本通達2-1-1又は2-1-14に定めるところによる。

  • (信託財産に係る費用の損金算入の時期)

    3-8 法人の信託財産に帰せられる支出で各事業年度の販売費、一般管理費その他の費用に該当するものの損金算入の時期については、法人税基本通達2-2-12から2-2-15までに定めるところによる。

  • (信託財産に課される租税公課の損金算入の時期)

    3-9 法人の有する信託財産の構成物に係る固定資産税その他の租税公課の損金算入の時期については、法人税基本通達9-5-1に定めるところによる。

  • (信託財産の減価償却)

    3-10 法人の有する信託財産の構成物のうち減価償却資産については、その償却費として損金経理をした金額のうち法人税法昭和40年法律第34号第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》の規定に従って計算した金額を当該法人の各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する。

  • (信託財産の取得のために要した借入金の利子等)

    3-11 信託期間中に法人の信託財産に属することとなった資産固定資産に該当するものに限る。の取得のために借り入れた借入金の利子等については、法人税基本通達7-3-1の2又は7-3-2に定めるところによる。

  • (土地の造成又は改良等のための費用等)

    3-12 法人の信託財産である土地固定資産に該当するものに限る。につき造成又は改良等のために支出した費用その他の費用の取得価額への算入については、法人税基本通達7-3-3から7-3-11の5までに定めるところによる。

  • (資本的支出と修繕費の区分)

    3-13 法人の有する信託財産の構成物のうち固定資産に該当するものの修理、改良等のために支出した金額が資本的支出と修繕費のいずれに該当するかを判定する場合の基準等については、法人税基本通達7-8-1から7-8-9までに定めるところによる。

  • (信託財産等の低額譲渡)

    3-14 法人の有する信託財産の構成物の譲渡信託受益権の譲渡によるものを含む。があった場合において、当該譲渡が法人税法第37条第6項《寄附金とされる低額譲渡等》に規定する場合に該当することとなるときは、当該法人について、同項の規定を適用する。

  • (信託財産の交換があった場合における固定資産の交換の特例の適用)

    3-15 法人税法第50条《交換により取得した資産の圧縮額の損金算入》の規定は、受託者が法人の信託財産に属する固定資産を他の者の有する固定資産当該信託財産以外の信託財産に属するものを含む。と交換した場合において、その交換の内容及び当該交換により取得した資産の用途が同条第1項の規定に該当し、かつ、同条第2項に規定する場合に該当しないこととなるときについても適用することができるのであるが、この場合における同条の規定の適用については、次の諸点に留意する。

    • (1) 当該交換により譲渡した資産及び当該交換により取得した資産が、同条第1項に規定する、「1年以上有していた固定資産」であるかどうかについては、2-10又は法人税基本通達10-6-1の2に定めるところにより判定すること。

    • (2) 当該交換が同項第1号又は第2号に掲げる資産の交換に当たるかどうかの判定については、法人税基本通達10-6-2、10-6-3又は10-6-3の2に定めるところによること。

    • (3) 当該交換により取得した資産を当該交換により譲渡した資産の譲渡の直前の用途と同一の用途に供したかどうかの判定については、法人税基本通達10-6-6から10-6-8までに定めるところによること。

    • (4) 当該交換が同条第2項に規定する「いずれか多い価額の100分の20に相当する金額をこえる場合」に該当するかどうかの判定については、法人税基本通達10-6-4から10-6-5の2までに定めるところによること。

  • (信託受益権の交換があった場合)

    3-16 法人が信託受益権を交換により譲渡し、又は交換により取得した場合には、その交換の時において、その信託受益権の目的となっている信託財産の構成物を交換により譲渡し、又は交換により取得したものとして、法人税法第50条の規定の適用をすることができるかどうかの判定をするのであるが、この場合においては、次のことに留意する。

    • (1) 交換により譲渡した信託受益権に係る信託財産の構成物又は交換により取得した信託受益権に係る信託財産の構成物が、同条第1項に規定する「譲渡資産」又は「取得資産」に該当するかどうかは、これらの信託受益権に係る個々の構成物ごとに判定すること。

      • (注) 信託財産の各構成物又はその交換が法人税法第50条第1項に規定する「1年以上有していた固定資産」又は「交換」に当たるかどうかの判定については、3-15の(1)及び(2)参照。

    • (2) その他3-15の(3)及び(4)に相当する事項については、これらの定めに準じて判定すること。

  • (交換により取得した信託財産構成物の取得価額の計算)

    3-17 法人の信託財産に属する減価償却資産の取得信託受益権の取得によるものを含む。につき法人税法第50条第1項の規定の適用を受けた当該法人がその取得資産について行うべき同法第31条第1項《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》に規定する償却費の額の計算の基礎となる取得価額の計算については、法人税法施行令第54条第3項《交換等による取得資産の取得価額の計算》に定めるところによる。

  • (交換により取得した信託財産構成物の圧縮記帳の経理の特例)

    3-18 法人の信託財産に属する資産の取得信託受益権の取得によるものを含む。につき法人税法第50条第1項の規定を適用する場合には、法人税基本通達10-6-10に定めるところによることができる。

  • (延払基準の適用がある資産の譲渡)

    3-19 法人税法第63条第1項《延払条件付譲渡等に係る収益及び費用の帰属事業年度》に規定する「資産の延払条件付譲渡」には、法人の信託財産に属する資産の譲渡信託受益権の譲渡によるものを含む。で、同条第2項《延払条件付譲渡等の意義》の規定に該当するものが含まれる。

  • (公益法人等又は人格のない社団等が受益者である場合)

    3-20 公益法人等又は人格のない社団等が土地信託の受益者である場合において、当該土地信託について行う受託者の業務が法人税法第2条第13号《収益事業の意義》に規定する収益事業に該当するときは、当該受益者が収益事業を営むものとして取り扱う。

二 租税特別措置法関係

  • (新築貸家住宅の割増償却の適用)

    3-21 受託者が、法人の信託財産として措置法第47条第1項《新築貸家住宅の割増償却》に規定する貸家住宅を取得し、又は貸家住宅を新築して、これを貸家の用に供した場合には、当該法人の所得の金額の計算上損金の額に算入すべき当該貸家住宅の償却費の計算については、同項の規定を適用することができる。
     法人が、同項の規定の適用を受けている貸家住宅について土地信託の設定をした場合において、当該貸家住宅が当該設定後引き続き貸家の用に供されているときも同様とする。

  • (区分建物の判定)

    3-22 その家屋が措置法令第29条の3第2項各号《貸家住宅の範囲》のいずれに該当するかの判定をする場合において、判定の対象となる共同家屋同項第1号に規定する共同家屋をいう。が信託財産であるときは、その各独立部分同号に規定する各独立部分をいう。の全部又は一部を区分所有していることが区分所有登記又は信託契約書受益権証書を含む。において確認されない限り、その信託財産である共同家屋は同項第2号に規定する「その各独立部分を区分所有する者がない共同家屋」に該当するものとする。

  • (新築特定再開発建築物の割増償却の適用)

    3-23 受託者が、法人青色申告書を提出する法人に限る。の信託財産として措置法第47条第2項《特定再開発建築物の割増償却》に規定する特定再開発建築物で新築されたものを取得し、又は特定再開発建築物を新築して、これを当該法人が事業の用に供した場合には、当該法人の所得の金額の計算上損金の額に算入すべき当該特定再開発建築物の償却費の計算については、同項の規定を適用することができる。

  • (土地の譲渡等がある場合の特別税率の適用)

    3-24 措置法第63条第1項第1号《土地の譲渡等がある場合の特別税率》に規定する「土地等」には、法人の信託財産に属する土地等が含まれるのであるが、この場合における同条の規定の適用については、次の諸点に留意する。

    • (1) 同条第1項に規定する「土地の譲渡等」には、次に掲げる行為が含まれること。
      • イ 受託者が法人の信託財産に属する土地等に関して行う処分その他の行為で同項に規定する「土地の譲渡等」に該当するもの
      • ロ 法人の有する信託受益権の譲渡により譲渡されたこととなる当該法人の信託財産に属する土地等の譲渡のうち、同項に規定する「土地の譲渡等」に該当するもの
    • (2) 同条第3項《適用除外》の規定は、信託財産に属する土地等の譲渡で同項の要件を満たすものについても適用することができること。
    • (3) 信託財産に属する土地等につき同条第1項第1号に規定する譲渡信託受益権の譲渡によるものを含む。又は賃借権の設定等があった場合において、当該土地等が同項に規定する「短期所有土地等」に該当するものであるかどうかについては、当該譲渡又は賃借権の設定等の目的となった土地等ごとに判定すること。
    • (注) 信託財産に属する土地等の取得の日の判定については、措置法令第38条の4第25項《所有期間の判定》及び3-25参照。
  • (土地等の取得の日の判定)

    3-25 信託財産である土地等が法人税基本通達2-1-20又は2-1-21に該当することとなった場合には、これらの取扱いに定めるところによる。

    • (1) 信託財産に属する土地等の譲渡があった場合 その土地等が信託財産となった経緯等に応じて、それぞれ次による。
      • イ 譲渡された土地等のうち、信託の設定により受益者となった法人が有する信託受益権の目的となっているもの
        • (イ) その土地等が、信託の設定により委託者から受託者へ移転し、その受託者が引き続き有しているものである場合 委託者がその土地等の取得をした日とし、具体的には該当する土地等ごとに措置法通達63(1)-4から63(1)-6までに定めるところによる。
        • (ロ) その土地等が、信託期間中に信託財産に属することとなったものである場合 その土地等が信託財産に属することとなった日とし、具体的には該当する土地等ごとに措置法通達63(1)-4から63(1)-6までに準じて判定した日による。
      • ロ 譲渡された土地等のうち、他の者から信託受益権を取得することにより受益者となった法人が有する信託受益権の目的となっているもの
        • (イ) その土地等が、当該信託受益権の取得の日前から信託財産に属しているものである場合 その受益者が当該信託受益権を取得した日とする。
        • (ロ) その土地等が、当該信託受益権の取得の日以後において信託財産に属することとなったものである場合 その土地等が信託財産に属することとなった日とし、具体的には該当する土地等ごとに措置法通達63(1)-4から63(1)-6までに準じて判定した日による。
    • (2) 信託受益権の譲渡があった場合 信託受益権の譲渡により譲渡されたこととなる信託財産に属する土地等の所得の日については、信託受益権の所得の経緯に応じ、当該土地等について、それぞれ次による。
      • イ 譲渡した信託受益権が、その法人が信託の設定により取得したものである場合
        • (イ) 当該土地等のうち、信託の設定により委託者から受託者へ移転し、その受託者が引き続き有しているもの 委託者が当該土地等を取得した日とし、具体的には該当する土地等ごとに措置法通達63(1)-4から63(1)-6までに定めるところによる。
        • (ロ) 当該土地等のうち、信託期間中に信託財産に属することとなったもの その土地等が信託財産に属することとなった日とし、具体的には該当する土地等ごとに措置法通達63(1)-4から63(1)-6までに準じて判定した日による。
      • ロ 譲渡した信託受益権が、その法人が他の者から取得したものである場合
        • (イ) 当該土地等のうち、当該信託受益権の取得の日前から信託財産に属しているもの その法人が当該信託受益権の取得をした日とする。
        • (ロ) 当該土地等のうち、当該信託受益権の取得の日以後において信託財産に属することとなったもの 当該土地等が信託財産に属することとなった日とし、具体的には該当する土地等ごとに措置法通達63(1)-4から63(1)-6までに準じて判定した日による。
        • (注) 一の信託財産に係る受益者が2以上いる場合には、上記による取得の日の判定は、受益者ごとに判定する必要がある。
  • (証明書類の添付)

    3-26 信託財産に属する土地等の譲渡措置法第63条第1項第1号に規定する賃借権の設定等を含む。について同条第3項の規定の適用を受けようとする法人は、同項の規定により、措置法規則第22条第2項各号《土地の譲渡等がある場合の特別税率》に掲げる書類をその法人税申告書修正申告書を除く。に添付する必要があるのであるが、その添付に当たっては、これらの書類が当該法人の有する信託財産に属する土地等の譲渡に係るものである旨の受託者の証明を受けるものとする。

  • (収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例等の適用)

    3-27 措置法第64条第1項《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》に規定する「法人(清算中の法人を除く。以下この条、次条、第65条第3項及び第65条の2において同じ。)の有する資産」又は「代替資産」には、それぞれ、これらの資産に該当する法人の信託財産に属する資産又は信託代替資産同法第64条第1項に規定する代替資産に該当する資産で、法人の信託財産に属するものをいう。以下3-29までにおいて同じ。が含まれるのであるが、この場合における同項又は第64条の2第1項《収用等に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例》の規定の適用については、次の諸点に留意する。

    • (1) 信託代替資産の取得には、信託受益権の取得によるものが含まれること。
    • (2) 信託代替資産の取得が同法第64条第1項に規定する期日まで又は同法第64条の2第1項に規定する期間内にあったかどうかを判定する場合のその取得の日については、2-10に定めるところに準じて判定すること。
    • (3) 措置法令第39条第5項各号《やむを得ない事情により権利変換を希望しない旨の申出》に該当するかどうかは、自己の有する信託受益権の目的となっている信託財産の構成物を自ら事業の用に供している法人について判定すること。
    • (4) 信託財産に属する資産の措置法第64条第1項に規定する収用等による譲渡につき同項又は第64条の2第1項の規定の適用を受けようとする法人が、同法第64条第4項同法第64条の2第5項において準用する場合を含む。の規定により確定申告書等同法第2条第2項第11号に規定する確定申告書等をいう。以下同じ。に添付すべき書類については、3-26に準ずること。
  • (換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例の適用)

    3-28 措置法第65条第1項又は第3項《換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例》の規定は、法人の有する信託財産の構成物が同条第1項第1号、第4号又は第5号に掲げる場合に該当することとなった場合においても適用することができるのであるが、この場合における同条の規定の適用については、次の諸点に留意する。

    • (1) 同条第3項に規定する「法人の有する資産」には、法人の有する信託財産の構成物で棚卸資産に該当するものは含まれないのであるが、同条第1項に規定する「法人の有する資産」には、法人の有する信託財産の構成物で棚卸資産に該当するものが含まれること。
    • (2) 同項第1号に規定する「同種の資産」には、これに該当する資産で信託財産に属するものが含まれること。
    • (3) 信託財産に属する資産の同項に規定する換地処分等による譲渡につき同項又は第3項の規定の適用を受けようとする法人が、同条第4項において準用する同法第64条第4項同法第65条第3項又は第64条の2第5項において準用する場合を含む。の規定により確定申告書等に添付すべき書類については、3-26に準ずること。
  • (信託代替資産の取得価額の計算)

    3-29 信託代替資産の取得信託受益権の取得によるものを含む。につき措置法第64条第1項同法第64条の2第2項において準用する場合を含む。又は同法第65条第1項若しくは第3項の規定の適用を受けた法人が信託代替資産について行うべき法人税法第31条第1項《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》に規定する償却費の額の計算の基礎となる取得価額の計算については、措置法第64条第7項《収用等による代替資産の取得価額の計算》又は第65条第6項《換地処分等による資産の取得価額の計算》に定めるところによる。

    • (注) この場合における償却費の計算については、措置法第64条第6項同法第65条第6項において準用する場合を含む。の規定により、同法第47条の新築貸家住宅等の割増償却の特例を適用することはできない。
  • (収用換地等の場合の所得の特別控除の適用)

    3-30 措置法第65条の2《収用換地等の場合の所得の特別控除》の規定は、法人の有する信託財産の構成物棚卸資産に該当するものを除く。について同条第1項に規定する収用換地等による譲渡があった場合においても適用することができるのであるが、この場合における同条の規定の適用については、次の諸点に留意する。

    • (1) 同条第3項第1号に規定する「最初に当該申出のあった日」とは、その受託者が同号に規定する公共事業施行者から当該信託財産の構成物につき最初に買取り等の申出を受けた日をいうこと。
    • (2) 同項第2号に規定する「一の収用換地等に係る事業につき前2項に規定する資産の収用換地等による譲渡が2以上あった場合」に該当するかどうかは、当該法人について、当該法人の有する信託財産の構成物の譲渡とその他の資産の譲渡とを通じて判定すること。
    • (3) 当該収用換地等による譲渡の時における当該譲渡に係る信託財産の構成物の受益者が、当該構成物につき最初に買取り等の申出を受けた時における当該構成物の受益者以外の法人当該申出を受けた時における受益者が法人である場合には、当該法人の合併により当該構成物に係る信託受益権の取得をしたその合併法人を除く。である場合には、同項第3号の規定に該当することとなること。
    • (4) 信託財産の構成物の同条第1項に規定する収用換地等による譲渡につき同項の規定の適用を受けようとする法人が、同条第4項の規定により確定申告書等に添付すべき書類については、3-26に準ずること。
  • (特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除等の適用)

    3-31 措置法第65条の3《特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除》又は第65条の4《特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除》の規定は、法人の信託財産に属する土地等棚卸資産に該当するものを除く。が同法第65条の3第1項各号又は第65条の4第1項各号に掲げる場合に該当することとなった場合においても適用することができる。
     この場合において、信託財産に属する土地等の譲渡につきこれらの規定の適用を受けようとする法人が、同法第65条の3第2項同法第65条の4第2項において準用する場合を含む。の規定により確定申告書等に添付すべき書類については、3-26に準ずる。

  • (特定の資産の買換えの場合の課税の特例等の適用)

    3-32 措置法第65条の7第1項《特定の資産の買換えの場合の課税の特例》の表の上欄に規定する「譲渡資産」又は同表の下欄に規定する「買換資産」には、それぞれ、信託事業用資産法人の有する信託財産の構成物で、同表の各号の上欄に掲げる譲渡資産に該当するものをいう。以下3-34までにおいて同じ。又は信託買換資産同表の各号の下欄に掲げる買換資産に該当する資産で、法人の信託財産に属するものをいう。以下3-34までにおいて同じ。が含まれるのであるが、この場合における同条又は第65条の8《特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例》の規定の適用については、次の諸点に留意する。

    • (1) 信託事業用資産の譲渡又は信託買換資産の取得には、信託受益権の譲渡又は取得によるものが含まれること。
    • (2) 信託買換資産の取得が同法第65条の7第1項同法第65条の8第2項において準用する場合を含む。、同法第65条の7第3項又は第4項同法第65条の8第6項において準用する場合を含む。に規定する期間内にあったかどうかを判定する場合のその取得の日については、2-10に定めるところに準じて判定すること。
    • (3) 信託買換資産が事業の用に供されているかどうかについては、その信託買換資産の各受益者について、措置法通達65の7(2)-1に定めるところにより判定すること。
    • (注) 信託買換資産が事業の用に供された時期の判定については、措置法通達65の7(2)-2参照。
    • (4) 同法第65条の7第1項の表の第1号の下欄のロに規定する「建物、構築物又は機械及び装置」は、同号の下欄のイに掲げる土地等の取得に伴って取得されるものでなければならないのであるが、例えば当該土地等は法人が自ら取得し、当該土地等において事業の用に供する建物、構築物又は機械及び装置は当該法人の信託買換資産としてその受託者が取得するような場合であっても、当該建物、構築物又は機械及び装置が当該土地等の取得に伴って取得されたと認められるときは、これらの資産は同号の下欄のロに掲げる資産に該当すること。
       同表の第5号の下欄のロ及び第7号の下欄のロに掲げる資産土地等を除く。についても同様とする。
    • (5) 同項の表の第12号の上欄に規定する「特定民間再開発事業」に該当するかどうかの判定をする場合において、措置法令第39条の7第7項各号《既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物の建設のための買換えの場合の課税の特例》に掲げる要件を満たすかどうかの判定については、次によること。
      • イ 2以上の信託財産のそれぞれに属する土地信託事業用資産に該当するものに限る。の区域又は信託財産に属する土地及び信託の目的となっていない土地の区域を施行地区同項第1号に規定する施行地区をいう。以下この項において同じ。として一の特定民間再開発事業が施行される場合には、同号に規定する面積要件は、これらの土地の面積の合計により判定する。
      • ロ 措置法規則第22条の7第2項《既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物の建設のための買換えの場合の課税の特例》に規定する要件の判定については、次による。
        • (イ) 同項に規定する所有権者又は借地権者には、その特定民間再開発事業の施行地区内の土地の所有権又は借地権を信託受益権の目的とする受益者が含まれる。
        • (ロ) その特定民間再開発事業の施行地区内の土地借地権の設定がされている土地を除く。につき所有権を有する者又は当該施行地区内の土地につき借地権を有する者の数が2以上であるかどうかは、これらの土地又は借地権について信託の設定のあった時ではなく、その特定民間再開発事業の施行の直前における現況により判定する。
           この場合において、当該施行地区内のうちに一の受益者に係る信託財産に属する土地又は借地権と当該受益者の有する土地又は借地権で信託財産に属していないものとがあるときは、これらの土地又は借地権は一の者が有しているものとし、また、当該施行地区内にある区画された一の土地に係る所有権又は借地権が2以上の受益者の有する信託受益権の目的となっているときは、これらの所有権又は借地権は当該2以上の受益者により共有されているものとして、それぞれ同項に規定する施行地区内の土地につき所有権を有する者又は当該施行地区内の土地につき借地権を有する者の数が2以上であるかどうかを判定することに留意する。
        • (ハ) その特定民間再開発事業による中高層の耐火建築物の建築の後における施行地区内の土地に係る所有権又は借地権は、同項の規定により、その全部が同項に規定するこれらの者又はこれらの者及び当該中高層の耐火建築物を所有することとなる者により共有されることを要するのであるが、この要件の判定に当たっては、当該施行地区内の土地に係る所有権又は借地権のうちに一の受益者のみの信託受益権の目的となっている部分があるときは、当該施行地区内の土地はその全部が同項の要件を満たしていないものとして判定する。
    • (6) 信託財産である土地等、建物又は構築物が措置法第65条の7第1項の表の第15号に掲げる譲渡資産に該当するかどうかを判定する場合のその取得の日については、2-10に定めるところに準じて判定すること。
    • (7) 同条第2項に規定する「土地等」には、信託事業用資産である土地等又は信託買換資産である土地等が含まれること。
    • (注) 同項に規定する買換資産の面積制限に関する取扱いについては、措置法通達65の7(1)-33から65の7(1)-36の2までを参照。
    • (8) 次に掲げる土地の譲渡信託受益権の譲渡によるものを含む。があった場合において、当該譲渡が措置法通達65の7(1)-2に掲げる譲渡に該当するものであるときは、当該譲渡に係る同条の規定の適用については、措置法通達65の7(1)-2に定めるところによること。
      • イ 信託事業用資産である土地
      • ロ 法人の有する土地で、当該法人が措置法通達65の7(1)-2にいう区画形質の変更等を加えた後その譲渡をする目的で土地信託の設定をし、受託者に移転したもの
    • (9) 信託財産に属する2以上の資産の譲渡又は取得信託受益権の譲渡又は取得によるものを含む。が一括して行われたときは、その譲渡又は取得に係る資産を特例の対象となるものとそうでないものに区分した上で同条の規定を適用すること。
    • (10) 信託事業用資産の譲渡又は信託買換資産の取得につき同条第1項同法第65条の8第2項において準用する場合を含む。若しくは同法第65条の7第3項又は第65条の8第1項の規定の適用を受けようとする法人が、同法第65条の7第5項同法第65条の8第7項において準用する場合を含む。の規定により確定申告書等に添付すべき書類については、3-26に準ずること。
  • (信託買換資産の取得価額の計算)

    3-33 信託買換資産の取得につき措置法第65条の7第1項同法第65条の8第2項において準用する場合を含む。の規定の適用を受けた法人が当該信託買換資産について行うべき法人税法第31条第1項《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》に規定する償却費の額の計算の基礎となる取得価額の計算については、措置法第65条の7第8項《買換資産の取得価額の計算》に定めるところによる。

    • (注) この場合における償却費の計算については、措置法第65条の7第7項の規定により、同法第47条の新築貸家住宅等の割増償却の特例を適用することはできない。
  • (特定の資産を交換した場合の課税の特例の適用)

    3-34 措置法第65条の9《特定の資産を交換した場合の課税の特例》の規定は、信託事業用資産の交換による譲渡信託受益権の交換譲渡によるものを含む。又は信託買換資産の交換による取得信託受益権の交換取得によるものを含む。が同条の規定に該当することとなる場合においても適用することができる。

  • (特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例の適用)

    3-35 措置法第65条の10《特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例》の規定は、法人の信託財産に属する土地等で同条第1項に規定する土地等に該当するものが同項第2号に掲げる場合に該当することとなった場合において、その受託者が同号に規定するところにより当該法人の信託財産に属するものとして同号に掲げる土地等の取得をしたときについても適用することができる。
     この場合において、同条第1項の規定の適用を受けようとする法人が、同条第3項の規定において準用する同法第65条の7第5項の規定により確定申告書等に添付すべき書類については、3-26に準ずる。

  • (土地等の取得を証する登記簿の謄本等)

    3-36 法人の信託財産に属する土地等の取得について措置法第65条の10第1項の規定の適用を受けようとする法人が、同条第3項の規定により確定申告書等に添付すべき措置法規則第22条の8第2号《特定の交換分合により土地等を取得した場合の課税の特例》に掲げる登記簿の謄本又は抄本には、当該土地等に係る信託原簿の謄本又は抄本が含まれることに留意する。

  • (大規模な住宅地造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の課税の特例等の適用)

    3-37 措置法第65条の11《大規模な住宅地造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の課税の特例》又は第65条の12《大規模な住宅地造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例》の規定は、法人の信託財産に属する土地等が同法第65条の11第1項又は第65条の12第1項の規定に該当することとなった場合において、その受託者が当該法人の信託財産に属するものとして同法第65条の11第1項に掲げる宅地に該当する土地の取得同項に掲げる交換又は譲受けによる取得に限る。をしたときについても適用することができる。
     この場合において、同項又は第65条の12第1項の規定の適用を受けようとする法人が、同法第65条の11第4項又は第65条の12第7項において準用する同法第65条の7第5項の規定により確定申告書等に添付すべき書類については、3-26及び3-36に準ずる。

(注)課審1-16、課個2-17、課資1-17、課法2-9、課消1-20、徴管5-7により、信託法(平成18年法律第108号)の施行の日(平成19年9月30日)をもって廃止。

昭61直法2-6

標題のことについては、別紙のとおり定め、昭和61年分以後の所得税、昭和61年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税又は昭和61年1月1日以後に相続、遺贈若しくは贈与により取得した財産に係る相続税若しくは贈与税について適用することとしたから、これによられたい。

  • (趣旨)

    土地信託については、いわゆる民間活力の活用等の見地から、その対象を一定範囲のものに限定した上で、信託財産の異動及び受益権の譲渡等があった場合には、受益者が信託財産を所有しているものとして譲渡所得に関する課税の特例等の適用をすることが昭和61年度税制改正の要綱で明らかにされたところから、土地信託に対する所得税、法人税並びに相続税及び贈与税に関する現行税制の適用関係の明確化を図る必要が生じた。

    この取扱通達は、このような事情の下で、上記要綱に従い現在商品化されている土地信託を対象として当面の課税の取扱いを定めたものであるが、土地信託に関する個々の具体的事案の処理に当たっては、この取扱通達と関係する法令及び既往の基本通達等との関係をも勘案する必要があるので、留意されたい。


省略用語例

この通達において使用した次の省略用語は、それぞれ次に掲げる法令等を示すものである。

措置法…… 租税特別措置法昭和32年法律第26号
措置法令…… 租税特別措置法施行令昭和32年政令第43号
措置法規則…… 租税特別措置法施行規則昭和32年大蔵省令第15号
措置法通達…… 昭和55年12月26日付直所3-20ほか1課共同「租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて」通達、昭和46年8月26日付直資4-5ほか2課共同「租税特別措置法山林所得・譲渡所得関係の取扱いについて」通達別冊又は昭和50年2月14日付直法2-2「租税特別措置法関係通達法人税編の制定について」通達別冊

別紙

第1 共通

  • (用語の意義)

    1-1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次のとおりとする。

    • (1) 土地信託 信託のうち次に掲げる要件のすべてを満たすものをいう。

      • イ 土地若しくは土地の上に存する権利以下「土地等」という。又は土地等及びその上にある建物その他の不動産を信託財産とし、その管理、運用又は処分を主たる目的とする信託であること。

        したがって、金銭のみを信託財産として設定する信託は、たとえ土地等の保有をその主たる目的とするものであってもこれに該当しないが、土地等の信託と建物等の建築のための金銭の信託とを併用するいわゆる包括信託は、これに該当するのであるから留意する。

      • ロ 委託者を受益者とする信託であること。

      • ハ 信託の利益を受ける権利が、次のいずれかに該当する場合を除き、その信託期間を通じて分割されないものであること。

        • (イ) 2以上の者が共同して一の信託を設定するため、信託の設定時においてその委託者の数に相当する口数の範囲で当該信託の利益を受ける権利の分割が行われる場合

        • (ロ) 信託期間中に信託の受益者について相続の開始があったことにより、当該受益者の相続人包括受遺者を含む。の数に相当する口数の範囲で当該受益者の有していた信託の利益を受ける権利の分割が行われる場合

      • ニ 信託の利益を受ける権利の内容が、信託財産の収益を享受する権利と信託財産の元本を享受する権利とに区分されることのないものであること。

      • ホ 受託者を信託業務を営む銀行とする信託であること。

    • (2) 信託財産 土地信託の信託財産又は当該信託財産に帰属する財産債務をいう。

    • (3) 信託財産の構成物 土地信託の信託財産に属する個々の資産をいう。

    • (4) 信託受益権 土地信託の信託の利益を受ける権利をいう。

    • (5) 委託者、受託者、受益者 それぞれ土地信託契約上の委託者、受託者及び受益者をいう。

  • (取扱いの原則)

    1-2 土地信託の信託財産の取得、運用若しくは譲渡又は信託受益権の取得若しくは譲渡については、信託財産に帰属する財産債務はその信託の受益者が自ら有するものとし、信託受益権はその目的となっている信託財産に帰属している財産債務そのものを直接有する権利であるものとして、所得税、法人税、相続税又は贈与税に関する法令の規定を適用する。

  • 1-3 前項の場合において、受益者の有する信託受益権が割合をもって表示されているものであるときは、その受益者が各自の有する信託受益権の割合に応じて当該信託受益権の目的となっている信託財産に帰属する各財産債務を有しているものとする。

  • 1-4 信託財産である建物が、その構造上区分された数個の部分を独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるもの以下「区分建物」という。である場合において、その各部分の全部又は一部が2以上の受益者の有する信託受益権の目的となっているときは、その2以上の受益者の有する信託受益権の目的となっている部分以下「受益者共有独立部分」という。については、受益者共有独立部分ごとに、当該受益者共有独立部分につき信託受益権を有する各受益者が、各自の有する信託受益権の割合に応じて有しているものとする。

・・・

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