更新日:2022年9月2日
昭51直法2-40
標題のことについて、運輸省海運局長から社団法人日本船主協会会長及び日本内航海運組合総連合会会長あてに別紙Ⅱの通達(以下「運輸省通達」という。)が発遣されたことに伴い、同局長から国税庁長官あてに別紙Ⅰの要望書が提出されたが、運輸省通達に定める償却方法(以下「運航距離比例法」という。)は船舶の償却方法として合理的なものと認められるので、運航距離比例法を採用しようとする法人から法人税法施行令(以下「令」という。)第48条の2《減価償却資産の特別な償却の方法》の規定による承認申請があった場合には、その方法によっては当該法人の各事業年度の所得の金額の計算が適正に行われ難いと認められるときを除き、原則としてその申請を承認することに取扱われたい。
なお、承認申請があった場合の取扱いの細目については、下記によることとされたい。
運輸省通達に定める運航距離比例法は、船舶の償却方法として合理的なものと認められるので、その方法を採用することにつき令第48条の2の規定による承認申請があった場合には、原則としてそれを承認することとし、その承認申請の処理等に関する取扱いの細目を定めたものである。
記
1 法人が運航距離比例法を採用することにつき令第48条の2第2項に規定する申請書を提出した場合において、当該法人が撮要日誌(撮要日誌に代えて船用航海日誌の写し又は船舶運航実績報告書を使用している法人にあっては、当該写し又は報告書)を完備していないとき、又は申請に係る船舶の用途が過去の運航状況等からみて一定していないと認められるときは、同条第3項に規定する「各事業年度の所得の金額の計算が適正に行なわれ難いと認めるとき」に該当するものとして、その申請を却下する。
(注) 「撮要日誌」とは、船長が船舶運航会社に対して船舶の運航実績(寄港地、入出港時刻、運航距離、燃料消費量等)を報告するため船用航海日誌に基づき作成するものであり、通常2部作成され、1部が会社に提出され、他の1部が控えとされる。
2 特別な償却方法の承認は、海運企業財務諸表準則(昭和29年9月30日運輸省告示第431号)別表第21号表に掲げる船種に属する船舶に限るものとし、申請に係る船舶がいずれの船種に属するかは、外航船については、船舶安全法第9条第1項に規定する船舶検査証書、当該外航船の造船契約書等により判定し、内航船については、内航海運業法施行規則第10条第1項の規定によりその法人の主たる営業所を所轄する海運局長が指定した船舶の記号番号等により判定する。
(注)1 内航船の船舶の記号番号は、次の形式により指定される。
関 | R | 2345 | C | 345678 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
↓ | 業種の記号 | 許可番号 | ↓ | 船舶番号 |
行政官庁の記号 | 船舶の種類の記号 | |||
この場合の「船舶の種類の記号」の区分は、次のとおりである。 | ||||
C……セメント専用船 | H……石炭専用船 | |||
F……自動車専用船 | T……油送船 | |||
G……石灰石専用船 | S……特殊タンク船 |
2 自航能力を有しない船体(バージ)と押船(プッシャー)を組合せて運行する船舶は、上記による船舶の記号番号の指定が行われたものであっても、その運行の状況が一般の船舶と全く異なるので、承認の対象としない。
3 令第48条の2第2項の申請及び同条第5項の通知は、個々の船舶ごとに行うものとする。
4 令第48条の2第2項に規定する申請書には、その申請に係る船舶の船名、船種並びに生涯運航可能距離(既に事業の用に供している船舶の償却方法を運航距離比例法に変更しようとする場合には、その変更年度以後の運航可能距離とし、新たに取得した中古船の償却方法を運航距離比例法による場合には、その取得年度以後の運航可能距離とする。以下同じ。)及びその計算の根拠を併せて記載させるとともに、それらの記載が事実と相違ないことを証明するに足る書類(船舶検査証書、造船契約書、最近における運送契約書等の写し等)及び撮要日誌が完備していることを証する書類を添付させるものとする。
5 令第48条の2第5項の通知の書面には、その承認に係る船舶の船名及びその償却限度額の計算の基礎となる生涯運航可能距離を併せて記載するものとする。
6 法人が運航距離比例法によることにつき令第48条の2第1項に規定する承認を受けた船舶をその承認を受けた時における用途と異なる用途に転用したことに伴い、当該船舶の属する船種が転用前のそれと異なることとなった場合には、次によるものとする。
(1) 当該転用により当該船舶が海運企業財務諸表準則別表第21号表に掲げる船種以外の船種に属することとなった場合には、法人は、速やかにその旨を所轄国税局長に届出るものとする。
(2) 当該転用による転用後の当該船舶の船種が海運企業財務諸表準則別表第21号表に掲げる船種のいずれかに属する場合には、当該転用の日の属する事業年度以後の各事業年度においては、生涯運航可能距離を当該転用後の当該船舶の属する船種に対応する同表の係数に基づき計算した距離に改訂し、以後その改訂後の生涯運航可能距離を基礎として償却限度額を計算するものとする。
(3) 当該転用により当該船舶が海運企業財務諸表準則別表第21号表に掲げる船種以外の船種に属することとなった場合には、令第48条の2第4項の規定により、遅滞なく当該船舶に係る特別な償却方法の承認を取消すものとする。
7 法人が2以上の船舶の償却について運航距離比例法を採用している場合には、それらの船舶のうちに構造若しくは用途又は細目を同じくするものがあるときでも、個々の船舶ごとに償却限度額を計算するものとする。
8 船舶の償却につき運航距離比例法を採用している法人は、各事業年度の確定申告書に、運輸省通達別紙(1)のⅡに定める実運航距離報告書の写しを添付するものとする。
別紙Ⅰ |
海監第381号 昭和51年10月13日 |
国税庁長官 殿 |
運輸省海運局長 |
船舶の減価償却方法として運航距離に比例させる方法を導入することについて |
標記について、年度毎の運航距離に著しい差異がある船舶については、運航距離に比例させる償却方法によることも合理的であると考えられるので、その種の船舶につき今後本方法を採用しようとする者は、別紙(Ⅰ)の要領に従い実施するよう通達することといたしましたので、税法上の減価償却資産の特別な償却方法の承認につきましては、よろしく御配慮をお願いいたします。 なお、この方法に係る海運企業財務諸表準則(昭和29年運輸省告示第431号)別表第21号表に定める係数の算出については、別紙(Ⅱ)によっておりますので御了知願います。 |
別紙Ⅱ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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昭51直法2-40
標題のことについて、運輸省海運局長から社団法人日本船主協会会長及び日本内航海運組合総連合会会長あてに別紙Ⅱの通達(以下「運輸省通達」という。)が発遣されたことに伴い、同局長から国税庁長官あてに別紙Ⅰの要望書が提出されたが、運輸省通達に定める償却方法(以下「運航距離比例法」という。)は船舶の償却方法として合理的なものと認められるので、運航距離比例法を採用しようとする法人から法人税法施行令(以下「令」という。)第48条の2《減価償却資産の特別な償却の方法》の規定による承認申請があった場合には、その方法によっては当該法人の各事業年度の所得の金額の計算が適正に行われ難いと認められるときを除き、原則としてその申請を承認することに取扱われたい。
なお、承認申請があった場合の取扱いの細目については、下記によることとされたい。
運輸省通達に定める運航距離比例法は、船舶の償却方法として合理的なものと認められるので、その方法を採用することにつき令第48条の2の規定による承認申請があった場合には、原則としてそれを承認することとし、その承認申請の処理等に関する取扱いの細目を定めたものである。
記
1 法人が運航距離比例法を採用することにつき令第48条の2第2項に規定する申請書を提出した場合において、当該法人が撮要日誌(撮要日誌に代えて船用航海日誌の写し又は船舶運航実績報告書を使用している法人にあっては、当該写し又は報告書)を完備していないとき、又は申請に係る船舶の用途が過去の運航状況等からみて一定していないと認められるときは、同条第3項に規定する「各事業年度の所得の金額の計算が適正に行なわれ難いと認めるとき」に該当するものとして、その申請を却下する。
(注) 「撮要日誌」とは、船長が船舶運航会社に対して船舶の運航実績(寄港地、入出港時刻、運航距離、燃料消費量等)を報告するため船用航海日誌に基づき作成するものであり、通常2部作成され、1部が会社に提出され、他の1部が控えとされる。
2 特別な償却方法の承認は、海運企業財務諸表準則(昭和29年9月30日運輸省告示第431号)別表第21号表に掲げる船種に属する船舶に限るものとし、申請に係る船舶がいずれの船種に属するかは、外航船については、船舶安全法第9条第1項に規定する船舶検査証書、当該外航船の造船契約書等により判定し、内航船については、内航海運業法施行規則第10条第1項の規定によりその法人の主たる営業所を所轄する海運局長が指定した船舶の記号番号等により判定する。
(注)1 内航船の船舶の記号番号は、次の形式により指定される。
関 | R | 2345 | C | 345678 |
↓ | ↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
↓ | 業種の記号 | 許可番号 | ↓ | 船舶番号 |
行政官庁の記号 | 船舶の種類の記号 | |||
この場合の「船舶の種類の記号」の区分は、次のとおりである。 | ||||
C……セメント専用船 | H……石炭専用船 | |||
F……自動車専用船 | T……油送船 | |||
G……石灰石専用船 | S……特殊タンク船 |
2 自航能力を有しない船体(バージ)と押船(プッシャー)を組合せて運行する船舶は、上記による船舶の記号番号の指定が行われたものであっても、その運行の状況が一般の船舶と全く異なるので、承認の対象としない。
3 令第48条の2第2項の申請及び同条第5項の通知は、個々の船舶ごとに行うものとする。
4 令第48条の2第2項に規定する申請書には、その申請に係る船舶の船名、船種並びに生涯運航可能距離(既に事業の用に供している船舶の償却方法を運航距離比例法に変更しようとする場合には、その変更年度以後の運航可能距離とし、新たに取得した中古船の償却方法を運航距離比例法による場合には、その取得年度以後の運航可能距離とする。以下同じ。)及びその計算の根拠を併せて記載させるとともに、それらの記載が事実と相違ないことを証明するに足る書類(船舶検査証書、造船契約書、最近における運送契約書等の写し等)及び撮要日誌が完備していることを証する書類を添付させるものとする。
5 令第48条の2第5項の通知の書面には、その承認に係る船舶の船名及びその償却限度額の計算の基礎となる生涯運航可能距離を併せて記載するものとする。
6 法人が運航距離比例法によることにつき令第48条の2第1項に規定する承認を受けた船舶をその承認を受けた時における用途と異なる用途に転用したことに伴い、当該船舶の属する船種が転用前のそれと異なることとなった場合には、次によるものとする。
(1) 当該転用により当該船舶が海運企業財務諸表準則別表第21号表に掲げる船種以外の船種に属することとなった場合には、法人は、速やかにその旨を所轄国税局長に届出るものとする。
(2) 当該転用による転用後の当該船舶の船種が海運企業財務諸表準則別表第21号表に掲げる船種のいずれかに属する場合には、当該転用の日の属する事業年度以後の各事業年度においては、生涯運航可能距離を当該転用後の当該船舶の属する船種に対応する同表の係数に基づき計算した距離に改訂し、以後その改訂後の生涯運航可能距離を基礎として償却限度額を計算するものとする。
(3) 当該転用により当該船舶が海運企業財務諸表準則別表第21号表に掲げる船種以外の船種に属することとなった場合には、令第48条の2第4項の規定により、遅滞なく当該船舶に係る特別な償却方法の承認を取消すものとする。
7 法人が2以上の船舶の償却について運航距離比例法を採用している場合には、それらの船舶のうちに構造若しくは用途又は細目を同じくするものがあるときでも、個々の船舶ごとに償却限度額を計算するものとする。
8 船舶の償却につき運航距離比例法を採用している法人は、各事業年度の確定申告書に、運輸省通達別紙(1)のⅡに定める実運航距離報告書の写しを添付するものとする。
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