更新日:2022年9月2日

財務諸表等規則ガイドライン(「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について) 8の2

規則第8条の2に規定する注記は、「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用される場合の注記とし、次の点に留意する。

1 重要な会計方針については、投資者その他の財務諸表の利用者が財務諸表作成のための基礎となる事項を理解するために、財務諸表提出会社が採用した会計処理の原則及び手続の概要を開示することを目的とした上で、当該会社において、当該目的に照らして記載内容及び記載方法が適切かどうかを判断して記載するものとする。なお、会計基準等の定めが明らかな場合であって、当該会計基準等において代替的な会計処理の原則及び手続が認められていない場合には、注記を省略することができる。

2 重要な会計方針には、例えば次の事項が含まれるものとする。

  • (1) 有価証券の評価基準及び評価方法
  • (2) 棚卸資産の評価基準及び評価方法
  • (3) 固定資産の減価償却の方法
  • (4) 繰延資産の処理方法
  • (5) 外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準
  • (6) 引当金の計上基準
  • (7) 収益及び費用の計上基準
  • (8) ヘッジ会計の方法
  • (9) キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲
  • (10) その他財務諸表作成のための基礎となる事項

3 2の(1)から(10)までに例示されている重要な会計方針の記載に関しては、次の点に留意する。

  • (1) 2の(1)に掲げる有価証券の評価基準及び評価方法の記載に関しては、次の点に留意する。
    • ① 有価証券とは、金融商品取引法昭和23年法律第25号第2条第1項に規定する有価証券及び同条第2項の規定により有価証券とみなされる権利同項第1号及び第2号に掲げる権利以下①において「信託受益権」という。を除く。並びに申込証拠金領収証をいう。この場合において、新株申込受付票は申込証拠金領収証に準じて取り扱うものとし、信託受益権及び内国法人の発行する譲渡性預金の預金証書等で有価証券として会計処理することが適当と認められるものは有価証券に含めるものとする。
    • ② 有価証券の評価方法とは、例えば、取得原価を算定するために採用した方法例えば、移動平均法、総平均法等、その他有価証券の時価評価を行うに際しての評価差額の取扱いをいう。
  • (2) 2の(2)に掲げる棚卸資産の評価基準及び評価方法とは、売上原価及び期末棚卸高を算定するために採用した棚卸資産の評価基準及び評価方法をいう。この場合の評価方法とは、例えば、個別法、先入先出法等をいう。
  • (3) 2の(4)に掲げる繰延資産の処理方法には、繰延資産として計上することが認められている株式交付費、社債発行費等について、支出時に全額費用として処理する方法を採用している場合が含まれることに留意するものとする。

    株式交付費、社債発行費等を繰延資産に計上しているときは、償却期間及び償却方法を記載するものとする。

  • (4) 2の(5)に掲げる外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準には、「外貨建取引等会計処理基準」昭和54年6月26日企業会計審議会報告に定めのない事項に関する換算基準又は「外貨建取引等会計処理基準」を適用することが適当でないと認められる場合において、他の合理的な換算基準を採用した場合における当該他の換算基準等について記載するものとする。
  • (5) 2の(6)に掲げる引当金の計上基準の記載に関しては、次の点に留意する。
    • ① 各引当金の計上の理由、計算の基礎その他の設定の根拠を記載するものとする。
    • ② 退職給付引当金については、退職給付見込額の期間帰属方法並びに数理計算上の差異、過去勤務費用及び会計基準変更時差異の費用処理方法が含まれるものとする。
    • ③ 規則第54条の3第1項の規定による準備金等を計上している場合には①に準じて記載するものとする。
  • (6) 2の(7)に掲げる収益及び費用の計上基準の記載に関しては、次の点に留意する。
    • ① ファイナンス・リース取引に係る収益及び費用の計上基準等、財務諸表について適正な判断を行うために必要があると認められる事項を記載するものとする。
    • ② 財務諸表提出会社の主要な事業における主な履行義務の内容、財務諸表提出会社が当該履行義務に関する収益を認識する通常の時点その他重要な会計方針に含まれると判断した収益認識に関する注記事項その他の事項を記載するものとする。
  • (7) 2の(8)に掲げるヘッジ会計の方法の記載に関しては、次の点に留意する。
    • ① ヘッジ会計とは、「金融商品に関する会計基準」にいうヘッジ会計をいうものとする。
    • ② ヘッジ会計の方法には、繰延ヘッジ等のヘッジ会計の方法に併せて、ヘッジ手段とヘッジ対象、ヘッジ方針、ヘッジ有効性評価の方法等リスク管理方針のうちヘッジ会計に係るものについても概括的に記載するものとする。
  • (8) 2の(10)に掲げる事項については、次の点に留意する。
    • ① 支払利息を資産の取得原価に算入する会計処理の内容等、財務諸表について適正な判断を行うために必要と認められる事項を記載するものとする。
    • ② 退職給付に係る未認識数理計算上の差異、未認識過去勤務費用及び会計基準変更時差異の未処理額の会計処理の方法が連結財務諸表におけるこれらの会計処理の方法と異なる場合には、その旨を記載するものとする。
    • ③ 特定の市場リスク規則第8条の6の2第3項に規定する金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標の数値の変動に係るリスクをいう。又は特定の信用リスク取引相手先の契約不履行に係るリスクをいう。に関して金融資産及び金融負債を相殺した後の正味の資産又は負債を基礎として、当該金融資産及び金融負債のグループを単位とした時価を算定する場合には、その旨を記載するものとする。
    • ④ 会計処理の対象となる会計事象や取引に関連する会計基準等の定めが明らかでない場合特定の会計事象等に対して適用し得る具体的な会計基準等の定めが存在しないため、会計処理の原則及び手続を採用する場合や業界の実務慣行とされている会計処理の原則及び手続を適用する場合を含む。には、財務諸表提出会社が採用した会計処理の原則及び手続を記載するものとする。

規則第8条の2に規定する注記は、「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用される場合の注記とし、次の点に留意する。

1 重要な会計方針については、投資者その他の財務諸表の利用者が財務諸表作成のための基礎となる事項を理解するために、財務諸表提出会社が採用した会計処理の原則及び手続の概要を開示することを目的とした上で、当該会社において、当該目的に照らして記載内容及び記載方法が適切かどうかを判断して記載するものとする。なお、会計基準等の定めが明らかな場合であって、当該会計基準等において代替的な会計処理の原則及び手続が認められていない場合には、注記を省略することができる。

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