更新日:2022年9月2日
納付義務を承継する者
1 相続人
2 胎児
相続人のうち胎児がある場合には、国税の納付義務の承継については、出生の時までは、その胎児は相続人でないものとして取り扱う(大正6.5.18大判、昭和7.10.6大判)。
3 相続人が明らかでない場合
被相続人が婚姻につき、無効の訴えまたはその調停が係属しているときその他相続の効果をもつ身分関係の存否の確定に関し係争中であるとき等相続人が明らかでない場合は、原則として、その無効の訴えその他その係争事由がないものとした場合における相続人に対して、この条の規定を適用することに取り扱う。
承継する国税
4 課されるべき国税
5 納付すべき国税
6 徴収されるべき国税
承継の効果
7 納税の猶予等の効力の承継
被相続人の国税について次の処分又は行為がされている場合にも、相続人は当該処分又は行為がされた状態でその国税を承継する。
限定承認
8 相続によって得た財産
なお、相続によって得た財産から生じた果実または相続によって得た財産である株式から生じた利益配当請求権は、相続開始後に確定したものも相続によって得た財産に含まれるものとする(大正3.3.25大判、大正4.3.8大判)。
(注) 被相続人を被保険者とする生命保険金で、特定の相続人が保険金受取人に指定されているものは、相続によって得た財産とならない(昭和11.5.13大判、昭和40.2.2最高判)。
相続人が2人以上ある場合の承継税額
8-2 承継国税額のあん分の割合
9 包括遺贈等の割合
包括遺贈の割合または包括名義の死因贈与の割合は、
10 指定相続分と遺留分との関係
相続分の指定が、民法の遺留分に関する規定に違反しているものであっても、
11 相続分の指定の委託を受けた者がその指定をしない場合
相続分の指定の委託を受けた者が、その委託を承諾しない場合または相当期間を経過してもその指定をしない場合における
12 指定相続分が明らかでない場合
相続分を指定した遺言の効力について争いがある等のため、指定相続分が明らかでない場合における
13 連帯納付義務の場合
連帯納付義務者の1人が死亡した場合において、その相続人が2人以上あるときは、各相続人は被相続人の連帯納付義務に係る国税を、
納付責任
14 相続によって得た財産の価額
15 承継国税にかかる延滞税、利子税がある場合の納付責任の範囲
16 連帯納付義務等がある場合の納付責任の範囲
相続人が承継した国税のうちに、連帯納付義務、連帯納付責任、第二次納税義務、国税の保証債務又は納付責任の額がある場合において、それらの額が他の連帯納付義務者若しくは連帯納付責任者、主たる納税者又は他の相続人の履行により消滅したときにおける
17 他の相続人による履行と納付責任との関係
相続人の1人が、その承継した国税の額の全部または一部を履行したときは、他の相続人の納付責任は、その納付責任の基因となった国税の残額の範囲内においてなお存続するものとする。
18 相続税法第34条第2項との関係
なお、
徴収手続
19 相続人が2人以上ある場合の更正決定等
相続人が2人以上ある場合の更正決定等、納税の告知または督促は、各相続人が承継した国税について各別にしなければならない。この場合、納付責任については、「通則法第5条第3項の規定による納付の責めがある」旨の文言を記載するものとする。
20 被相続人の国税につき督促がされている場合の催告
被相続人の死亡前に督促がされている国税につき、その相続人に対して差押えをしようとする場合には、
21 清算手続と滞納処分
相続財産に対しては、民法第927条または第957条第1項(債権者に対する公告、催告)に規定する債権申出期間内であっても、滞納処分をすることができる(民法929条ただし書、935条ただし書、昭和4.5.15名古屋地判参照)。
22 相続人等に異動を生じた場合
認知、胎児の出生、指定相続分の判明、遺産の分割その他の事由により相続人または相続分もしくは相続財産に異動を生じた場合であっても、その前に生じた承継国税および納付責任の消滅の効果には影響を及ぼさないものとする(民法784条ただし書、909条ただし書参照)。
納付義務を承継する者
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