国税通則法基本通達 第72条関係 国税の徴収権の消滅時効

【法第72条】

徴収権の時効の起算日

1　徴収権を行使することができる日

この条第1項の「これらにつき徴収権を行使することができる日」とは、次に掲げる国税については、それぞれ次に掲げる日をいうものとする。

民法の規定の準用による時効の完成猶予及び更新

2　裁判上の請求

課税処分の取消訴訟に対する国の応訴行為も裁判上の請求に当たり（昭和43.6.27最高判、平成5.4.16金沢地判参照）、その訴訟に係る国税の徴収権の時効については、その取消訴訟が終了するまでの間は完成せず、その終了の時から新たに進行を始める（民法第147条）。

3　催告

催告書、差押予告通知書の送達等による納付の催告については、民法第150条（催告による時効の完成猶予）の規定が準用される（昭和43.6.27最高判）。

なお、納付の催告により時効の完成猶予の効力が生じた場合には、その効力が生じている期間中に再度催告をしても、再度の催告による時効の完成猶予の効力は生じない（民法第150条第2項）。

4　滞納処分

滞納処分による差押え、換価及び配当については、民法第148条（強制執行等による時効の完成猶予及び更新）の規定が準用される（徴収法基通第47条関係55参照）。

5　捜索

差押えのため捜索をしたが、差し押さえるべき財産がないために差押えができなかった場合は、その捜索が終了した時に時効の更新の効力が生ずる（民法第148条第2項、昭和34.12.7大阪高判、昭和42.1.31名古屋地判参照）。

6　承認

国税を納付する義務がある者が、期限後申告、修正申告、納期限の延長、納税の猶予又は換価の猶予の申請、延納の申請又は届出、納付の委託その他国税の納付義務の存在を認識していたと認められる行為をしたときは、これらの行為をした時から、これらの行為に係る部分の国税の徴収権の時効が新たに進行する（民法第152条第1項参照）。

7　一部納付

納税者による国税の額の一部の納付は、その旨の意思表示が認められる限り、その国税の承認があったものとする。