「木を見て森を見ず」の監査技術にも疑問

自民金融調査・会計小委 財務諸表利用者の見解
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自民党は2月26日,金融調査会・企業会計に関する小委員会の合同会議を開催した。東芝の不正会計事件以降,同会議では会計監査を巡る諸状況を確認している。当日は「会計監査に関する有識者ヒアリング」として,引頭麻実・大和総研常務執行役員と清原健・弁護士から話を聞いた。引頭氏は,企業の会計不正について「監査基準の変更だけでは防げない」とし,「基準の内容が監査に反映されているかどうかの実装度合」や「"木をみて森を見ず"になっている現行の監査技術」などの問題点を指摘したようだ。

●利用者目線による問題点と対策

財務諸表利用者の立場から見解を述べた引頭氏は,監査の問題の本質として2つ指摘した。

①インプリメンテーシ...