ハーフタイム パナマ文書の衝撃と所得格差の拡大

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パナマの法律事務所から流出した2.6テラバイト,1,150万点の40年間に及ぶ情報は,関係国の人々に大きな衝撃を与え,タックスヘイブンをめぐる巨悪ぶりが注目を浴びている。パナマはOECDが呼びかけた情報協定に参加しない国の一つであり,40年といえば,タックスヘイブン税制(わが国は1978年に初めて導入した)の歴史ともほぼ重なる。

2016年3月,最新鋭の暗号化アルゴリズムで保護されていたはずの情報がもれ,4月14日にはタックスヘイブンを利用している世界的著名人の名が報道された。その衝撃は,わが国では同日発生した熊本地震によって半ばかき消されたが,重い納税負担に喘ぐ国々の人達にあっては,やっかみや...