早稲田大学大学院　会計研究科教授　秋葉　賢一

2016年度税制改正に基づき，会社が，その役員に対して特定譲渡制限付株式を交付した場合，１株当たり利益（EPS）には，どのような影響があるでしょうか。

A:

勤務状況に基づく事由により無償取得される特定譲渡制限付株式は，条件付発行可能普通株式ではなく，普通株式と同等の株式に該当し，普通株式の数と合計して，１株当たり当期純利益を算定することになると考えられます。

特定譲渡制限付株式の概要

2015年６月から適用されているコーポレートガバナンス・コードでは，経営陣の報酬について健全なインセンティブ付けを行うべきとし，具体的には，中長期的な業績と連動する報酬の割合や，現金報酬と自社株報酬との割合を適切に設定...