Q&Aコーナー 気になる論点(175) IASBの今後の作業計画(1)

‐2015年アジェンダ協議に対して‐

早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一

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国際会計基準審議会(IASB)が2016年11月2日に公表した「IASB作業計画2017年‐2021年:2015年アジェンダ協議に対するフィードバック・ステートメント」(以下「フィードバック・ステートメント」)では,今後,概念フレームワークの見直しを完了させ,また,リサーチ・プロジェクトを適時に完了させていくとしています。このため,基準開発を加速化させていくのでしょうか。

A

フィードバック・ステートメントでは,2017年に概念フレームワークの見直しを完了させ,また,リサーチ・プロジェクトを削減し,適時に完了させていくとしています。しかし,2021年までの活動の中心的なテーマは,財務報告におけるコミュニケーションの改善であり,また,IFRSを適用するための支援の展開を継続するとしています。このため,基準開発を加速化させていくわけではないと思われます。

<解説>

フィードバック・ステートメント(1)‐概要

2016年11月公表のフィードバック・ステートメントでは,プロジェクトを完了させるために実際に要した時間と2012年に想定した時期を比較した結果,現実的な目標を掲げ,リサーチ・プログラムなどプロ...