ミニファイル 繰越欠損金と税効果

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税務上の欠損金は,将来の所得と相殺することができ,その期の納付税額を減らす効果をもつ。そのため,税効果会計においては「一時差異に準ずるもの」として将来減算一時差異と同様に扱われ,税務上の繰越欠損金についても,回収可能性があれば繰延税金資産を計上することができるとされる。

ただし繰越欠損金については,一定規模以上の会社について「発生年度からの繰越期間」と「控除限度額」の制限が定められている。そのため,繰越欠損金があるからといって無制限に所得と相殺できるわけではなく,定められた期間内(9年間。平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金については10年間)で,年度ごとの控除限度額(以...