IFRS財務諸表の表示・開示を巡る議論

より良いコミュニケーション(Better Communication)とその先に見えるもの
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「IFRS適用で比較可能性は高まったのか?」-。投資家(アナリスト)の一部など関係者の間でこのような疑問が持ち上がり,その検証が進められている。大きな基準作りにメドを付けたIASBも,活動の軸足を作成者と利用者の財務報告を通じたコミュニケーション(対話)の改善に移しつつある。彼らの問題意識はIFRS基準による表示・開示の内容にあるが,そこではどんな課題が確認されているのか。JICPAが開催したセミナーに監査人とアナリスト,基準設定主体(IASB)のスタッフが集まった。投資家を招いたディスカッションはJICPAとしても「初の試み」。三者の議論をきけばIFRS適用のさらなる促進に向けた課題が見える...