ミニファイル 資産除去債務と税効果

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固定資産の取得等によって資産除去債務が発生した場合,会計上,資産と負債(資産除去債務)を両建てで認識することとなる。ただし税務上は,資産除去債務が負債として認められず,実際に当該資産を除去した時点で税務上の損金算入が認められる。そのため会計・税務間で差異が生じ,これが税効果会計の対象となる。当該差異は「将来減算一時差異」に該当するため,資産除去債務の計上時点においては,その回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上することとなる。

また,資産除去債務に対応して資産計上する,固定資産の取得価額に加算される除去費用についても通常は税務上の資産として認められないため,会計上の資産が税務上の資産を上回り...