公開草案「収益認識に関する会計基準（案）」等の内容は企業実務の多方面に影響が及ぶとの声もある。企業会計基準委員会（ASBJ）が同草案を公表してから１月半が経ち，ASBJが周知のために開催したオープン・セミナー（東京会場）には多数の上場企業等関係者が集まった。

公開草案に対する意見募集の締切までおよそ１カ月。企業側での検討も着実に進んでいるようだが，そこではどのような課題を確認しているのだろうか。草案では，割賦基準などのようにこれまで採られてきた会計処理が認められなくなるものもいくつかある。一例として，返品調整引当金に関する企業側の検討から課題整理の方法をみておきたい。

●課題認識

現行の実務では，企...