監査人交代について，様々な視点から取り上げる本連載。今回は，交代時の開示資料に記載される「交代理由」にフォーカスした。交代理由で最も多いのは「任期満了」で，全体の８割以上を占めていた。さらに具体的な理由を開示しているケースを見ていくと，親会社やグループ会社と監査人を統一する場合や，監査報酬の増加などにより交代する事例も多く見られた。 なお，調査方法はこれまで掲載したもの（No.3350・ ２頁 など）と同じ。

《集計方法》

2008～2017年の交代件数959件が対象。監査人の交代に関する開示資料に記載される「異動の決定または異動に至った理由及び経緯」などから集計した。複数の理由を挙げている事例は１件ず...