近年，株主提案権について濫用的ともとれる行使が見られる。事業内容と関係のない，会社を困惑させる内容の提案のほか，株主１名が100を超える提案を行った事例もあった。

このため，法務省は，本年２月公表の「会社法制（企業統治等関係）の見直しに関する中間試案」で，株主提案権の制限措置として，①提案可能な議案数を５または10に制限する案と，②内容による提案の制限案を提示した。②は，株主が専ら人の名誉を侵害する目的などで提案を行ったり，総会の適切な運営が妨げられて株主の共同の利益が著しく害される恐れがある場合，提案を拒絶するもの。

中間試案に寄せられた意見では，「議案数の制限は，招集通知や総会資料等に係る費用...