図解と事例で学ぶ!収益認識基準 第2回:契約と売上

 公認会計士・税理士 内田正剛

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第2章 契約と売上の関係

1.収益認識と5つのステップの復習

今回は,ステップ1の「契約を特定する」を解説していきますが,その前に連載第1回( No.3372 )で解説した「【図1】収益認識と5つのステップ」を眺めてから,第2回を読み進めて行きましょう。

【図1】収益認識と5つのステップ

なお,連載第2回以降は事例を交えて解説していきますが,いずれの事例も,企業会計基準委員会が公表した「収益認識に関する会計基準の適用指針」の設例をかみくだいて解説したものです。

2.売上を検討する対象の契約は?

(1)契約とは?

①権利と義務が発生する

売主と買主の間で結ぶ契約は,両者に対して権利や義務が発生し,それは法律で強制さ...