アナリストの視点から見た非財務情報の有効活用

~ディスクロージャーワーキング・グループ報告を受けて~

日本格付研究所 審議役兼チーフ・アナリスト 水口 啓子

( 10頁)

1.はじめに

平成30年6月28日に金融庁金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ(以下,DWG)」での検討及び審議を踏まえて,「ディスクロージャーワーキング・グループ報告 ‐資本市場における好循環の実現に向けて‐」(以下,当該報告書)が公表された。有価証券報告書における非財務情報の充実が視野に入る中,有価証券報告書の作成者は,当該報告書における非財務情報をアナリストがどのように活用し得るかの理解を深める機会を持ち,利用者は今一度より具体的に開示情報の有効活用について考察することにより,報告書作成コストを上回る便益が得られる開示への道筋のイメージ作りを始めることに意義があろう。

当該報告...