年頭所感《日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 清田 瞭》

解説

日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 清田 瞭

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明けましておめでとうございます。

日本取引所グループの清田でございます。

年頭に当たり,皆様のご健勝を心よりお祝い申し上げると共に,本年も一層のご活躍をお祈り申し上げます。

新年のご挨拶に当たり,昨年の株式市況を振り返りたいと思います。

昨年は,前年から続く,米中貿易摩擦,中東情勢の複雑化,Brexitの迷走などに加え,香港情勢の悪化や日韓関係の極度の緊張など,世界情勢が混沌としていた1年でした。

一方,我が国株式市場は,年初こそ大幅安の2万円割れで始まったものの,その後すぐに2万円台を回復し,夏場まではもみ合いの展開となりました。秋口からは,アメリカの金融政策が引き締めから緩和へと転換したことを受け,世界的に株式市況は上昇基調となり,日本でも,10月の消費税増税の悪影響もあまり見られず,年末にかけては一時2万4千円台を回復するなど,年間では右肩上がりの好調な相場となり,昨年末の終値は29年振りの高値となりました。

次に,昨年の新規公開市場についてですが,IPOの企業数は94社となり,引き続き高水準を維持しております。今...