Q&Aコーナー 気になる論点(258) IASBにおける財務諸表の表示の改正案(3)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)は,IAS第1号「財務諸表の表示」を置き換えるように,2019年12月17日に公開草案(ED)「全般的な表示及び開示」(IAS第1号改正案)を公表しています(コメント期限:2020年6月30日)。IAS第1号改正案では,損益計算書に財務の区分を設け,確定給付負債の純額に係る利息純額や資産除去債務の割引の振戻も,支払利息として財務の区分に分類することを提案しています。これらは,利息の資産化の対象となるのでしょうか。 |
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IAS第1号改正案では,借入金や社債からの支払利息のほか,その他の負債(確定給付負債の純額や資産除去債務)の支払利息も財務の区分に分類することを提案しています。しかし,IAS第23号「借入費用」の修正は提案されていないため,その他の負債の支払利息は,引き続き資産化の対象とはならないと考えられます。
<解説>
IAS第1号改正案(1) ‐損益計算書における財務の区分
IAS第1号改正案は,当期純利益に含まれる収益・費用を,「営業」「投資」「財務」「不可分な関連会社及びジ...
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