2020年3月期開示対策 有価証券報告書の留意事項
EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 髙平 圭
1 はじめに
2019年1月31日に「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)が公布・施行されたことにより,2020年3月期決算の上場企業が提出する有価証券報告書において,複数の開示項目について開示の拡充を目的とした記載内容の改正が行われています ① 。本稿においては,その中から事業等のリスク,監査人の継続監査期間,ネットワークベースの監査報酬等 ② に係る改正に焦点をあて,各項目の改正に至った経緯及び内容,また,当該開示項目の作成にあたっての留意事項について考察します。なお,文中の意見に係る部分については,筆者の私見である旨,あらかじめ申し添えます。
2 事業等のリスク
2018年6月28日に公表された『金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告 ③ 』(以下「DWG報告」という。)によると,「事業等のリスク」の開示について,以下のような意見が聞かれていました ④ 。
・一般的なリスクの羅列と...
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