役員の報酬・賞与・慰労金の基本と実務Q&A<211> 株主の認定
弁護士 小林公明
Q
私は株式会社の代表取締役をしているが、私の2人の兄が私を経営能力に欠けること等を理由に株主総会で取締役から解任し、私の代表取締役報酬を失わせようとしている。
そして、2人の兄は、そもそも私が会社の株式を保有することに疑義を呈し、私の取締役解任議案を審議する株主総会において、私は株主として議決権を行使することはできないと主張している。
株主が誰であるかはどのように決定されるのか。
A
1 結論
株主が誰であるかは具体的事情を総合的に判断して決定されることが多い。
2 追跡調査型
(1)登記では分からない
株式会社(以下単に「会社」)の代表取締役の氏名及び住所が記載されている登記事項証明書(登記簿謄本)は誰でもその交付を請求できる(商登10)が、そこには株主の氏名及び住所の記載はない(911Ⅲ)。
後述のように、最低1株を引き受ける発起人の氏名又は名称及び住所も、原始定款の記載事項ではあるが、株主のそれと同じく登記事項ではない。
したがって、登記では誰が株主かは分からない。
(2)追跡調査型
株主総会の決議は、議案(本件では取締役解任)の決議に必要な議決権数を有する株主の賛成により成立する。
質問にあるように、株...
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