ISSBによるIFRS S1・S2号の公表(後編)
有限責任 あずさ監査法人 常務執行理事/開示高度化推進部長 関口 智和
1.はじめに
2023年6月26日に、国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB」という。)から、IFRS®サステナビリティ開示基準における最初の基準として、IFRS S1「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」(以下「IFRS S1号」という。)及びIFRS S2「気候関連開示」(以下「IFRS S2号」という。)が公表された。
本稿では、ISSBより公表されたIFRS S1・S2号について2回に分けて解説しており、前編( No.3618・21頁 )では、両基準が公表された経緯、両基準の概要、及びIFRS S1号のポイントについて解説した。後編では、IFRS S2号のポイント、及びISSBによる両基準の適用支援に向けた取組みについて解説する。なお、本文中の意見にわたる部分は、筆者の私見であることを申し添える。
2.IFRS S2号のポイント①―全体像
IFRS S2号は、2022年3月に公表された公開草案(以下「IFRS S2(ED)」という。)から抜本的な修正はされていない。ただし、ISSBは、IFRS S2(ED)における一部の提案について実務的な適用が困難とのコメン...
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